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第1682回 寺つつきの正体
①https://www.google.co.jp/amp/s/www.excite.co.jp/news/article-amp/Labaq_51823732/より引用のドングリキツツキ(体長約20㌢)
キツツキと言う名は総称でありますというのが定説で、個別の名称はアカゲラとか、クマゲラ、コゲラなどと、後ろに〜ゲラが付きます。しかし、これは現代の呼び方で、昔は大雑把な呼び方をしていました。キツツキとは言わず、ケラツツキやそこから派生して、寺つつきと呼ばれたりもした様です。ケラツツキの『ケラ』は虫けらのことであり、その『ケラ』をつつく鳥ということで「ケラツツキ」となりました。今回はもう一つの呼称の「テラツツキ」が誕生した経緯を調べます。
②https://www.google.co.jp/amp/s/www.excite.co.jp/news/article-amp/Labaq_51823732/より引用の妖怪「寺つつき」の日本画
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②の日本画は妖怪「寺つつき」です。聖徳太子が建立されたとされます四天王寺や法隆寺に現れてクチバシで寺中をつついて破壊しようとしていると言われています。この日本画だけを観ますと怪しげな男がこの物語の主かと思われそうですが、左上のクチバシの長い鳥が妖怪ということになります。この怪しげな男の怨念とされる妖怪だと言われますのに、何とも小さな妖怪でもあります。もっと強大な妖怪の化身であ怪獣のようなものになれば、この様な寺院など簡単に破壊出来ます。
③https://www.birdfan.net/2018/11/02/65902/より引用のアカゲラ(体長約24㌢)
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この妖怪「寺つつき」は、鳥山石燕の妖怪画集『今昔画図続百鬼』にある妖怪で、啄木鳥(キツツキ)のような怪鳥だといいます。そのキツツキの中でも「寺つつき」の正体は、アカゲラだと言われています。キツツキの仲間には日本では最大級のクマゲラから、アオゲラ、最小のコゲラなど色んな種が生息しています。アカゲラが一番広く生息していることからかと思います。また古名のケラツツキは虫けらをつつくことが名付けの由来ですが、この話から寺をつつくので「寺つつき」。
④-1.https://ja.m.wikipedia.org/wiki/物部守屋より引用の物部守屋の日本画
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④-2.https://日本の歴史.com/2017/11/蘇我馬子/より引用の蘇我馬子の日本画
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④-3.https://www.google.co.jp/amp/s/www.yomiuri.co.jp/column/japanesehistory/20210427-OYT8T50054/amp/より引用の聖徳太子の日本画
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この物語の真相は④-1.〜-3.の人物たちが鍵を握ります。②と④-1.の日本画の怪しげな男は古来の神々を信仰していた古墳時代の有力豪族の物部尾輿の子息であった廃仏主義の物部守屋は聖徳太子と蘇我馬子に討伐された後、寺つつきという怨霊になって、仏法に障りを成すため、太子の建立した寺を破壊しようとしているのだとされています。鎌倉時代の軍事物語「源平盛衰記」によると、聖徳太子は鷹になって寺つつきに対抗したところ、寺つつきは二度と現れなくなりました。
⑤https://karapaia.com/archives/52064736.htmlより引用のアメリカに生息するドングリキツツキに穴だらけにされた樹木
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この「寺つつき」の正体がアカゲラだとするにしても少し抵抗があり、いくら架空の生き物だとしても、虫けらを主食とするアカゲラが本当に木造の建築物をつついて破壊することができますのか。日本にはキツツキと名が付く鳥はいませんが、もしも「寺つつき」の姿がアカゲラに似ているなら、①や⑤のドングリキツツキがその正体であってもおかしくはないはずです。普段から枯れ木に穴をあけ、夏の終わり頃になると木や木造住宅、堀などに年列もの穴を開けるのですから…