第667回 色んな逸話を持つ野鳥たち(前編)
①https://jp.freepik.com/free-photos-vectors/jungleより引用のイラスト
日本において、野鳥にまつわる逸話は数知れぬほどあります。日本の古い由緒ある「日本書記」や「平家物語」とか、また今の子供に伝え聴かせる「日本昔話」とか、色んな地方に伝わる「民話」であるとか、古くから伝わる料理の歴史とか、本当にあった有名な人と野鳥の出会いとか、いろんなこの日本での野鳥との逸話。余りにも語り継がれたキジが登場する「桃太郎」やの「舌切り雀(雀のお宿)」「鶴の恩返し」などは記載してはいません。貴方はどれだけご存知ですか。
②https://eonet.jp/zing/articles/_4103284.htmlより引用の日本で一番古い逸話のセグロセキレイ
「日本書紀」の国生みの一書に、イザナギとイザナミが交合の仕方が分からなかったところ、セキレイが現れ、頭と尻を振る動作を見て交合の仕方を知ったとあります。この日本があるのは両神々がおられ、その神々にアドバイスをした野鳥すなわちセキレイが重要な役を演じたことになります。セキレイは身近な種は日本固有種のセグロセキレイと、今では街中のコンビニや駐車場を闊歩しているハクセキレイ、清流が好きなキセキレイの三種です。私はセグロセキレイと思います。
③https://tokitank.com/jidainendai/日本%20第60代天皇%20醍醐天皇/より引用の天皇家の庭にいたサギに五位を授けた醍醐天皇
このゴイサギというのはサギの仲間で、アオサギやほかのシラサギなんかと比べて、首も短めだし、ずんぐりムックリの体型のサギの仲間です。そのゴイサギが凄いその名前の由来に逸話を秘めています。なぜゴイサギになったは、ときの天皇醍醐天皇が、池にいたこの鳥を見つけ、捕えるように家来に命令しました。 鳥は、家来が近づいても逃げることなく、抵抗することなしに捕まり、それが神妙であったことから、五位の位を授かり、漢字表記で「五位鷺」となりました。
④https://kotobank.jp/word/すし-541612より引用のミサゴがヒントを与えて鮨となった
野鳥のミサゴと言えば、猛禽類であり、また魚を主食とするちょっと変わった野鳥でもありますが、その魚を捕獲するために水面下を泳ぐ 獲物を見据える為にホバリングをして、空中停止。その獲物に狙いをつけて急降下して獲物を捕獲します。みさご鮨やみさご寿司のミサゴはこの猛禽類の名前です。そのミサゴが貯蔵した魚が自然醗酵し、酢漬けのような状態になって旨味が増したものを人間が見つけて食したのが寿司の起源であるというわけです。自然界の知恵です。
⑤https://mobile.suntory.co.jp/eco/birds/encyclopedia/detail/1457.html?transfer=pc_to_mobile&utm_referrer=hts%3A%2F%2Fwww.google.co.jp%2Fより引用のジョウビタキのイラスト
日本でも世界各地でもその土地ゆえの民話というものが存在して、この項ではジョウビタキのお話です。別名「紋付鳥」のこの野鳥は昔スズメと姉妹でした。ある日父親から母親が危篤の知らせが入ります。スズメはお歯黒を塗るのを途中でやめて普段着のままで母親の死に目に間に合いました。一方のジョウビタキは化粧を丹念に紋付を着て出かけ、母親を見届けることが出来ませんでした。父親は凄く怒りジョウビタキは頭を下げまくりました。それが今でも所作が残っています。
⑥http://nekonokainushi.blog.fc2.com/blog-entry-213.htmlより引用の昭和天皇の御内室の香淳皇后が絵に描かれました
東京の皇居にある吹上御苑の畑で、昭和天皇が芋掘りをされていた時のことです。庭先に飛来していたヤツガシラにお気づきになった昭和天皇は、侍従に双眼鏡オペラグラスを持ってくるようお命じになりました。「何をご覧になるのですか?」という侍従からの問いに対し陛下は「ヤツガシラ」とお答えになりました。侍従は里芋の「八頭」と勘違いし「オペラグラスはいらないのでは」と…それに陛下は苦笑されたとのことでした。この絵は記念に香淳皇后が描かれました。