第790回 果実食の野鳥
①https://buncho-days.com/rearing012より引用のイラスト
身近な野鳥を見てみると、猛禽類のツミやハヤブサ、そしてフクロウの仲間のアオバズクなんかは小さな野鳥のスズメや小動物の哺乳類のノネズミやトカゲなんかの爬虫類を食べているのはわかります。またアオサギやコサギ、カワウなんかは魚を食べることが多いし、また綺麗な「清流の宝石」カワセミも木の枝から、下の水中を見据えて、小魚やエビを虎視眈々と狙っているのはわかります。しかし、彼らが柿の実やハゼの木の実を啄んでいる姿は誰も見たことがないと思います。
②果実を食べるアオバト(体長約33㌢)
この②の写真はアオバトです。別名ヤマバトとも呼ばれています。このアオバトは果実食みたいです。アオバトは普段は森林に生息していますが、夏から秋にかけて海岸に現れることもあります。その理由は塩分やミネラル補給のためと考えられています。海水を飲んで塩分やミネラル補給をするのはこのアオバトだけみたいです。ほかのドバトやキジバトも同じ鳩の仲間ですが、採食方法が変わっています。また鳴き方も独特の「アオー、アオー」とほかの二種にはない鳴き方です
③この鳩も別名ヤマバトのキジバト(体長約33㌢)
アオバトも別名がヤマバトならばこの③の写真のキジバトもやはりヤマバトと呼ばれていました。アオバトはオリーブ色した派手で目立つ色ですが、キジバトはその名前の通り、キジのメスの体色に似ています。キジバトも山に住んでいましたが、昨今の環境変化にて街中に進出してきました。アオバトと同じなのは果実も食べますが、種子も食べる植物食の鳩ということになります。もう一種のドバトと違うところは、街中に進出しても人からスナック菓子やパンを貰わないのです。
④http://nature3-flower.travel.coocan.jp/nankinhaze.htmより引用のナンキンハゼの樹木
植物食や雑食の野鳥たちがいて、我が子ともいうべき、果実や木の実をその野鳥たちに提供している樹木や草木はどんな野鳥を好んで、その子孫ともいうべき、種子を遠くまで野鳥たちに運んで貰って、そこでまた繁殖するのか。④の写真はナンキンハゼの木です。秋ともなると葉っぱは紅葉して、たわわに実をつけます。ハゼの木の実は和蝋燭の原料になるくらい脂肪分が豊富で「カラス」も鳩もムクドリでさえ啄みにきます。そしてその種子は消化されずに、遠くに散布されます。
⑤甘いもの大好きなメジロ(体長約12㌢)
⑤の写真は皆さんもご存知のメジロです。春先になると、民家の椿の花や梅の花の蜜を吸いに、つがいでやっと来ることが多いです。春に桜の花の蜜を吸おうと警戒心なしに蜜を吸っていると、ヒヨドリに毛散らかされます。ヒヨドリも甘いもの好きの大食いです。そのメジロとヒヨドリの違いは、ヒヨドリは酸っぱい果実も食べますが、メジロは甘い果実しか食べません。徹底した甘いもの好きの野鳥と言えます。そんなメジロも子育て時には昆虫なんかをヒナに与え、成長を促します。