第525回 カイツブリ(3回目)の子育て
①背中の上で子育てするカイツブリ(体長約26㌢)
カイツブリは水鳥ですがカモの仲間ではありません。渡鳥でもなく留鳥です。漢字表記も難しくて「鸊鷉」別名「鳰(にお)「鸊鵜(へきてい)」凄く難しい漢字が並びます。また「鳰海(におのうみ)」は琵琶湖を表し、このカイツブリの名前の由来は「櫂(かひ)と瓢(つぶる」との説や、繰り返し頭から潜る「掻き頭潜(つぶ)り」などの説もあります。
①の写真のようにカイツブリは子沢山で、そういう点では同じ水鳥のカルガモも有名ですが、このカイツブリも子沢山で、小さいうちは親鳥が背中に乗せて保温や外敵からの保護を行い、雛を背中に乗せたまま潜水することもあります。水鳥の仲間ではカモの仲間の一部と、カワウなどのウの仲間が本格的な潜水をします。
③http://hbws.cocolog-nifty.com/yn/2008/05/post-6d19.htmlより引用のカイツブリのつがい(左が♂右が♀)
カイツブリの習性として、カイツブリは歩行が下手で、陸上にはあまり上がりません。よって営巣も水上に②のように作ります。恐らくカイツブリの仲間だけが浮巣を作るんだと思います。カイツブリはツバメのように夫婦揃って子育てをします。③左のオスが背中の上にヒナを乗せて、後ろからメスが寄り添っています。早成性でヒナは泳げ、孵化後約一週間で巣から出ます。
④水上を羽ばたきながら走って飛行するカイツブリ
カイツブリはカモの仲間ではなく、カイツブリであり、脚もお尻の付け根から生えていて、それが名前の由来にもなった舟の櫂(カイ)の役割かもしれませんが、歩くのは苦手(ツバメも同様)で、飛行も苦手(キジも同様)です。また飛行するのに水上飛行機よろしく、水上で羽ばたきながら助走して、やっとこさ飛び立てるのです。
⑤カワウとカイツブリ(手前がカイツブリ、向こうがカワウ)
水鳥ゆえに水面を泳げるのは当たり前です。そして潜水できるとなると…そう考えると⑤のウの仲間が思い浮かびます。ウもまた潜水できるし、立ち姿もご覧のように、垂直歩行に近いです。しかしこのカワウは歩行もしますし、ほかの水鳥には珍しく木の枝にも、水掻きが付いているのに止まれます。でもカイツブリは夫婦で子育てすることがツバメ同様に立派なことです。