第846回 一番の歌舞伎役者はどの野鳥か
①https://www.ozmall.co.jp/experience/article/9335/より引用の歌舞伎役者のメイクのイラスト
以前にも歌舞伎役者のような野鳥はというのを語らしていただきましたが、今回も性懲りなしに別の観点から語りたいなと思います。また歌舞伎とは日本固有の演劇で、伝統芸能の一つ。重要無形文化財。伝統的な演技演出様式によって上演される歌舞伎は2005年にユネスコにおいて傑作宣言され、2009年9月に無形文化遺産の代表一覧表に記載されたくらいに権威のある芸能です。女ばかりで歌劇を展開する「宝塚」に比べると、男ばかりの「歌舞伎」はどうしても対比されます。
②地味かもしれないけど歌舞伎役者に似ているシメ(体長約19㌢)
その歌舞伎に於いて、やはりどんな劇にもあるようにチョイ役から、男役や女役の主人公や、その周りを取り巻く人の役、敵対する悪役など様々な役配があります。この②の写真のシメなんかは非常に「敵役(かたきやく)」が似合っています。普段でもシメをネット検索してみると「いつも怖い顔をしている」「睨んでいる」などとでてきます。アトリの仲間ではカワラヒワやイスカと一緒です。でもイスカはあまりにもクチバシが怖すぎますし、やはりシメはドスの効いた顔付きです。
③https://gramho.com/explore-hashtag/辮髪より引用の歌舞伎会の女役のタゲリ(体長約32㌢)
歌舞伎における女役は、次のような種類の役を専門的に演じる役者を指します。娘・姫・女房など、中年以前の女性の役を演じます。その歌舞伎の女役のことを「女形」といいます。シメのメスも男の「敵役」に見えるように、オスであっても「女形」に見える野鳥もいます。それが③の写真のタゲリです。なんとなく色気のあるような顔と背面は光沢のある暗緑色、腹面は白い羽毛で覆われ、何かしら大奥のお姫様が幾重ものに着飾った着物を着ているようにも見えます。
④-1.男役でも派手な左側ヒレンジャク(体長約17㌢)と右側キレンジャク(体長約19㌢)
④-2.派手な赤い前垂れのノゴマ(体長約15㌢)
現在では、人気があり華やかなこと、あるいは一座の代表といった意味で、一般にも使われているのが「花形」。これを歌舞伎ではどのようにいうのか検索してみたら、やはり「花形」は歌舞伎からきた言葉でした。人気があり華やかな人を「花方(はながた)」と呼んでいました。野鳥ではというと、連獅子姿の④-1.のヒレンジャクとキレンジャクで、真っ赤な前垂れをして、勧進帳のポーズを取るのが④-2.のノゴマ。鮮やか色です。
⑤-1.https://note.com/hiho2351/n/n79950b2b953b/editより引用のやっぱり基本的に顔の化粧が似合っているのがホオジロ(体長約16㌢)
⑤-2.やっぱり歌舞伎役者の代表ホオジロ
最後に控えますのは歌舞伎で「花形」の草分けとなった歌舞伎俳優のうち、演技の実力がある人を「実方(みがた)」と言ったらしいです。また千両役者は名優と呼ばれる歌舞伎役者でありました。今でいう見栄えより演技派というのでしょうか。また歌舞伎の言葉からきた「見得(みえ)を切る」は、歌舞伎役者の顔に①のイラストのような隈取りをして出番に臨みます。それがぴったり似合うのは私の独断と偏見かもしれませんが、この⑤-1.-2.の写真のホオジロが適任者と思います。