第861回 野鳥の色んな求愛と性行動
①https://www.vario-media.net/interesting/20170710_26370/より引用のアオアズマヤドリの求愛ディスプレイ
①はアオアズマヤドリの南米熱帯地方の野鳥によく見られる「一夫一妻」の求愛ディスプレイですが、取り上げたのは愛の給餌は当たり前で、青い結婚指輪代わりの宝物と、ついでに新居まで差し出すプロポーズ求愛給餌はするわ、綺麗な色の彼等にとれば宝物をいっぱい集めてくるわ、究極は新居となる家も見せ、メスが受け入れたらその巣に入るという手の混みようで、熱烈求愛だからです。また「一夫多妻」はウグイスやオオセッカなど、さえずりが上手い野鳥なので割愛しました。
②https://jp.123rf.com/photo_88599942_一妻多夫シンボル-フラットのベクター-イラストです%E3%80%82白い背景の上の隔離されたアイコン%E3%80%82.htmlより引用の「一妻多夫」のアイコン
人間でも当たり前ですが「一夫一妻」といえば当たり前のことで、野鳥に於いてもその占める割合は92%にも及びます。率にして1%にも満たない「一妻多夫」で有名な野鳥といえば、よく登場するタマシギやヒレアシシギ、オジロトウネン、ミフウズラと圧倒的にシギチの仲間が多いです。「一妻多夫」は本来に於いて、オスが行う役目をメスが行うというもので、メスはただ生理的に卵を産むだけで、その後は育メンの仕事となります。またメスは他のオスとつがいになります。
③https://jp.depositphotos.com/vector-images/一夫多妻制.htmlより引用の「多夫多妻」のイラスト
「多夫多妻」となりますと、複数のオスと複数のメスが一つの共同繁殖群を作ります。一つの巣に共同産卵する場合も、複数の巣を作る場合もあります。メスが主に子育てをして、オスは縄張りを守りますが、ヒナの世話をすることもあります。ダチョウ、エミューなどの走鳥類、シギダチョウ類とイワヒバリ、ドングリキツツキなどで知られています。日本でも見ることが出来るのはイワヒバリです。イワヒバリはつがいがグループ内に限られているため、相手を特定する事が出来ます。
④https://jp.depositphotos.com/vector-images/一夫多妻制.html?qview=38705629より引用の「乱婚」のアイコン
鳥類の「一夫一妻」が92%ある事に対して、私たち人間の属する哺乳類は99%近くが「一夫多妻」か「乱婚制」です。もちろん人間は基本的には「一夫一妻」です。「乱婚」を語る時に、まず野鳥で浮かび上がるのはキジです。キジは「一夫多妻」とも呼ばれていますが、一繁殖期にオスが複数のつがい形成をするのではなく、メスが「乱婚」の群れを作るとも言われています。これに「一妻多夫」のタマシギも実はオスもメスを選ぶという事で「乱婚」で、野鳥の世界も複雑です。
⑤http://silverrapide.blog94.fc2.com/blog-entry-348.html?spより引用の襟巻きシギにおける集団求愛場のレック
もっと複雑になってくるのが「レック」です。「レック」とは繁殖相手のメスを獲得するために、エリマキシギやコモンシギ、ライチョウ類らが集団求愛場(アリーナ)に集まって、目当てのメスの獲得に乗り出します。サテライト型と呼ばれる飛び込みのオスやメスを装い、順番を交わすオスなどが、互いに競い合うように襟巻きを広げて求愛行動を行い、雄の求愛行動は情熱的ですが、子育ては雌だけが行います。メスを装ってまで、メスを獲得しようとする割に、子育てはしません。
⑥https://jp.123rf.com/photo_68241730_ベクトルのアイコンは同性愛者の結婚式は白を設定します%E3%80%82女性結婚アイコン-イラスト.htmlより引用の同性愛のイラスト
「同性愛」となると、人間社会と同じことが野鳥の世界でも起きているのかも知れません。それが「一夫一妻」でしかもつがいになったら、一生そのつがい関係を続ける野鳥に「ハクチョウ」や「ツル」がいます。その「ハクチョウ」のオオハクチョウ、コハクチョウ、コクチョウに「同性愛」や「ゲイ」が起きています。「ハクチョウ」は何回か繁殖して相手を見つけることが出来ないと子育てへの憧れや、強いオスへの憧れがあり、子育ての手伝いをしながらその穴を埋めます。