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第1235回 風見鶏

①https://my365.in/article/701より引用の風見鶏

   「風見鶏」とは今みたいに、科学が進んだ時代ではなく、風向きが天候と密接な関係にあるため、風向計は風向きを知るのに必要な大切なアイテムとして使われてきました。特に船には欠かせないものだったようです。風向計イコール風見鶏のデザインになったのは、ヨーロッパの教会のしきたりが発祥と言われています。風見鶏はキリスト教の最後の晩餐に関わる逸話(罪を告発するという意味あいを持つ鳥として)が元になって、鶏の形になり魔除けとしての意味合いも含まれていました。

②https://hirotravel.com/hokkaidou/hakodate/page_thumb17.htmlより引用の神戸元町カトリック教会の風見鶏

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   風見鶏は、鶏をかたどった風向計で、主にヨーロッパの教会堂や住宅の屋根の上に取り付けられています。また、風向計としてよりも魔除けとして取り付けられることが多いです。風見鶏は屋根の上部などに取り付けられるもので、①の写真のように、下部には東西南北の四方位が十字型で示され、その十字の中心部分に取り付けられた鶏の向く方向によって風向を知ることができます。警戒心が強い雄鳥の習性から魔除けの意味やキリスト教の教勢の発展といった意味もあるようです。

③https://hyogo-tabi.com/kazamidori/より神戸といえば北野町の風見鶏の館

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   私の街に風見鶏をかざした家屋は、キリスト教会の建物にも見当たりません。それではどこで見られるかと言うと、神戸北野町の異人館街だと思います。その代表的な建物に②の写真のキリストカトリック教会の建物をはじめとして、究極は③の写真の風見鶏の館だと思います。ドイツ人貿易商の住宅として建てられた西洋館で、重厚な煉瓦造りの外観と、屋根上の風見鶏を特徴とし、その風見鶏により風見鶏の館と呼ばれ、また当初の居住者の名から旧トーマス邸、とも呼ばれています。

④https://www.juxtin.com/notre-dame-cross/より引用の大火に見舞われたノートルダム大聖堂の風見鶏

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   風見鶏の発祥の地のヨーロッパで、大事件が起きました。ノートルダム大聖堂で火災が、2019年4月15日から同年4月16日にかけて、フランス・パリのノートルダム大聖堂で起きました。火災の中心は大聖堂の上部であり消火は難航しました。ノートルダム大聖堂の尖塔の先端に取り付けられていた風見鶏は、尖塔は崩れ落ちてしまい、面影を残していなかったため、風見鶏も残っていないのではと思われていましたが、風見鶏も少しの歪みがあるものの無事に見つかったらしいです。

https://www.google.co.jp/amp/s/gendai.ismedia.jp/articles/amp/68827より引用の亡中曽根康弘元総理

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   ネットで「風見鶏」と検索すると、必ずあらわれるのが⑤の写真の亡中曽根康弘元総理です。総理在職中のアメリカのレーガン大統領と愛称で呼び合う「ロン・ヤス関係」が有名です。内政に於いても、これまで必ずも高い評価を受けてきたわけでありません。「風見鶏」のあだ名を思い出す人も多いと思います。佐藤栄作内閣を強く批判しながら、一転して入閣を果たしたり、田中角栄の権力を背景に首相に上り詰め「田中曽根内閣」と呼ばれるなど、まさに「風見鶏」そのものでした。

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