第1793回 構造色の綺麗な鳥たち
そ①-1.Twitterより引用の羽ばたくハシブトガラス(体長約56㌢)
今まで、目が覚めるような綺麗な鳥や、原色を散りばめた様なカラフルな鳥は外国に多くて、日本では殆ど見当たらない状態でした。今回はそういう多色で綺麗な鳥ではなく、一色やそれに準ずるような色合いでも構造色故に綺麗な鳥たちです。
①-2.Twitterより引用の紫紺の構造色のハシブトガラス
皆さんは、日本の伝統色の一つに「カラスの濡羽色」というのをご存知でしょうか。①-1.の写真のように、カラスは元々黒いマントを羽織った大きな鳥で、街中の生ゴミを荒らす厄介者ですが、この色の表現は黒髪の女性に対して使われ、水に濡れた烏の羽のように、黒く艶のある髪の毛の形容です。①-2.の写真をご覧になって、カラスの色じゃないと思われる方も多いと思いますが、実はカラスの羽根は一枚一枚構造色で構成され、光のあたり具合によって、黒が紫黒や紺に変わります。
②-1.https://www.birdfan.net/2018/07/20/63947/より引用の「森の宝石」のブッポウソウ(体長約29㌢)
日本には夏鳥として飛来し、本州、四国、九州で繁殖し、冬は東南アジアに渡る②-1.の写真の構造色が美しいブッボウソウは、②-2.の写真をご覧になってわかりますように雌雄同色の野鳥です。雌雄揃って綺麗な鳥です。この仲間にはカラフルな鳥でも紹介しましたライラックニシブッポウソウや日本のカワセミも仲間です。このブッポウソウの構造色の魅力は夜の月の光にも反応して-1.の写真のように綺麗に輝きます。昔から「森の宝石」と呼ばれるのに相応しい容姿であると思います。
③-1.https://1505.jp/green/2018/12/31/輝きのテクノロジー【カワセミ】/より引用の「清流の宝石」カワセミ(体長約17㌢)
③-2.http://masaoga.blog6.fc2.com/blog-entry-783.html?spより引用のつがいのカワセミ(左がオス、右手がメス)
もうこの日本に於いて、構造色の綺麗な野鳥となりますと、③-1.の「清流の宝石」と異名をとるカワセミのほかはありません。②の項のブッポウソウの仲間となりますが、やはり③-2.の写真をご覧になってお分かり頂けますように、つがいは雌雄同色の綺麗です。オシドリの「鴛」「鴦」と雌雄が違う漢字をもち、カワセミは「翡」「翠」です。この翡翠はヒスイとも読み、あの宝石のヒスイはカワセミのこの表記の「翡翠」を貸して貰っています。またメスのクチバシの下部は赤です。
④-1.https://www.google.co.jp/amp/s/eijietudes.exblog.jp/amp/28304128/より引用の三鳴鳥の一つのオオルリ(体長約16㌢)
④-2.https://www.google.co.jp/amp/s/itohnori2.exblog.jp/amp/23138544/より引用のつがいのオオルリ(左がメス、右がオス)
④-1.の写真はルリビタキ、コルリと並んで青い鳥三兄弟のオオルリです。三兄弟共に夏鳥です。またウグイス、コマドリと並んでこちらは日本の三鳴鳥です。高い木の上で朗らかにさえずります。姿もさえずりも美しい幸せの青い鳥といえます。④-2.は性的二型のつがいです。オスは若鳥になり、直ぐには構造色の青ではありません。オスが美しい色彩になるには2〜3年を要します。若鳥のオスはメスの羽色と似た茶褐色で、背面の一部と風切羽及び尾羽に青色が表れているだけです。
⑤-1.https://www.birdfan.net/2012/12/21/20743/より引用の「田んぼの貴婦人」のタゲリ(体長約32㌢)
⑤-2.https://www.google.co.jp/amp/w7-yasuhisa.seesaa.net/article/124698621.html%3famp=1より引用のタマムシの構造色
日本には冬季に越冬のため本州に飛来する冬鳥の⑤-1.の写真のタゲリは同じ仲間のケリよりも一回り小さい鳥です。雌雄同色ですが「田んぼの貴婦人」の異名通り、みんな女性っぽい容姿でしかもキラキラした構造色の身体をしています。改めて構造色を説明しますと、光の反射によって見える色のことで、身近な例だと、シャボン玉があります。CDのソフトも構造色ですが、このタゲリの構造色は、⑤-2.の写真のタマムシの緑と赤からなる輝きを放つ構造色で、正に田んぼの貴婦人です。