![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89675098/rectangle_large_type_2_0bff9b10c6270c737b1bbdf3c8ddd31a.jpeg?width=1200)
第2262回 鳥の刷り込み
①https://www.cat-prince.com/archives/86146233.htmlより引用の本当に親子猫か
①のタイトル写真の二匹の種が違う飼い猫の親子にしろ、人間社会でも、親子だといいますのに、顔つきであるとかが、非常に似ていないことがあります。ひとなら養子縁組をして、他人さまから婿入り致しました子どもなのかどうか、わからない場合もありますし、血を分けた親子だけが親子ではありません。また血縁関係の本当の親子であったにしろ、なぜか似つかない親子もいるもんです。また私は「渡る世間は鬼ばかり」のドラマに登場していました俳優の長山藍子、泉ピン子、中田喜子、野村真美、藤田朋子の五人が何処にでもいる姉妹であるにも関わらず、全く五人が五人とも似てはないと思っていましたが、それは当たり前で、ドラマに登場致します他人同士ですから。
②https://www.kango-roo.com/comic/2730/より引用の「刷り込み」の原理のイラスト
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89687909/picture_pc_00f736281af4f2a052f2a36a85f4e995.jpeg)
刷り込みとは、②のイラストのように、子供が生まれた直後の短期間に得た刺激を元に、親やつがい相手の類型を認識し、その認識が一生固定されるしくみのことです。それは、孵化後数時間~数日で、自分の側で動く、自分より大きなものに対します。その時の視覚と聴覚が重要です。これは
鳥と哺乳類では、ひずめを持つ有蹄類で確認されています。鳥では早成性の種でイラストのような、ひよこなどで多く知られます。晩成性の鳥では育てられた親に似た繁殖相手を選ぶ傾向があります。同種としての属性を備えている刺激ほどより強固に刷り込まれます。本能行動を単純に変化させたものを本能の域を出たばかりの単純な学習です。哺乳類では視覚と臭覚が重要となります。
③https://emuoh.com/blog-entry-1634.htmlより引用のサギのコロニーでの子育て
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89709156/picture_pc_1af82bde67ddff4370264d55c0239c95.jpeg?width=1200)
刷り込みに於いては色んな反応が見られます。 ⑴ 追随反応
❶ 親として認識し、追随する
報酬(餌、手入れ、温かさ)により、強化
❷ 孵化後すぐ親子で移動
→カモ目、シギチ、ツル、クイナの仲間
❸ 大コロニーで生活(③の写真参照)
→ウミネコ、ペンギン、サギ、ウなど
⑵ 性的刷り込み
❶ 成鳥になってからも成立する現象で、個体に刷り込みされるわけではなく、その種に固有の特徴を認識する。性的二型が顕著な種では、雌雄いずれかのみの刷り込み対象となることもある
(カモなどメスだけが子育てする鳥ではメスのヒナは影響を受けない)
❷ 親を覚えるだけでなく、自分が属する種も自覚するのに、人が育てると人に求愛する
→産卵数の少ない種、ツルなど
❸ 兄弟を見て種を覚える
人に求愛する心配はない(オスが一羽だけだとダメ)
→産卵数の多い種、ガンカモ類など
❹ さえずり
鳴禽類では生後初期の敏感期にさえずりを記憶
❺ 止まり木
ケージ内で異なる樹種の止まり木で育てると、広いケージで繁殖しても、各々が育った止まり木と同じ種類の木の枝で営巣した
❻ 巣材
アカマツの巣材の巣で育った個体は、アカマツを好んで巣材とする
④YouTubeより引用の手塚治虫「火の鳥 望郷編」
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89710319/picture_pc_c43ac641d64e894b8de6f2cec244bdb7.jpeg)
⑴ 非可逆性
いったん刷り込まれると、他の刺激は刷り込まれにくくなる ⑵ 感受期(臨界期)
❶ 刷り込みの習性獲得は生後一定期間内でしか起こらないこの期間を感受期と呼ぶ
❷ 鳥の神経、筋肉協応が、対象物に追随できるよう充分に発達した直後に始まる
❸ 鶏ではピークが15時間後で、2日まで。マガモでは孵化後15時間に頂点がある。
❹ 独りで残されるという不安から生じる。20時間すると恐れの本能が出て刷り込みは起こらない。ガンでは36時間以内。ハイイロガンの臨界期は生後一日で、それ以降は刷り込みは行われない。カモでは13~15時間
※ 性的刷り込みが完璧だと、オスは顔見知りのメスは兄弟か自分の母親とつがいになってしまう。
それでは近親婚となってしまう。近親婚が良くないのは、これまで獲得した劣性遺伝子が同種になって発現し、生存力の低下をもたらす場合が多いからである。実験で、同じグループ内で育った顔なじみのメスと、そうでない見慣れないメスのどちらを選ぶか比べたら、オスは見慣れないメスに近づき交尾した。マガモの実験では、ヒナが一羽だけの場合は100%母親の色彩タイプを選ぶ。ヒナが二羽以上では兄弟の色彩タイプを選んだ。マガモのメスは、それまで同種のオスを見たことが無くても、正確に野生種のオスとつがう
⑤https://mainichihime.com/33885より引用の托卵されホトトギスのヒナに給餌するメスのウグイス(体長約14㌢)
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89711136/picture_pc_3ab80ffd24779675db2364dd6afde875.jpeg)
托卵する鳥は、刷り込み現象で育ての親を交尾相手と認識してしまいません。哺乳類の犬なんかでも発情期に飼い主に腰を振っていることがあります。日本の托卵鳥にはカッコウをはじめ、ホトトギス、ツツドリ、ジュウイチと四種がいます。もし仮にこの托卵鳥たちの場合はどうなんでしょうか。皆んな夏鳥ですし、またホトトギス以外は身体の大きさもよく似ています。しかしカッコウがツツドリを仲間意識を致しませんのは、この四種の余りにも違うさえずりにあると思います。これは、さえずりの違いによって、自分と同じ種を認識しているのです。普通の鳥は親と同じ形状をした種が性行動の対象になりますが、托卵性の鳥になく、仲間に戻るさえずりと言う鍵を持ちます。