第1024回 野鳥の古名の由来 ⑵
①https://aucfree.com/m/items/e282340508より引用のイラスト
第1023回で紹介しましたかほどり、しながどり、すがとりときて、まとりまでの四種はその名前の候補が上がるには上がりますが、この鳥ではないかという、古文書の記述がありませんでしたが、この回から単独や複数ながら特定されます。
②トモエガモのつがい(手前がメス、奥がオス共に体長約40㌢)
あ行 ⑴あをくび(青頸、緑頭)→マガモ 万葉集では鴨は全て『かも』で、室町時代に『あおくび』と、他の鴨と区別するようになりました。江戸時代に『まかも』と 今でもマガモは「あおくび」
⑵あぢ(味)→1.トモエガモ『あぢ』の群れは『あぢむら』で奈良時代には知られます。江戸時代にあぢがも、ともえがも。大正時代にトモエガモ確定
2.コアジサシ 万葉集に『…辺に漕ぎ見れば 渚には あぢ群れ騒ぎ…』と九種の歌が詠まれています。 ⑶あとあし→カンムリカイツブリ お尻に趾がある
⑷あめ→アマツバメ 奈良時代にあめ 平安時代になり、アマツバメとなりました。
③イカル(体長約23㌢)
あ行 ⑸いかるが(斑鳩)→イカル 奈良時代から
⑹いもせどり(妹背鳥)→ホトトギス 妹背とは相思相愛の男女のことで、時鳥(ホトトギス)が相手を恋慕って鳴くとされていたことからの異名。夏鳥。
⑺いろどり(色鳥)→ジョウビタキ、レンジャク、アトリ、マヒワ、ベニヒワ、ツグミの色々の鳥、色美しい鳥、特に秋に渡ってくる小鳥の解釈です。
⑻うきねどり(浮寝鳥)→鴨・雁・鳰・鴛鴦・白鳥などが、水面に浮かんで眠るさま。古歌では『浮寝』に『憂き寝』をかけ、涙に濡れて寝る身のたとえに使われることもある。冬の季語に使われる
④https://zukan.com/jbirds/internal15426より引用のウズラ(体長約20㌢)
あ行 ⑼うづら(鶉)→ウズラ 語源は『う(草叢)、つら(連)』で、草むらの中に連なっている鳥。
⑽うなゐこどり(童子鳥)→ホトトギス 夏の季語 (11)犬鶯→オオヨシキリ 鶯より大きな仲間の鳥 (12)おずめどり(護田鳥)→1.ミゾゴイ おずめ(勝気な女) 水辺にいて、人にも動じない勝気な鳥。田を護る鳥 2.バン 常に澤にすみ人を見るすぐ鳴く
(13)おほとり→コウノトリ、鶴、白鳥、鵜など
⑤カケス(体長約33㌢)
か行 (14)かしどり(樫鳥)→カケス 樫の実を好む
(15)かまめ(加万目)→カモメ (16)唐鳥→輸入の鳥
(17)かやぐき(茅潜)→カヤクグリ 平安時代 かやぐき 室町時代 かやくぐり 江戸時代 おほさざい
(18)かり(雁)→カリ カリカリと鳴く。カリは貴族が使用し、ガンは一般人が使用したとされます。
(19)きぎし(雉)→キジ 奈良時代から「きぎし「きぎす」平安時代以降「きぎし」が多様化 鳴き声「きぎ」+鳥を示す接尾語「し」「す」
⑥アマサギ(体長約50㌢)
か行 (20)くぐい(鵠)→ハクチョウ 鳴き声から
(21)くろとり(牛留鳥)→海浜に住む黒色の水鳥(クロガモ) アマサギ 牛の背に止まる鳥(農耕牛についていれば、土の中から虫が掘り返され捕食できる)
オシドリやイソヒヨドリ、バンも候補の一つ
(22)くたかけ(=くだかけ 鶏)→ニワトリとされる
(23)こばなどり(小花鳥)→ウズラ 秋の季語