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第1650回 架空の鳥 ⑴

⑴https://tezukaosamu.net/jp/character/602.htmlより引用の「火の鳥」

   ⑴のイラストは手塚治虫の大作『火の鳥』です。「人類と地球の歴史を見守り続ける不死の鳥。その血を飲んだ者も永遠の生命を得るため、多くの人間たちがそれを求めて争う。不死鳥(フェニックス)、火焔鳥、鳳凰とも呼ばれる。時間と時空を超越した存在で分身もできる。」その刺激を与えたのはストラビンスキーのバレエ火の鳥です。ジャングル大帝完結後、次作の構想に悩んでいた折りに観劇し、その情熱的で優雅で神秘的な姿から果てしなく膨らんだ印象は、手塚治虫を実に生涯にわたり、彼のファンを永久に魅了し続けます。

⑵https://ja.m.wikipedia.org/wiki/化蛇より引用の化蛇

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   翼がありますから鳥のように扱われますが、これが見られた土地には洪水がもたらされます。『山海経』の「中山経」によると、陽水の伊水への合流点の水中に棲む。人面で豺(狼や山犬)のような胴体と鳥の翼を持ち、蛇のように進み、叫ぶような声で啼くといわれます。翼を持っている点から、翼を用いて陽水の水源である陽山との間を行き来するとも考えられます。翼のある蛇で、空を飛んだり水中を泳いだりしながら姿を見せるといわれます。架空の鳥というか、妖怪めいた生物です。

⑶https://ja.m.wikipedia.org/wiki/烏天狗より引用の烏天狗

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   日本発祥の烏天狗または鴉天狗は、大天狗と同じく山伏装束で、カラスのようなクチバシをした顔をしており、自在に飛翔することが可能だとされる伝説上の生物。小天狗、青天狗とも呼ばれます。カラスと名前がついていますが、猛禽類と似た羽毛に覆われているものが多いです。剣術に秀で、鞍馬山の烏天狗は幼少の牛若丸に剣を教えたともいわれています。神通力にも秀で、昔は都まで降りてきて猛威を振るったともされます。天狗といえば猛禽類の姿の天狗の事を指し、鼻の高い天狗は近代に入ってから主流となったものです。

⑷https://bakumatsu.org/blog/2012/12/hokusai.html/hokusai2_lより引用の迦陵頻伽

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   迦陵頻伽(かりょうびんが、迦陵頻迦、迦陵嚬伽)は上半身が人で、下半身が鳥の仏教における想像上の生物。サンスクリットのカラヴィンカの音訳。『阿弥陀経』では、共命鳥とともに極楽浄土に住むとされます。殻の中にいる時から鳴きだすとされます。その声は非常に美しく、仏の声を形容するのに用いられ「妙音鳥」「好声鳥」「逸音鳥」「妙声鳥」とも意訳されます。また、日本では美しい芸者や花魁(おいらん)、美声の芸妓を指してこの名で呼ぶこともあったと言われています。

⑸https://jp.123rf.com/photo_7605129_タイのガルーダ.htmlより引用のガルーダ

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   インド神話に登場する神鳥、ガルダの別名。カルラ、あるいはスパルナとも呼ばれています。仏教では迦楼羅(カルラ)あるいは金翅鳥(こんじちょう)と呼ばれ、仏を背負って三世、宇宙、世界を飛ぶことができます。ワシの頭、クチバシ、翼、爪を持つ鳥人。大きさを自在に変えられ、蛇を常食。
タイ王国国章で、インドネシア航空の社章にも。

⑹http://fukagawafudou.jugem.jp/?eid=768#gsc.tab=0より引用の迦楼羅天

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   かるらてんと読み、ガルダが仏教に取り込まれ、仏教の守護神、半人半鳥、火の鳥ともいわれます。迦楼羅は、インド神話のガルダを前身とする仏教の守護神です。八部衆、後には二十八部衆の一員となりました。「迦楼羅」の音写はパーリ語に由来する。迦楼羅天、迦楼羅王とも呼ばれる。食吐悲苦鳥(じきとひくちょう)と漢訳されます。

⑺http://otchan.jugem.jp/?eid=997696#gsc.tab=0より引用の寒苦鳥に例えられるライチョウ 

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   インドのヒマラヤにすむという想像上の鳥。 寒苦鳥、また寒号鳥、とも訓じ、雪山の鳥とも称します。夜にメスは寒苦を嘆いて鳴き、オスは夜が明けたら巣を作ろうと鳴くが、太陽が出ると寒さを忘れて怠けます。仏教では、怠けて悟りの道を求めない人。「喉元過ぎれば暑さ忘れる」です。

⑻https://myth.maji.asia/amp/item_kisya.htmlより引用の鬼車鳥

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   鬼車(きしゃ)は、中国に伝わる怪鳥。東晋の小説集『捜神記』には羽衣女として、江西省のある男が、数人の女を見つけて、一人の女の脱ぎ捨てた毛の衣があったので、男がそれを隠して女たちに近寄ると、女たちは鳥となって飛び去ったが、毛衣を隠された一人だけは逃げられませんでした。男は彼女を妻とし、後に子供を設けました。後に女が隠されていた毛衣を見つけ、鳥となって飛び去り、さらに後に別の衣を持って子供たちを迎えに来て、皆で鳥となり飛び去っていったのです。

⑼https://japaneseclass.jp/trends/about/顒より引用の顒

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   顒(ぎょう)は、中国につたわる怪鳥。人面で、目と耳が四つある。この鳥が現れると日照りとなり旱魃(干ばつ)に苦しむと言われます。古代中国の地理書「山海経」の南山経によると、令丘山(れいきゅうざん)という火炎の多い山(活火山であると考えられる)の南にある中谷(ちゅうこく)と呼ばれる谷に住んでいます。梟(ふくろう)に似た姿ですが、顔は人間のようで、耳と四つの目を持っています。「顒」という名は、その鳴き声から来ています。

⑽https://www.easyatm.com.tw/wiki/金烏より引用の金烏

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   きんうと読み、月には兎がいて、太陽には三本足のカラスがいるという伝説。中国や日本に於き、このように呼ばれるほか、陽烏(ようう)、黒烏(こくう)、赤烏(せきう)とも称されます。太陽の異名としても古くから用いられており、対となる存在の月にいるとされるには蟾蜍(せんじょ→月に住むヒキガエル)、玉兎(ぎょくと→月に住むウサギ)などがある。日本は月でウサギが餅つきをします。

(11)https://blog.goo.ne.jp/horinosuke/e/32146ff1ba3dacc82ba7f0c11a4d4dcbより引用の金鵄

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   金鵄(きんし)は日本書紀に登場する金色の鵄(トビ)。日本神話の霊鳥で、神武天皇が大和の実力者である長髄彦(ながすねひこ)と戦って勝てなかったとき、金色の鵄(とび)が天皇の弓弭(ゆはず)に止まって雷(いかずち)のように輝いたため、賊は眩惑(げんわく)されて戦意を失い、天皇は大和を平定しえたと語られます。金鵄は皇室の守護霊でありこれが弓に憑依して建国の業が果たされたのです。

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