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第863回 野鳥と毒

①https://leisurego.jp/archives/181862より引用の綺麗な野鳥には「毒」がある

   一般的に綺麗なものには「毒」があるというのは本当のことです。私たちは「毒」と聞くとまずはマムシやコブラなどの爬虫類の毒蛇をまずは思い出します。またそのヘビに食べられまいと毒蛙のヤドクガエルもいますし、また海には毒魚とは言いませんが、トラフグもいます。また植物にもトリカブトという「毒」を持つ高山植物もあります。以前には「毒」を持つ①のカラフルな人形のピトフーイなどの毒鳥を語りましたが、この頃では野鳥を取り巻く「毒」を調べてみました。

②https://www.google.co.jp/amp/s/gamp.ameblo.jp/midori-no-keshiki/entry-11571598597.htmlより引用のエゴの実の「毒」 

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   木の実で「毒」を持っているのに、ある種の野鳥はこの②の写真のエゴの木の実が大好きです。殆どの野鳥がこの実を食べないのに、その反対にその「毒」のある実を好んで食べるのが、ヤマガラというカラの仲間です。ヤマガラの漢字表記は「山雀」で山の雀と書き、スズメは人間の身近過ぎる程身近に住んでいて何が食べれて食べることが出来ないかを知っています。そのスズメも食べないサポニンが含まれるエゴの実。しかし上手く皮や実を除いて、種子の部分を食べるのです。

③https://www.agrinews.co.jp/p17332.htmlより引用のイチイの実の「毒」

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   よく言われるのが、人間にしろ、野鳥にしろ、赤い実のなる植物は大変美味しそうに見えるらしいです。ピラカンサやハナミズキ、ナナカマド、ガマズミ、モチノキなど赤い実は遠くからも目立って美味しそうに見えるのです、またそうすることによって、その実の中にある種子を野鳥に運んでもらえて、またその種子排泄地にその植物はめぐむことができます。しかしこの③のイチイの実は赤いのに、アルカロイドと言う「毒」を持ち、やはりヤマガラヒヨドリが種子だけを食べます。

④https://www.konchu-zukan.info/sp/jyakouageha.phpより引用のジャコウアゲハの「毒」

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   野鳥の中には、植物の実も食べますが、昆虫も繁殖期には欠かせないタンパク源として採餌することが多いです。その中でもひらひらと飛び交う蝶は捕獲しやすい昆虫のひとつです。青虫などの幼虫時もありますが、蝶も餌のひとつとなります。ジャコウアゲハは、オスの成虫が腹端からジャコウのような匂いをさせることに名前が由来します。またその成分はフェニルアセトアルデヒドであり「毒」です。幼虫時もつつくと臭角を出す点は同じで、生まれてから「毒」を持ちます。

⑤https://www.sankei.com/smp/photo/story/news/170516/sty1705160001-s.htmlより引用のテントウムシの「毒」

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   ⑤の写真のテントウムシは人間からは天使のような扱いを受ける人気者です。写真はあんまり綺麗とは言えませんが、黄色と黒のタイプもあり、やはり基本的には赤黒が多いので、野鳥にとっても木の実同然に美味しい食物に見えるのかもしれません。テントウムシはアルカロイドと言う「毒」を持つアブラムシを幼虫の頃に摂取することにより、成虫になってもその「毒」は体内に蓄積されます。皆さんもテントウムシを捕まえた時、臭い汁をだします。それがアルカロイドです。

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