第893回 メジロ(10回目)はウグイスの影武者?
①https://www.photolibrary.jp/img325/91016_2929150.htmlより引用のメジロのつがいのイラスト
前回の第892回でウグイスを語りましたら、当然にウグイスに間違われたメジロのことも語らないとおかしいと思います。何もメジロが春先に梅の木の花の蜜が欲しくてやってきて、それを勝手に人が間違えただけなのに「梅に鶯」はおかしいとか、まったくメジロには責任はないのに、メジロがウグイスを装っているようにいわれています。ウグイスが藪中から通る大きな声でさえずり、人はその声の主は何処にいるかの時に、同じく春先に街中の梅の木にやって来ただけのことです。
②春になるとウグイス(オス体長約16㌢、メス体長約14㌢)と間違われるメジロ(体長約12㌢)
その紛らわしさを増幅させるように、③の写真のように、ウグイスが梅の木の枝に止まっているのを、ネットに投稿するものだから話はややこしくなります。そもそもこの春先の梅の木には花が咲いていて、その蜜の甘さが欲しくて、メジロはやってきます。対するウグイスは春先に縄張りを守るために本来より虫を食す食性だから、たまたま梅の木に虫がいるのを見つけたのかもしれません。本来なら圧倒的に、梅の花の蜜をもてめてメジロがつがいでやってくるのが絵になります。
④ウグイスとメジロの比較
メジロとウグイスを改めて比較してみると、⑴メジロと⑵ウグイス。⑴体長約12㌢。留鳥。目白、繍眼児でどれも見たままの姿を漢字にしていて、英名でも "White-eye"です。また日本では冬季の寒冷地を除く全国で、低地から山地にまで広く分布し、市街地の緑地のある公園などでも見られます。食性は雑食で、花の蜜や果汁を好み甘いものが好き。⑵オス体長約16㌢、メス14㌢。留鳥。鶯、春告鳥など、別名が多くあります。平地から高山帯のハイマツ帯に至るまで生息。警戒心が強く、声が聞こえても姿が見えないことが多い。主に小型の昆虫、幼虫、クモ類などを捕食します。
⑤仲の良いつがいと評判のメジロ(左側がオス、右側がメス)
開けたところが好きなメジロに対して、閉鎖的な藪中が好きなウグイス。また一夫一妻のメジロに対して、一夫多妻のウグイス。姿もそんなには似ていません。そんな二種の野鳥でありますが、さえずる時でも、警戒心が強くて姿を見せないウグイスに対して、街中にもひょっこり現れて、愛嬌を振りまくが如くに、可愛らしい姿を警戒心も薄く人が近づいてきても、梅や桜の花の蜜を吸っているメジロ。当たり前のようにして、人はこのメジロをウグイスと決めつけてしまったかも…
⑥実は気が強いメジロ
ほとんどの人は「ホーホケッキョッ」と鳴くウグイスは三鳴鳥にも選ばれていて、凄くさえずりが上手い野鳥と思っていますが、実はこのメジロもいつもは「チー、チー」と鳴いているだけかもしれませんが、そのさえずりはYouTubeなどで確かめて頂きたいのですが、凄く綺麗な鳴き声です。以前にも暴力団の資金源として、違法な品評会が行われるほどです。そんなメジロですが愛嬌を振りまくと言いましたが、甘い物の前では気が強く、ほかの野鳥に割り込むほど気が強いです。
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