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第1059回 カッコウとホトトギス(6回目)

①https://blog.goo.ne.jp/guapo007/e/b898e9bd703f79974ab6a0f1bd4b8eb2より引用の左側がカッコウ(体長約35㌢)と右側がホトトギス(体長約28㌢)

   カッコウホトトギスというと、まずはカッコウ科の兄弟?であり「托卵」兄弟とか… 体長はカッコウの方が約二回りほど大きいので、人間でいいましたら、歳の離れた兄弟ということになります。カッコウの鳴き声は「カッコウ、カッコウ」と山あいに響けばまた快しと思いますが、世間的にも、またカッコウのあだ名?にも「閑古鳥」という汚名に対して、ホトトギスは色んな古書や文献、俳句の正岡子規のペンネームにもなっています。また「特許許可局」のききなしは有名です。

②https://www.in-demand.co.jp/smp/list.php?type=class&scat=679946より引用の「カッコウ時計」なのに日本では「鳩時計」

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   アメリカの作曲者ヨナーソンは「カッコウワルツ」というアンダンテでワルツ風の曲を世に知らしめました。しかし、カッコウはドイツで開発された「カッコウ時計」は時間が来ると時報を「カッコウ、カッコウ」と時の数分だけ鳴くことで有名になりました。しかし、日本ではカッコウのあだ名が「閑古鳥」であったため「カッコウ時計」は日本では「鳩時計」と改名されました。鳩は「ポッポゥ、ポッポゥ」なのに「カッコウ、カッコウ」と時計の中から鳩が飛び出し鳴くのです。

③https://www.artbank.co.jp/stockillust/image_html/yuh/1-A-YUH101.htmlより引用の「郭公」のイラスト

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   カッコウよりも文学の世界ではホトトギスの方が多岐に渡って色んな文献に登場しています。皆さんもご存知だと思います。山口素堂の句「目には青葉山ほととぎす初鰹」とか、夏の風物詩の代表とされており古くから和歌にも「春は花夏ほととぎす秋は月冬雪冴えてすずしかりけり」(道元)「形見とて何か残さん春は花山ほととぎす秋は紅葉ば」(良寛)などと詠まれてきました。また俳人の正岡子規はホトトギスの漢字表記の「子規」をペンネームにしたり、ホトトギスは有名な存在です。

④https://illustimage.com/?id=12375より引用のききなしのイメージ

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   前項に書ききれなくてこの項に記述します。世の中の人が初めて気付いたのは、紛れもなくカッコウです。鳴き声が「カッコウ」で、体長も約35㌢もありますから、少し鳩より大きな野鳥の認識で、その次に現れたホトトギスはやはり弟のような感覚を持ちカッコウは「郭公」でホトトギスも「郭公」の字を与えホトトギスは影武者のようです。そのホトトギスのききなしは「特許許可局(トッキョキョカキョク)」「テッペンタケタカ」などご存知のききなしでも有名であります。

③http://fanblogs.jp/bikkuri/archive/291/0より引用のホトトギスの民話

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   ⑤のイラストはカッコウホトトギスの姉妹の日本の民話です。ここでは立場が逆転し、如実にホトトギスが悪い鳥となっています。原文のままどうぞ。『郭公と時鳥は、大昔は姉妹であった。姉の郭公は、ある時芋を掘って来て、焼き芋にした。姉は焼けた芋の外側の堅い処を自分で食べて、中の柔らかいところを妹に与えた。しかし、妹はその姉の優しい気持ちを踏みにじり、「きっと姉さんが食べているところはもっと旨いに違いない」と、邪推した。そう思うと堪え切れなくなり、妹は包丁で姉を刺し殺してしまった。死んだ姉はたちまち鳥に姿を変え、「ガンコ、ガンコ」
と鳴きながら飛び去った。その鳴き声を聞いた妹はハッと我に返った。姉が堅い処を食べ、自分にはおいしい良い処だけをくれていたのだと悟った。(ガンコ:堅い処の意)しかし、今さら気付いたところでもう手遅れ。自分は姉を殺してしまったのである。取り返しのつかぬことをしてしまった妹は、その悔恨の思いに堪え切れなくなり、「ホウチョウカケタカ、ホウチョウカケタカ」と泣いてやがてこれも鳥に姿を変えた。(姉カッコウ、妹ホトトギス)』


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