![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/86546552/rectangle_large_type_2_7988b9ce164f9ede69df539d191d78d2.jpeg?width=1200)
第2203回 ブトとボソの黒いカラス
①-1.http://ikimono8000.blog36.fc2.com/blog-entry-1510.html?spより引用のこれは珍しい手前ハシブトガラス(体長約56㌢)と奥側のハシボソガラス(体長約50㌢)が一緒
①-2.https://yacho-joho.com/niteiru-yacho-chigai-miwakekata/hashibosogarasu-hashibutobarasu-chigai-miwakekata/より引用のハシボソガラスとハシブトガラスの比較
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/86546576/picture_pc_f3e9479fde0efa98bb70a6869366b428.jpeg)
①-1.の写真は自然公園でハシブトガラスとハシボソガラスが仲良く鳴きながら歩いています姿の写真です。これは良く同じカラスの仲間なんだから当たり前のことではないのかと思われる方は多いと思います。それではこの二種のカラスの違いを比較してみます。①-2.の右側の体長約56㌢のハシブトガラス(嘴太烏)は名前の通りにクチバシがハシボソガラスより太くて、おでこが大きく出っぱっています。鳴き声は「カァー、カァー」と澄んだ鳴き声です。対して左側の体長約50㌢のハシボソガラス(嘴細烏)のクチバシは細くて直線です。おでこも平らです。こうやって二種の比較を致しますとなるほどとおっしゃいますが、外部で実際にご覧になられた時には、身体が黒いうえ、①-1.の写真のように大きさの違いもわからないと思います。昔の人はよく考えたもので、カラスの漢字を「烏」としました。それはカラスも鳥の仲間なのですが、身体が真っ黒で顔の眼が見えないから。
②https://dot.asahi.com/tenkijp/suppl/2016041100164.htmlより引用の街中で食事するハシブトガラス
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/86546595/picture_pc_bfa47b649f656d07d8db6a00a5748974.jpeg)
②の写真のようにハシブトガラスは、以前には森林にいたカラスで、樹木の天辺から周りを見渡し獲物や屍肉を探していましたが、街中の変化でポリ袋にハシブトガラスの好きな脂ののった肉やマヨネーズの付いた生ゴミをゴミ置き場に集結した時から、街中に食事場所を見つけて進出して来ました。毎週決まった人間日にゴミ置き場に行けばご馳走にありつけるのです。都会の繁華街のゴミ置き場には大量の生ゴミが集結しますので、その数も半端ではありませんが、普通の街中では一組二組のつがいが集まるだけです。この時に人間が来るかどうか、ゴミ置き場近くの電線に止まって見張り役を致しますのがオスで、ゴミ袋の中のご馳走をほじくり出すのがメスです。ハシブトガラスはつがいか、幼鳥の小単位で行動いたします。
③http://www.forest-akita.jp/data/bird/51-karasu/karasu.htmlより引用の郊外で食事するハシボソガラス
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/86546613/picture_pc_6dd511f63e7db3c7686d8ee4f6afa966.jpeg?width=1200)
対する③の写真のハシボソガラスは、最低でも三羽以上の群れを従い、多い時は写真のように数家族が集まる集団行動の多いカラスです。ハシブトガラスの縄張りは一家族の縄張りで、スタミナだった若鳥でも、その時期が来ればつがいで、追いかけ回して、縄張り外に追いやりますが、ハシボソガラスは数家族の縄張りを持っています。他の鳥でいいますと、スズメやドバトのような集団性性です。街中の生ゴミを主食とするハシブトガラスと違い、限られた縄張り内の食糧を外部から侵入する捕食者から守るためです。また因みに童謡の「七つの子」のモデルはハシボソガラスです。
④-1.jp.quora.comより引用の左のハシボソガラスが右のトビ(体長約59〜69㌢)にモビング
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/86546629/picture_pc_40eff6a76069abeb02e845d915a7539b.jpeg)
④-2.ニコニコ動画より引用のハシブトガラスとハシボソガラスの縄張り争い
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/86546658/picture_pc_0a38f13c7c2d32260ff4cfa75aa0a306.jpeg?width=1200)
④-1.の写真は③の項でも紹介致しましたように、カラスの中でも縄張り意識の強いハシボソガラスが、自分たちの縄張り内に領空侵犯した自分より二回りは大きな猛禽類のトビに対して、モビングを仕掛けています。よく河原や海辺で見られる光景で、普段はお弁当のおかずを人からさらったトビが持ち去ろうという時に、ハシボソガラスがトビからうわ前を撥ねるという光景があります。これは両種とも屍肉食や雑食に近い食性だから、生活域が縄張り争いとなるわけです。これは二種のカラス間でも同じことです。基本的な食域が街中と郊外といいますが、ぶつかり合う場所はあります。世界の国境でいざこざがありますようにカラスの世界でも、④-2.の写真のように起きます。少数同士のぶつかり合いでは、身体の大きなハシブトガラスが有利です。またカラスは同じ縄張り内の身内同士で喧嘩というか、集団で襲い掛かる場合があります。鳥の習性のひとつに弱いものいじめがありますが、カラスは知能が高く、弱っている仲間が死に近づいていることに気づくとこう言ったカラスしかわからない行動に出ることがあります。またカラスは縄張り内の侵入者は、鳥でなくとも攻撃します。猫もそのひとつです。
⑤-1.https://ameblo.jp/photocarbu-yuuyakubo/entry-11965925035.htmlより引用の都会に住むハシブトガラスの寝床
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/86546675/picture_pc_da6f0ea002b7b2aacf7cd3d854532a73.jpeg?width=1200)
⑤-2.http://blog.livedoor.jp/eikonakiusagi08-eikonakiusagi08/archives/46554106.htmlより引用の街中と郊外の狭間のカラスの寝床
![画像7](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/86546697/picture_pc_6831c077aa738e8dbf5fc30989e6c6fb.jpeg)
二種の生活域も違い、食性は雑食とほぼ同じで、片方は集団性が強い上に縄張り性も強いという習性もあり、決して①-1.の写真のように二種が揃って鳴きながら歩いている姿は、事情を知っています者にとっては非常に珍しいことです。そんな二種のカラスも世間が暗くなって来ますと、街中それも都会に生息するハシブトガラスでは、郊外まで飛んで帰らなくとも、安心して眠れる場所がありますならば、生活域でねぐらを構える方が良いとします仲間たちもいて、⑤-1.の写真のようにビルの屋上なり、ネオンや看板裏にねぐらを構えます。また面白いことに、郊外が近い街中に生息していりハシブトガラスや、郊外に生活域を置くハシボソガラスは⑤-2.の写真のような大樹や藪中にねぐらを構えます。この際は呉越同舟なのです。