第1692回 オシドリの子育て
①-1.https://ganref.jp/m/masahito/portfolios/photo_detail/578475より引用のオシドリの営巣(写真はメス)
①-2.https://www.birdfan.net/2014/11/21/31326/より引用のつがいのオシドリ(左がオス、右がメス)
①-1.の写真の簡単な説明を見て頂いて「あらっ」って思われた方は多いと思います。何故ならオシドリは水鳥でカモの仲間だというのに、太い樹木の祠に営巣するなんておかしいのではないかということだと思います。またオシドリといえば、①-2.のように俗に言う「鴛鴦夫婦」を思い浮かべ、常に夫婦はこのようにいつも寄り添っていないと…なんて考えたりして。しかし実際は繁殖一回限りのつがい関係で、一夫多妻という事実もありますが、余りにも目立つその容姿で大変です。
②https://www.kurashi-no-hotorisya.jp/blog/4seasons-things/seasonal-creature/oshidori.htmlより引用の木の枝にとまるつがいのオシドリ
①-2.や②の写真のように派手な色合いのオスと、そのつがい相手の余り目立たない地味な色のメスですが、いつも寄り添っているので、空からの天敵である鷲鷹にとっては好都合な採食相手だと言えます。それ故に水辺の木陰を好み、開けた水面にはあまり出ず、茂った葉っぱの木の枝に留まることもあります。食性は植物食傾向の強い雑食で、水生植物、果実、種子、昆虫、陸棲の貝類などを食べます。陸上でも水面でも採食を行います。水鳥には珍しく、樹木の祠に営巣します。
③-1.https://karapaia.com/archives/52157532.htmlより引用の高い樹木の鉾にあるオシドリの巣のヒナたち
③-2.https://www.asahi.com/and/article/20190617/400558148/より引用のオシドリのヒナのスカイダイブ
オシドリはオスが容姿が派手だけでなく、いつも寄り添って行動するために、空からの天敵に狙われやすいので、陸へ樹上へと安全確保を余儀なくされ、②の写真のように木の枝にとまることもする他に、水鳥では珍しくどんぐりまで採餌いたします。水鳥は水上採餌が主ですが、オシドリは身の危険回避のために樹上採餌もいたします。そのせいか、営巣も①-1.のように木の祠を使って③-1.、-2.のように孵化したヒナ達の一番仕事はこの樹上の営巣よりダイブして地上に降りること。
④-1.https://www.photolibrary.jp/img576/258500_5486032.htmlより引用のオシドリの母子
④-2.https://sapporo.uro2.net/sapporo/post-419より引用の母子で泳ぐオシドリ
元々、オシドリを始めとします水鳥のカモの仲間は早成性と言われ、孵化した直後から、晩成性のスズメのヒナのように体温を保護する綿毛がないことがなく、また産まれた直後から開眼し、生まれてすぐに巣立ちします。また、親鳥に採餌されることなく自分で採餌し、後は親鳥に従うだけです。④-1.の写真を見られたら、さもカルガモの引っ越しの行進かと思われると思いますが、実はカモ類は殆どが引越しから始まり、また④-2.の写真のように産まれた直後から泳ぐことも出来ます。
⑤https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/041800234/?ST=m_newsより引用の猛禽類のミミズクの巣にカモのヒナ
また、⑤の写真をご覧になられてどう思われますか。左は誰が見てもミミズクだし、右はカモのヒナが巣箱から顔を覗かせています。ミミズクはヒガシアメリカオオコノハズクでその隣がアメリカオシのヒナです。これは大変、ヒナが猛禽類のミミズクに食べられると思われるか、異種の二羽が仲が良いと思われるかですが…実はこれはアメリカオシは托卵の習性があり、巣箱のミミズクに托卵したのではないかと思われます。早成性故に仮親が巣箱を離れた頃、飛び出し逃げたみたいです。