第1036回 日本の鳩
①http://blog.nadeg.jp/?eid=139より引用の手前がカラスバト(体長約40㌢)、奥側がドバト(体長約33㌢)
ちょっと前まで、①の写真のカラスバトとドバトはよく混じって公園や寺社仏閣に餌を求めて群がっていました。最近ではあまり見かけなくなったか、もしくはドバトとの交雑種だったのかもしれません。日本の野鳥に関する取り決めで、ドバトは野鳥ではありません。カラスバトは伊豆諸島や隠岐に生息する天然記念物です。常緑広葉樹林に生息し、食性は植物食傾向の強い雑食で、果実、花、ミミズ等を食べます。地表でも樹上でも採食を行います。身体が大きくゆったり行動します。
②キジバト(体長約33㌢)
今では野生種の鳩の中で一番の身近な鳩と言うなら、この②の写真のキジバトが露出度が高いと思います。キジバトの別名はヤマバトで、和名の由来はキジのメスに体色が似ている事が由来です。以前はヤマバトという別名が示すように、山に生息する鳩で、街中にはなかなか顔を見せることがありませんでした。それが開発の煽りを受け、街中に進出してきました。ドバトとは違い、集団で人から餌をねだることはせず、何時もは単独かつがいで行動し、勿論餌も自分で採餌します。
③アオバト(手前がオス、奥側がメス共に体長約33㌢)
この③の写真のアオバトも別名がヤマバトと呼ばれています。写真の場所は海辺の磯につがいで現れたつがいです。人でも夏場になると汗をかいて、ミネラルである塩分が不足するので、塩分対策として、塩を補給するようにこのアオバトは海水を飲んで補給します。普段から主食が果実食といわれ、他の鳩たちのように虫や鉱物を食さないので、この方法で上手にクチバシを閉じて、ストロー替わりにして、海水を吸い上げます。写真のように雌雄の区別が分かりやすい鳩の一つです。
④シラコバト(体長約32㌢)
④の写真のシコラバトはドバトやキジバト、アオバトより少しだけ小さく、やや小型で尾だけが長く、ほっそりしている鳩です。身体の模様は首に黒い横線が走っているのが特徴でキジバトににていますし、背中や翼は色は薄いですが雰囲気はドバトに似ている雌雄同色のキジバトに似た鳩の仲間です。キジバト、アオバトがヤマバトと呼ばれているのに対して、シラコバトの別名はノバトやシラバトです。生息地が関東で埼玉県の県鳥や、国の天然記念物に指定されています。
⑤http://yachou.g1.xrea.com/hato.htmより引用のベニバト(手前がオス、奥側がメス共に体長約23㌢)
⑤の写真のベニバトのメスはキジバトにも似ていますが、写真のように手前のオスの方が身体の色が濃く、メスは薄くてシコラバトに似ています。体長が約23㌢の国内では最小サイズの鳩で、また足が暗褐色であることで区別できます。これまでに紹介されて頂いた鳩と違うところは、このベニバトは日本には数少ない旅鳥または冬鳥として、西日本の南西諸島にごく少数が飛来します。やはりキジバトに近い種なので、首に独特の模様があり、日本では種子を主食として越冬しています。
⑥キンバト(体長約25㌢)
⑥の写真は最小サイズのベニバトに続いて身体の小さなキンバトです。日本では、宮古島以南の南西諸島に留鳥として分布していて、他の地域での観察記録はほとんどありません。また頭部から背面にかけては青味がかった灰色、背面と雨覆は光沢のある緑色、腹面は褐色の羽毛で覆われ、クチバシや後肢は赤いです。オスは額から眼上部の羽毛が白いが、メスは灰色です。開発による生息地の破壊に伴い生息数は減少し、リュウキュウキンバトとして国の天然記念物に指定されています。