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第1018回 渡鳥のニュウナイスズメ

①https://shikabee.com/niyunaisuzume/より引用のニュウナイスズメのつがい(左がメス、右がオス共に体長約14㌢)

   私たちの一番身近な野鳥にスズメがいます。まさかご存知ではないことはなく、朝には「チュンチュン、チュンチュン」と何処からか聞こえてきて、あぁ朝が来たんだと思われる方も多いと思います。そんな人間が住むところにしか、住まないスズメは日本にはこの種に加えて二種いるのです。そのことをご存知でない方はスズメを知っている方は殆どおられても、その反比例の殆どの方が知らないと思います。そのもうひとつのスズメは①の写真のニュウナイスズメといいます。

②http://himajin.moe-nifty.com/blog/2006/03/post_c932.htmlより引用のスズメのつがい(左がメス、右がオス共に体長約15㌢)

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   ①の写真はニュウナイスズメのつがいです。ご覧になってお分かりいただけるように、右側のオスの方が一般的な野鳥のつがいに見られる雌雄の特徴の一つのオスのほうが、メスよりも派手な色合いか、またははっきりした濃い色合いのどちらかで、見れば一目瞭然に右側がオスであるとわかります。対する私たちが毎日見ている身近な野鳥の②の写真のスズメは雌雄同色で、パッと見るだけでは雌雄の区別はわかりません。よくよく見てみると顔にある黒い班が濃いのが雌雄の区別です。

③https://instabusters.net/hashtag-photos/passerrutilansより引用のニュウナイスズメ(右側)とスズメ(左側)

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   スズメの漢字表記は「雀」で皆さんも殆どの方がご存知です。ニュウナイスズメは「入内雀」です。スズメが人の近くに必ず住むのに対して、林や森などを好みます。黄雀(こうじゃく、おうじゃく、きすずめ)ともいう別名があります。③の写真はニュウナイスズメスズメを比較しています。また一般的に言われるのが、地味な色合いで雌雄同色の野鳥と、雌雄の区別がオスの方が綺麗だとか派手な色合いで対するメスは地味な色合いの野鳥の差は天敵に襲われ難いのが雌雄同色です。

④https://www.google.co.jp/amp/s/happy12005.exblog.jp/amp/240235470/より引用のニュウナイスズメの群れでの渡り

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   同じスズメの仲間と言ってもニュウナイスズメは元々は日本の私たちの身近な野鳥として、私たちに一番近い存在であったようです。それがアフリカ大陸から流れ流れて日本にたどり着いたスズメにその生息域を奪われて、山野に追いやられました。その後に東北地方の山形県辺りに落ち着いたとされています。しかし関東以北では夏鳥として生息して、その後に関東以南に越冬する渡鳥とし生息しています。スズメは留鳥とされますが、小さな渡りがあり、ニュウナイスズメも渡ります。

⑤https://ja.m.wikipedia.org/wiki/入内雀より引用の妖怪「入内雀」

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    日本の昔話として「雀のお宿(舌切り雀)」があります。内容は心優しいお爺さんと意地の悪いお婆さんが怪我をした雀に対してした行為に対して「無慈悲な行いをしたり、欲張るものではない」と教えを絵本で習い、⑤の妖怪「入内雀」はニュウナイスズメが主役で、入内雀または実方雀(さねかたすずめ)とは、平安時代の歌人である藤原実方の伝承にある怪鳥の物語です。「雀のお宿」は鎌倉時代の話しで、それ以前に「入内雀」がありますから「舌切り雀」はニュウナイスズメかも。

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