何者でもないオタク、タイ語を学ぶ③
ACTION3:独学の限界
なにかを学ぶ上で独学のよいところは自分のペースで自分のやりたいように学びを進められるところ、そして何よりお金が掛からない。もちろんテキストやノートなど教材費は必要になるけれど、語学教室のように毎月高額な固定費が掛からないので推し活に勤しむオタクとしては勉強が続けやすい。
一方でお金が掛からないなりにデメリットもある。躓いたりわからないことが発生した時になかなか答えが見つけられず理解が進みにくかったり、自分の習熟度が見えにくいのでいま何が出来て何が出来ていないのかが掴みにくいことだ。
タイ文字の勉強を始めて3ヶ月、出来ることが増えた分わからないことも増えた。タイ文字を学んだ方ならわかると思うのだが、タイ文字のルールには「例外」が多い。その例外にはある程度法則というか、『この場合にはこう!』というはっきりとしたものもあれば『この場合にはこうなんだけど、でも全部がそうじゃなかったりもするんだね〜』のような曖昧なものもある。本当にややこしいし未だに完全に理解できていない部分ではあるのだけど、まあとにかく黙々と一人勉強をする中でこの特例の壁にぶち当たってしまった。
なんでこの単語はこういう読み方をするんだろう?というところから始まって手持ちのテキストを開いてみるも明確な答えが得られず、じゃあネットだ!と漁ってみるも、わたしが気になっている部分とは少し違うような内容だったりではっきりとした答えが得られなかった。
例えば「五十嵐」という苗字に対し「何故イガラシと読むの?」と疑問を持った時、「そういうものだからだよ」という答えを得られればそうなのかと納得できるのだが、独学で勉強を進めていると「そういうものだ」という結論に辿り着くのにすごく時間が掛かってしまう。人から一声そうだと教われば解決してしまうのに、そこまでの道のりが長い…!
あれこれジタバタと頑張ってはみたものの、これはもうタイパが悪いなと。
わからないことをあやふやにして進めるのも嫌だし、文法の勉強も少しずつ始めていたタイミングだったのもあって、よし一度人から教わろう!と語学教室に通うことにした。独学でタイ語をマスターされた方も多々いらっしゃると思うのだけど、わからないことをきちんと解決して挫折せず独りでやりきる力に本当に尊敬する。すごい。
いざ学校に通おうと思って探してみると、タイ語教室って身近なところにあまりない……。英語のようにいかないことは覚悟していたものの、まさか韓国語を学べるところがこんなに多いなんて…!タイ語教室を探して韓国エンタメの強さを改めて思い知った。そうして住んでいるエリアで通うことは無理だとわかったので、せめて仕事終わりに行けるよう職場から通える距離の教室に決めた。
実は学校を探す上で幾つか体験授業を受けてみたのだけど、正直なところ学校の善し悪しは体験じゃよくわからん。というか、実際に担当してくれる講師の質にもよる。なので体験はあくまで体験として受け、あとは職場からの距離と金額を比較しつつ、都内某所のスクールに決めた。わざわざ教室に行かなくてもオンラインがあるじゃないか!という話ではあるのだが、わたし自身「学校へ行く」という行為自体も勉強のモチベーションに繋がるので敢えて対面で学ぶことにした。
まあ授業料のことだけで言えば対面の授業に比べオンラインの方が安かったし、コロナ以降オンラインに対応してくれるスクールなんかも多かったのだが、気軽に出来る分アカデミックさがないというか、副業として講師をやってらっしゃる方が多かったのできちんとしたカリキュラムが組まれていないところが多く、基礎を知りたい初心者にはあまり向いていないのかもなぁとも思った。知らんけど。
めちゃくちゃどうでもいい話なのだがわたしは長く学校現場(大学や専門学校)に勤めていたこともあり、学びの質は教師次第というのを本当に痛感している。同じ内容を同じ時間で行ったとして、担当した先生の教え方や解説内容、教員自体の知識量で学生の理解度が全ッ然違う。
だから学校を探す際にも、とにかく自分に合う先生を見つける!ということを重視していたし、だからこそ直接会って相性を見たいという気持ちがあった。あと習い事としてスクールに通うということ自体が初めてだったので、語学学校ってどんな感じなんだろう?という興味もあった。その学校で学ぶ生徒の雰囲気はどんな感じなのか、所謂学校事務のようなサポートはあるのか、どんな教材を使って授業システムはどうなっているのかなどなど…。
まさかアラフォーと言える年齢になってから語学学校に通うことになるなんて……!わたし自身ももちろん想像していなかったけど、なにより「日本から出てなるものか!」と言い続けてきたわたしを傍で見てきた家族や友人が一番驚いていた(笑)ほんと人生ってなにが起こるか分からない。