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第2240回 鳥の縄張りと繁殖

①https://medibang.com/picture/6g2001201241168900012201064/より引用の子どもの頃の縄張りごっこ

   私たちが小さな子供の頃には、今の日本のようにアスファルトの道路は少なくて、①のタイトルイラストのような地道が多く、また街のあらゆる所には空き地がありました。そんな空き地は子供達の遊び場で、これも今の街のように公園などは作られていませんでした。空き地には草が茂っていたり、また木が生えていたりして、空き地で、隠れんぼや、べったん、こま回しなどをして夕方まで遊んだ思い出があります。なぜかわかりませんが近所の幼馴染の子供と仲良く遊んでいても、何かしら口喧嘩みたいな言い争いになり、イラストのように「ここはボクの陣地だから、この中には入ってくんな」とか言って、そこら辺に落ちています木の枝を使い線引きしたのを覚えています。これが私たち人の縄張りの起源かもしれません。

②-1.https://diy-ie.com/kouza/kouza-kiso02.htmlより引用の家屋建設予定地の縄張り

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②-2.http://kappabori.blog40.fc2.com/blog-entry-317.html?spよりアユは群れでの縄張り

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②-3.https://www.pakutaso.com/20160535138post-7871.htmlより引用の野良猫の縄張り

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   子どもの、陣地取りも縄張りのひとりですが、良く昔のヤクザ映画には、その繁華街をシマとします組があり、支配するために店子からみかじめ料を取っている街中に縄張りを形成し、よそものの組が侵入してきましたら縄張り抗争をしていました。また今でもよく見かけるのは、空き地に家屋の建物建設のための②-1.のイラストの杭とロープを使った縄張り。また②-2.の写真では、渓流好きな方ならご存知の群れて縄張りを形成する鮎の習性を活かして、釣り糸にオトリ鮎をつけて、よそもの鮎と喧嘩させ、引っ掛け針で吊り上げる友釣りなんかでも縄張りは証明されています。②-3.の写真は野良猫の縄張り争いです。習性として猫そのものは個別に縄張りを持ちます。飼い猫同士でもその範囲は狭いのですが、写真のような野良猫は餌を求めて彷徨う為に縄張り範囲は広いです。

③https://www.ac-illust.com/main/search_result.php?word=%E7%B8%84%E5%BC%B5%E3%82%8Aより引用の人を襲うカラスのイラスト

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   では鳥には縄張りがあるのでしょうか。答えはもちろんあります。鳥だって、鮎や猫のように、餌を確保しないといけません。③のイラストはカラスが人に攻撃をしています。恐らくこのイラストにはありませんが、公園かなんかの樹木に営巣していまして、その巣にはヒナがいて、その樹木の下を何にも知らずに歩いていただけの女性ですが、カラスにとっては、子育て中の警戒心が昂っていますので、この女性を外敵とみなして襲われたから、縄張りが問題ではないと思われる事があると思いますが、縄張りには繁殖期のつがい形成や巣作り、子育てまで縄張り内で行うからです。

④-1.https://www.birdfan.net/2016/08/05/45455/より引用の縄張り宣言のさえずりをするウグイス(写真はオス、体長約16㌢)

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   鳥の縄張り宣言は、野鳥にとっては色んな意味があります。「ホー、ホケキョ」で有名な④-1.の写真のウグイスは春告鳥として、さえずることで有名です。しかし、私たち人にとっては、鑑賞の対象としての風物詩ですが、当のウグイスには、つがい相手を探す求愛行動でもあり、また縄張り宣言は、メスに対して安心感を与えるさえずりでもあります。また反対に速贄で有名なモズの縄張り宣言は晩秋の高鳴きです。冬の縄張りを主張するため、樹木や電柱などの高場で④-2.の写真の高鳴きをします。春先から繁殖するために求愛宣言でつがいになったメスとも別れを告げる縄張り宣言です。これはオスだけでなく、メスも行います。餌の乏しい冬に備え食糧確保の縄張り宣言です。

⑤-1.https://www.birdfan.net/2018/05/18/62323/より引用の縄張り宣言の母衣打ちをするキジ(写真はオス、体長約80㌢)

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⑤-2.https://ganref.jp/m/yanyanyan/portfolios/photo_detail/2938255より引用のコゲラ(体長約15㌢)の求愛行動のドラミング(体長約15㌢)

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⑤-3.https://www.google.co.jp/amp/s/plaza.rakuten.co.jp/imuski/diary/200702080000-amp/より引用の営巣中のアオサギ(体長約93㌢)のクラッタリング

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   鳥の中には、縄張りを表わすやり方は、さえずりだけではありません。昔話の「桃太郎」に登場致しまして、その功績を認められたのか、勇敢が売り物の⑤-1.の写真のキジは、オスが翼を激しく羽ばたかせながら「ケーン、ケーン」という大きな声で鳴く行動。繁殖期の縄張り宣言の意味があると考えられています。「母衣」とは武士の鎧や兜の後ろにつけます布の旗のような武具のことを指します。自分の縄張り内に侵入してきたオスに対しての戦線布告で、この後には決戦決着致します。また、キツツキの仲間では一番小さな⑤-2.の写真のコゲラは、鳴けることは鳴きますが「ギー、ギー、ギー」と扉が軋んだような鳴き声で、遠くにいるつがい相手になって欲しいメスに対して、自分の縄張りに呼び込むためには、もっと力強さが必要です。縄張り宣言や求愛、その他のコミュニケーションのために木を突いて音を出すことで、さえずりと同じ役割を致します。0.5秒~1秒程度ですが、その間に10~20回も突きますので「タララララ」と聞こえます。最後に登場はコウノトリの仲間の⑤-3.の写真のアオサギです。夏の夜にはよく飛翔しながら「グェー」と大きな鳴き声で驚かされます。そんなサギの仲間もさえずり以外で、繁殖期には求愛行動やその前のメスを呼び込む際にクチバシをカタカタ鳴らすクラッタリングを行います。ここは縄張り内だから安心安全ですと高らかに宣言し、営巣でも鼓舞致します。

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