第1349回 発光体を持つ鳥
①YouTubeより引用の光る鳥のイラスト
あるメディアへの投稿で「夜に光って飛んでいく鳥がいた」と言うものでした。この質問を受け入れたメディアは当然のことながら、その真相解明に乗り出しました。夜空に光る飛行物体なら、相場は未確認飛行物体のUFOかと、色めき立つところですが、目撃者がはっきりと「鳥」であると言っていますので、UFOとかはたまた飛行機の部類であるとは言い難いはずです。鳥はサギらしく、結果としては、ブナの枯れ木に群生するツキヨタケの胞子が、サギの身体に付き発光したのだと…
②-1.https://www.hashidate-bay-hotel.com/blog/2018/06/05/今週8日より蛍観賞ツアーがスタートします!/より引用の光るホタル
②-2.http://himi-aoyagi.com/hotaruika_hikari.htmlより引用の光るホタルイカ
いま、私たちの身近で発光する生き物といえば、夏の風物詩のホタルを思い浮かべます。日本でもホタルといえばゲンジボタルやヘイケボタルのことで、尾部などに発光器官を持ち、光らせます。水質の綺麗な小川がある茂みにいます。また、通常では光っているところをわたしたは見たことがないですが、富山県が有名な産地の海産物のホタルイカがいます。やはり発光成分はホタルと同じ「ルシフェリン」という発光物質を持っていますが、身体に付いたりとか食べたりはないです。
③https://mossterarium.com/moss-6-009/より発光する光苔
また、生き物ではないのですが、③の写真の光苔もこれならばどうなんだの対象になりますから調べてみました。光苔は日本では北海道と本州の中部地方以北の洞窟などに自生します。光苔は自力で発光しているのではなく、原糸体のレンズ状細胞が暗所に入ってくる僅かな光を反射することによります。またレンズ状細胞には葉緑体が多量にあるため反射光は金緑色つまり、エメラルド色になります。暗く湿った環境を好むため、サギなどの身体に付着するとは考えられそうもないです。
④https://dic.pixiv.net/a/青鷺火より引用の青鷺火の絵画
江戸時代にはかなり有名な怪談として、④の絵画にもあるように「青鷺火」という、サギの体が夜間などに青白く発光するという日本の怪現象の話しです。別名『五位の火』または『五位の光』と言い、青く光るからアオサギではなく、ゴイサギ(漢字表記:五位鷺)のことでした。実際にゴイサギは夜行性の鳥です。ゴイサギやカモ、キジなどの山鳥は夜飛ぶときに羽が光るという伝承があり、目撃例も少なくない。大声で鳴き散らしながら夜空を飛ぶことが、青白く光る妖怪になりました。
⑤-1.https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/050200198/?ST=m_newsより青白く光るニシツメドリ
⑤-2.https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/050200198/?ST=m_newsより引用のニシツノメドリ(体長約28〜34㌢)
でも、本当に夜になると光る鳥はいます。そのことを、ある学者が発見しました。⑤-1.の写真は研究室で、死んだニシツノメドリに紫外線を当てたところ、クチバシが輝きました。詳しく言うと、クリスマスツリーのネオンのように輝きはじめたようです。同じようにエトロフウミスズメの羽に紫外線を当てると、光って見えることも報告されています。ニシツノメドリとウミスズメは近縁種なので、あり得る話だと言います。体表面に青い光等が当たると違う色の光を放出する能力を生物蛍光といい、生き物自体の発光体らしいです。