何者でもないオタク、タイ語を学ぶ④
ACTION:タイ語はタイ人に学ぶべきか
語学学校では金額が割安のグループレッスンとまあいいお値段のする個人レッスンが用意されていることが多い。ではどちらがいいのかというと、個人の特性やスタイルによるところが大きいと思うので一概にどちらがよいと断言出来ないところである。
わたしの場合、自分で言うのもあれだがすごく質問の多い生徒である。レッスンの中で疑問に思った部分はもちろんだが、事前に聞きたいことを用意していく時もある。折角先生がいるのだ、しっかり話を聞いて疑問を解決して帰りたい。そんな感じなのでグループレッスンに参加してしまうと他の人の時間を奪ってしまう可能性がある、なので迷わず個人レッスンを選択した。
個人レッスンでは日時に加えて講師のリクエストも可能なので、レッスンを予約する前に事務の方に色々相談をした。独学で文字の勉強をしたが行き詰まっていること、聴いて覚えることが苦手なので話す・聞くが殆ど出来ないこと、欲張りだが読む・書く・話す・聞くをある程度のレベルまで習得したいことなどなど…。事務の方からは「タイ人講師に学ぶのが一番いいですよ!」としか言われなかったし、タイ語は声調言語で話す・聞くが苦手なことを思うと確かにネイティブに学ぶ方がいいのかも知れない…、そう思って人を替えながらタイ人講師のレッスンを複数回受講してみた。
(因みに、わたしが選択した語学学校には日本人講師とタイ人講師が在籍していた。割合は2:8程度でその殆どがタイ人講師という状況だった)
結論から言うと、タイ人講師はわたしには合わなかった。誤解されたくないのだが、タイ人の講師が悪い訳ではない。純粋にわたしの特性と勉強方法に合わなかったのだ。
まず、リスニングが苦手だから鍛えよう!という気持ちで臨んだものの、わたしの耳は鍛える以前にベースが出来ていなかった。声調の違いや末子音の聞き分け、スピード感に全く着いていけず、分からないことが分からないまま終わることが多かった。
そしてこちらの意図や質問、表現のニュアンスが伝わらないことが多く、レッスン自体が進まないというトラップがあった。聞きたいことが伝わらないわたしと聞かれていることが分からない先生の間で「どうしよう…」と困惑する時間が長く、その先に進まない…。なのでレッスンの終わりにはお互いに「なんかすみません…」と申し訳ない感じになってしまい、学びを得たという実感は持てず…。これは駄目だと感じて潔く日本人講師に切り替えることにした。
そして出会ったのがF先生である。
F先生はタイの報道関係の仕事をされていることもあり、言葉や文章の扱いが堪能で知識が豊富な方だった。授業のはじめにタイ文字の勉強をしていることを伝えると、文字の勉強で挫折していないのであればユキオさんは文字をベースに勉強を進めた方がいいと勧められた。もちろん話す・聞くの勉強も必要だが、タイ語の基礎部分を文字から学んである程度文法等が理解出来てから会話を学んだ方が理解し易いのではないかと言われ、その話がなんだかすごくしっくりきてしまった。
そして何よりこちらから投げた質問に対しても、必ず何かしらの答えをくれることか本当にありがたい…!F先生は日本人なのでネイティブの先生と違い、タイ語の全てが分かる訳ではない。それでも「タイ人と接する中で自分はこう感じた」や「このように認識していたが、こういう気付きがあった」など、ご自身の経験から得たことを引き合いに出して説明してくれるのがすごく分かり易かった。解説内容にすごく納得感があるので自分の中できちんと理解した上で落とし込みができた。
先生との相性って本当に大事…。わたしは早い段階でいい先生に巡り会えたけど、どのスクールにどんな先生がいるのかが分からない状態での学校選びは本当にリスキーだなと思う。大学のように無料で何度も体験入学ができる訳ではないからこればっかりは運としかいいようがない。
わたしは未だに相性のいいタイ人講師と巡り会えていないので、どこかでご縁があればいいなぁという気持ちで勉強を続けている。