第1198回 万葉集の中の野鳥
①https://www.google.co.jp/amp/s/manyuraku.exblog.jp/amp/26014551/より引用の万葉集に登場回数一位のホトトギス
⑴ 霍公鳥(ホトトギス)→最多の百五十二首 卯の花とホトトギスの組み合わせは十六首
❶ 卯の花も いまだ咲かねば 霍公鳥
佐保の山辺に 来鳴き響もす (大伴家持)
※ 橘と共に詠まれたものが最多の二十一首 ❷ 霍公鳥 何の心そ 橘の 珠貫く月に 来鳴きとよむる (大伴家持)
⑵ 鳥(とり)→百鳥、群鳥など百四十首以上
❶ 大和には 鳴きてか来らむ 呼子鳥 (高市黒人)
⑶ 雁(カリ) 七十首近く
❶ 今朝の朝明 雁が音聞きつ 春日山
黄葉にけらし わが情痛し (穂積皇子)
②https://www.google.co.jp/amp/s/manyuraku.exblog.jp/amp/28153833/より引用の万葉集の「梅に鶯」のウグイス
⑷ 鶯(ウグイス)→五十一首。梅をからめたもの十二首
❶ 梅の花 散らまく わが園の
竹の林に 鶯鳴くも (阿氏奥島)
※大伴家持の歌が最多の十一首 ❷ 春の野に 霞たなびき うら悲し
この夕かげに 鶯鳴くも (大伴家持)
⑸ 鴨(カモ)→五十首近く
❶ 葦辺行く 鴨の羽がひに 霜降りて
寒き夕べは 大和し思ほゆ (志貴皇子)
⑹ 鶴(たづ)→四十七首
❶桜田へ 鶴鳴き渡る 年魚市潟
潮干にけらし 鶴鳴き渡る (詠人知らず)
③https://www.google.co.jp/amp/s/manyuraku.exblog.jp/amp/26518553/より引用の万葉集の新年の歌: 酉 ニワトリ
⑺ 千鳥(チドリ)→二十六首(多くの鳥としての千鳥が二首) 大和の川が多い
❶ 千鳥鳴く 佐保の河瀬の さざれ波
止む時も無し わが恋ふらくは (坂上郎女)
⑻ 鷄(かけ=ニワトリ) 十二首
❶ 庭つ鳥 鷄の垂尾の 乱尾の
長き心も 思ほえぬかも (詠人知らず) ⑼ 鵜(ウ)→鵜は二首、鵜飼は十首
❶ 阿倍の島 鵜の住む磯に 寄する波
間なくこのころ 大和し思ほゆ (山部赤人)
❷ 毎年に 鮎し走らば 辟田川
鸕八頭潜けて 川瀬尋ねむ (詠人知らず)
④https://www.google.co.jp/amp/s/manyuraku.exblog.jp/amp/26881404/より引用の万葉集の雉のほろろことキジ
⑽ 雉(キジ=キギシ)→九首+きぎし七首 ❶ 春の野に あさる雉の 妻恋の
己があたりを 人に知れつつ (大伴家持) ❷ あしひきの 八峰の雉 鳴き響む
朝明の霞 見ればかなしも (大伴家持)
(11) トモエガモ→あぢ 九首
❶ あぢの住む 渚沙の入江の荒磯松
吾を待つ児らはただ一人のみ (詠人知らず) (12) 呼子鳥(よぶこどり)→九首
❶ 瀧の上の 三船の山ゆ 秋津辺に
来鳴きわたるは 誰呼児鳥 (詠人知らず)
⑤https://art-tags.net/manyo/animal/nihotori.htmlより引用の万葉集の鳰鳥ことカイツブリ
(13)鳰(にほ=カイツブリ)→ 八首 (しなが鳥は三首)
❶ 鳰鳥の 葛飾早稲を 饗すとも
その愛しきを 外に立てめやも (東歌)
(14) 鶉(ウズラ)→八首
❶ 鶉鳴く 古りにし郷の 秋萩を
思ふ人どち 相見つるかも (沙弥尼)
(15) 鷹(タカ)→七首(内、鷹狩が六首)
❶ 石瀬野に 秋萩凌ぎ 馬並めて
初鷹狩だに 為ずや別れむ (大伴家持)
(16) トラツグミ(ぬえとり)→ 六首
❶ ひさかたの 天の川原に ぬえ鳥の
うら泣きましつ すべなきまでに (柿本人麻呂)
⑥https://art-tags.net/manyo/animal/osidori.htmlより引用の万葉集の鴛鴦 オシドリ
(17) ミサゴ→六首 沖、渚、荒磯など海岸の語が続く
❶ みさごゐる 磯廻に生ふる 名乗藻の
名は告らしてよ 親は知るとも (山部赤人)
(18) 鴛鴦(オシドリ)→四首
❶ 妹に恋ひ 寝ねぬ朝明に 鴛鴦の
ここゆ渡るは 妹が使か (柿本人麻呂)
❷ たかべ(コガモ)と合わせて題材にして
人漕がず あらくも著し 潜きする
鴛とたかべと 船の上に住む (鴨君足人)
(19) 鴉(カラス)→四首
❶ 鴉とふ 大軽率鳥の 真実にも
来まさぬ君を 児ろ来とそ鳴く (詠人知らず) (20) 水鳥(ミズドリ)→四首
❶ 水鳥の 発ちの急きに 父母に
物言ず来にて 今ぞ悔しき (有度部牛麻)
⑦https://www.google.co.jp/amp/s/manyuraku.exblog.jp/amp/29796995/より引用の万葉集の百舌鳥 モズ
(21) 鷺(サギ)→白鳥(しらとり)で登場するものを含め三首
❶ 池神の 力士舞かも 白鷺の
桙啄ひ持ちて 飛びわたるらむ (長忌寸意吉麻呂)
(22) 雲雀(ヒバリ)→三首
❶ うらうらに 照れる春日に 雲雀あがり
情悲しも 独りしおもへば (大伴家持)
(23) 鷲(ワシ)→三首
❶ 筑波嶺に かか鳴く鷲の 音のみをか
鳴き渡りなむ 逢ふとは無しに (詠人知らず)
※ 常陸国の歌 筑波山で、「カカ」と鳴く鷲はオオワシか
(24) 百舌鳥(モズ)→二首
❶ 秋の野の 尾花が末に 鳴く百舌鳥の
声聞くらむか 片聞く吾妹 (詠人知らず) (25) 燕→一首
❶ 燕来る 時になりぬと 雁がねは
本郷思ひつつ 雲隠り鳴く (詠人知らず)
※ 雀(スズメ)や翡翠(カワセミ)はなぜか皆無