何者でもないオタク、タイ語を学ぶ②

ACTION2：文字を文字として認識する

日本にいると日常でタイ文字に触れる機会は殆どない。なのでわたし自身タイドラマに出会うまで「タイではどんな文字を使っているのか」なんて想像もした事がなかったし、タイ文字自体見たこともなかった。いや、もしかしたらどこかで見ていたのかも知れないが、少なくともそれが『タイ文字』だとは認識していなかった。そんなところからのスタートである。

勉強を始めようにも本当になにも分からなかったので、本屋でテキストを探すにも正直テキストの善し悪しすら分からない。なにがどう載っていると分かりやすいのか？自分にはどんなテキストが合っているのか？なんの目安も持たないまま取り敢えず読み易いと感じたものを幾つか買ってみる。
その中で個人的に気に入ったのはベレ出版の『みっちり学ぶ初級タイ語』。このテキストは文字に特化したテキストではないのだが、わたし自身タイ文字を学ぶにあたっての最終目標を「文を読めて書けること」に定めていたので、ドリル形式で文法が学べるところがよかった。一見するとその分厚さとボリューム感に心が折れそうになるけれど、内容は分かりやすいし案外サクサク進むので見た目ほどの大変さはない。文法を学ぶには使いやすいテキストだなと思った。

さて、タイ文字となるとそれ以前の問題である。
テキストを開いてタイ文字の一覧を見た時に、まず思ったことが「文字に見えない」だった。アルファベットにも似ておらずハングルとも毛色が違い、もちろん漢字のようでもない。初めましてで対面したタイ文字は、まず文字に見えなかった。そして文字に見えないので当然読み方も分からない。タイ文字を学ぶことの第一歩目が「A」を「エー」と読む、その作業からだった。
そして字を覚えるには書くのが一番！と紙に向き合った時、今度はそれぞれの文字の書き方が分からなかった。「ก」はまあ良しとして、「ณ」とか「ฏ」なんて一体どこからどう書いたらいいんだよと。テキストでは大概『丸の部分から書く』と書かれていたのだけど、丸だって上下色んな書き方があるじゃないか。そして丸から始めたとしてどう筆を運べばいいのやら…という状態だったので、文字についてはテキストをお守りに主にYouTubeで勉強した。動画であれば文字の書き方はもちろん、読み方や声調も合わせて学べるのでとても効率がいい。

実際にどの動画を見て学んだのかに関しては、正直色々見漁って複合的に活用してきたのでなんとも言えない。色々な方が色々な方法で解説をしてくれていて、見漁っていると当然内容が被る部分もあるのだけど、そこも含めて復習になったのでよかったのだと思う。
動画学習と並行してやっていたことがこの2つ。
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①声に出して読みながらひたすら書く
②単語カードの活用
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はじめは①だけをやっていたのだけど、お察しの通り全く楽しくない。やっているうちに書くことが目的になってしまって勉強というより作業になっていた。なのでちゃんと頭に入っているのかと言われると正直怪しいものがある。
そこで次にはじめたのが②の単語カードの活用だった。所謂単語帳のように表に文字を、裏に読みを書いたものである。ペラペラ捲りながら勉強してみたがこちらも段々と作業になってしまった…。いや、勉強てそういうものなのか？多分わたしが勉強に向いていない。なので、これについても早々にやり方を変えた。

色の違う単語カードを2種類用意して一方に文字を、もう一方に読み方を書いたカードを作ってそれぞれをランダムに並べ神経衰弱のようなかたちにしてみた。そうしたら、これがわたしに合っていた。
視覚優位な特性を持っているので紙に色が付いているだけでも情報として認識しやすいこと、また、文字で文字を探すという作業が「タイ文字」と「読み方」を繋げるのにすごく役に立ったのだと思う。また、タイ文字には中子音・高子音・低子音というグループ分けもあったりと、覚えなければいけないことがたくさんだったのでこの神経衰弱方式はわたしの中でとても有用だった。
そうしていくうちに「読める」と「書ける」が増えていき、自分の名前をタイ文字に起こすことも出来るようになったし、ファンミに行く友達にタイ文字の名札を作ってあげることもできた。

タイ文字の勉強を始めた時、果たしてこれらを見て文字と認識できる日が来るのだろうか？と不安に思っていたけれど、勉強を進めた今ではかなり「文字」に見えていると思う。
今でもまだまだ勉強中でスラスラと読める訳ではないし、タイ文字に存在する色々なルールだって完璧に覚えている訳ではないけれど、少なくとも文字として読んで、書くことが出来るようになってきている。
タイ文字を全く知らなかったからこそ“ここまで出来るようになった”が実感しやすく、自分の成長具合がわかるのですごく自信にも繋がった。やっぱり勉強なので「できた」が実感できることがすごく大切だなと思う。わたしは未だに「聴く・話す」が苦手なので勉強のモチベーションを文字に助けられている気がする(笑)サンキュータイ文字！