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第1569回 街中のキツツキ
①https://illust8.com/contents/10012より引用のコゲラのイラスト
森中の大工と言われるキツツキは、実はキツツキという名の鳥はいなく、キツツキ科キツツキ類の鳥の総称なのです。そんなキツツキですが、最近ではイソヒヨドリと同じく街中に進出中の野鳥です。「ギーギーギー」と扉が軋むような鳴き声がしましたらコゲラはあなたの近くにいます。小さな身体に似合わず、良く通る鳴き声です。街中の公園やマンションの敷地内に、植樹をするところが多く見られ、小さなキツツキとして最小の、スズメと同じ大きさのコゲラも生息しやすいです。
②-1.https://kotobank.jp/word/キツツキ-51091より引用の色んなキツツキのイラスト
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②-2.https://kotobank.jp/word/キツツキ-51091より引用の色んなキツツキのイラスト
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②-3.https://www.birdfan.net/2021/04/09/81933/より引用の街中でも見られるコゲラ(体長約15㌢)
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今までの私たちが持っていましたキツツキの概念は、森林で樹木に穴を開けて生息する印象が強く②-1.の日本最大のキツツキは北海道や東北の巨木にしか生息出来ない体長約40㌢のクマゲラを筆頭に、キツツキの代表的な存在の体長約24㌢のアカゲラ、そして街中に進出している日本最小の体長約15㌢のコゲラと、日本には②-2.のイラストのように、キタタキを除く七種類と、樹木に巣穴を開けて生息しないアリスイの八種類となります。この小さい体で、樹木に穴を開けて営巣します。
③-1.http://kuuyan55.livedoor.blog/archives/21239588.htmlより引用のコゲラの巣作り
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③-2.http://動物.jp/kogera/より引用の巣跡をねぐらとして活用するコゲラ
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そんな色んなキツツキの仲間のうちで、なぜコゲラが、街中の公園やマンションなどの植え込みに樹木が増えたからといって、街中でへの進出が増えたのでしょう。繁殖期になり、つがい相手を見つけると、子育てのための巣穴作りをしなければなりません。最大級の大きさのクマゲラで巣穴の直径は約12㌢、標準体長のアカゲラでも約4.5㌢は必要となりますが、コゲラの場合は3.5㌢ですむのです。巨木の生木ではコゲラのクチバシの力が弱く作れません。むしろ小さな木でいいのです。
④https://www.google.co.jp/amp/s/tontonoyaj.exblog.jp/amp/25192245/より引用のコゲラの子育て
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つがいになると、子育ての巣穴が必要となり、③-1.のように枯れ木や小さな木の幹に穴を掘ります。その穴の数は一つです。もしも、ヒナのいる巣穴に外敵が近づいてきても、一箇所なら応戦できます。親鳥がヒナへの給餌の際にも④の一つの穴の方が確実に餌を与えられます。また、コゲラをはじめとしたキツツキの仲間は、子育てが終わり、成鳥となった我が子が巣立っても、③-2.の様にもう一つの穴を開けて貫通させ、ねぐらとして再利用します。天敵が来た時に逃げやすいです。
⑤-1.https://www.google.co.jp/amp/s/gamp.ameblo.jp/gacchan-ko/entry-12497208340.htmlより引用のカマキリの卵を吸うコゲラ
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⑤-2.https://blog.goo.ne.jp/romeo135bb/e/c21f5cf69696cdf8821048bbba8be9ecより引用の桜の花の蜜を吸うコゲラ
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そんな小さくて可愛らしいコゲラですが、キツツキは本来が、木の幹や枝に付いている虫を捕食することが知られていますが、他の野鳥が硬くて食べることが出来ないようなものも食べます。⑤-1.はカマキリの卵です。硬い殻で覆われていますが、キツツキのクチバシで突かれ食べられます。またタマバチの虫コブと呼ばれる硬い殻で覆われたサナギも難なく食します。さらにコゲラはメジロと同じ様に、桜などの花の蜜が大好きです。 クチバシを花に差し込んで長い舌て蜜を飲みます。