第1619回 肉食の鳥
①https://kotori-pastry.com/bunnrui-kategori/1520/より引用の肉食鳥類のイラスト
なぜか、肉食の鳥と言いますと、猛禽類ばかり頭に浮かんで来て、他にも肉食の鳥がいるんだろうかと、クビを捻りたくなると思います。身近な野鳥を思い浮かべても、スズメは繁殖期は害虫を食べ、その後はお米を食べる雑食だし、街中のドバトに至ってはパンやスナック菓子を食べているのを見たけれどとか、ハシブトガラスにしても生ゴミを漁ってはいるけど、木の実も食べていたり、ヒヨドリやメジロにしても、春先に桜の花の蜜を吸いに来ているから肉食でない雑食性だとか…
②-1.https://www.birdfan.net/2010/06/11/5504/より引用のヨタカ(体長約29㌢)
②-2.https://www.birdfan.net/2019/05/17/70722/より引用のツバメ(体長約17㌢)
②-1.のヨタカは肉食といいます。ヨタカとタカが付いているから猛禽類のタカの仲間と思われがちですが、ヨタカはヨタカです。別名を蚊母鳥や蚊吸鳥。口を大きく開けながら飛翔し、獲物を捕食します。空中の虫を捕獲するということで同じく肉食の②-2.のツバメは、春先になると南の国から生まれ故郷の日本に繁殖のために帰ってきます。ツバメもヨタカも虫を捕食する肉食であるがために、夏が終わり秋になりますと、南の国で暖かな気候で虫を捕食し、日本の春を待つのです。
③-1.https://www.birdfan.net/2019/05/17/70722/より引用のカイツブリ(体長約26㌢)
③-2.https://www.birdfan.net/2012/01/27/17651/より引用のカワウ(体長約81㌢)
虫を食べる肉食の野鳥は、ツバメの仲間とヨタカになりますが、水辺に眼を向けますと潜水名人を思い浮かべます。そのひとつに③-1.のカイツブリがいます。古くから親しまれている水鳥です。鳰の湖として、今でも琵琶湖の風物詩となっています。そのカイツブリよりも潜水時間が長くて、黒くて大きな身体の③-2.のカワウがいます。夏になると集団であちこちの溜池や湖沼に現れ、大潜水大会を催します。潜水で魚を捕獲した後は、皆んなで仲良く岸辺で黒いカッパを広げ日光浴です。
④-1.https://www.birdfan.net/2010/10/01/5908/より引用のオオミズナギドリ(体長約49㌢)
④-2.https://www.birdfan.net/2020/01/31/76702/より引用のアオサギ(体長約93㌢)
水鳥を見回しても、カイツブリの仲間やカワウの仲間は淡水の水鳥で魚を食べる肉食鳥類で、カモメの仲間やカモの仲間は雑食です。④-1.のオオミズナギドリやアホウドリ、グンカンドリなどの海洋の海鳥が魚を食べる肉食鳥類ということになります。じゃあ海鳥だけなのかということになりますが、水際には④-2.のようにアオサギなどのサギの仲間も肉食です。サギはペリカンの近種で、魚に限らず、爬虫類や両生類、小さな哺乳類、小鳥などを捕食いたします肉食で、丸呑みにします。
⑤-1.https://www.birdfan.net/2020/06/26/79095/より引用のカワセミ(体長約17㌢)
⑤-2.https://www.birdfan.net/2013/04/12/22115/より引用のモズ(体長約20㌢)
この最後の項では私の好きな二種が登場します。清流の宝石と呼ばれる⑤-1.のカワセミはまさに水際のハンターです。木の枝やホバリングでの宙より、水面を凝視して、狙った獲物の魚やエビに向かって、ざんぶとダイビング、見事に射止める肉食の野鳥です。最後の最後に登場は猛禽類になれなかった雀と揶揄されるモズです。モズは鋭い鉤状のクチバシを持つ小型の戦士です。モズ特有の速贄には、魚介類、爬虫類、両生類、昆虫類、節足類に小さな哺乳類、動き物は食べ尽くします。