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第908回 そっくりさん
①https://www.saiyu.co.jp/blog/wildlife/?p=3166より引用のペンギンにそっくりなウミガラス(体長約42㌢)
世の中には人間でも見た目がそっくりということがあります。それは双子でもなく、身内でもないのに、なぜそんなに似ているのか、他人はもとより身内まで眼を疑いたくなるような人が街中でばったりと出会うことがあります。人ばかりがそういうことに会うわけではありません。野鳥の世界でもやはり同じようなことはあります。ハシボソガラスとハシブトガラスや、スズメとニュウナイスズメ、キレンジャクとヒレンジャクなどは仲間同士です。野鳥界でもそっくりさんはいます。
②https://kotobank.jp/word/ウミガラス-35150より引用のウミスズメの仲間のイラスト
野鳥の仲間にウミガラスという野鳥がいます。ウミガラスはウミスズメの仲間のウミスズメやツノメドリ、ウミバトという私たちの身近にいるスズメやカラス、ハトといった馴染みの名前に『ウミ』がついています。また後述しますが、『カワ』がつくその仲間もいます。ウミウとカワウという名前がありますように。ウミスズメの仲間はチドリの仲間になります。また『ウミ』とつきますので、泳ぐのは当たり前で、潜水したりするものもいます。そのひとつにウミガラスがいます。
③https://www.saiyu.co.jp/blog/wildlife/?tag=水中のウミガラスより引用の潜水するウミガラス
そっくりさんというのは①の写真でも、また③の潜っている写真をご覧頂いてもわかっていただけると思いますが、その姿形がとてもペンギンに似ているではありませんか。正式にいいますとチドリ目・ウミスズメ科に分類される海鳥の一種で、現生のウミスズメ類の中では大型の種類です。ペンギンではコガタペンギン(約40㌢)、ハネジロペンギン(約42㌢)が見た目もそっくりだと思います。クチバシは長く脚は尾の近くにあって、翼も尾も短く、陸上で直立歩行をする姿はペンギン。
④カワガラス(体長約22㌢)
海に生息しているウミスズメの仲間にいるウミガラス。対して河川にはカワガラスが生息しています。留鳥として、河川の上流から中流域にかけてと山地の渓流に生息しています。ウミガラス同様黒っぽい身体の色からカラスの名前を配しています。しかし実際には、全身が濃い茶色(光の具合により赤茶色)の羽毛に覆われています。ウミガラスと同じくこのカワガラスも潜水することができます。また驚くことにこのカワガラスは川底を歩くことができて、まさに川の忍者水遁の術です。
⑤ウミガラスと同じく潜水するカワガラス
平地から亜高山帯の川の上流から中流の岩石の多い沢に生息します。冬期(積雪期)には下流側に生息場所を移動することもあり、非繁殖期は単独で行動し、年中単独もしくは番いで行動し群れを形成することはありません。つがいは、一夫二妻になることがあります。渓流の岩と岩の間をピッピッと鳴きながら、速い羽ばたきで川面の上を一直線に飛翔したり、河川を泳いだり、潜水や頑丈な脚で岩をつかみ、水流の圧力を利用して、川底を歩きながら採餌したりして、忍者生活を送ります。
⑥https://www.birdfan.net/2016/06/03/43943/より引用のカワガラスと似ているミソサザイ(体長約10㌢)
ウミガラスとペンギンが異種間の間でそっくりなように、このカワガラスにもそっくりさんはいます。ウミガラスとペンギンは身体の大きさも似通ったそっくりさんでしたが、同じく高山の渓流周りに生息している野鳥に、日本で二番目に小さなミソサザイがいます。⑥の写真でもお分かりになるように、姿形はぴったりとそっくりです。カワガラスは黒に近い焦茶色の体色ですが、光の具合によっては赤茶色で、尾羽をピンと振り上げて、さえずる姿はミソサザイそのものと思えます。