#45 傘をさすタイミング

最近は梅雨の時期であるからどんよりした天気の日が多い。特に、ゲリラ豪雨が厄介である。朝のニュースでは雨と言っていなかったのに、夕方の帰り際に大雨が降っていることがあった。折り畳み傘を持っていない人たちが駅の出入り口付近で雨が止むのを待っていた。私も漏れなくその一員でありイヤホンを付けながら外の状況を伺い、雨雲レーダーも参考にしながら、これくらいだったら大丈夫であろうという雨量になったときに一気に駅を出て家に向かって歩いた。

梅雨は天気が不安定だから折り畳み傘は不可欠だ。油断して折り畳み傘を持っていない場合にはゲリラ豪雨があると困る。これは必ずそうだと思う。一方で、私は折り畳み傘を持参している場合にも困ることがある。

雨が降っていると言えども、霧といっていいほどの小雨レベルであったり、音がうるさいくらいの大雨まで程度の範囲は広い。前者であれば傘をさす必要はないし、後者であれば絶対に傘をささなければならない。

この前者と後者の間にある中途半端な降り方のの時に、いつ折り畳み傘を開くか否かが判断の悩みに挙げられる。先日、とある駅で下車してホームから外の人々を見渡すと、多くの人が傘をさしていた。このとき、雨音はうるさくないものの雨が降っているのがよく見える程度だったのでこれは傘が必要だなと思い、駅の外に出るときに傘を開こうと準備した。しかしながら、いざ出てみると、思っていたより雨は強くなく、自分的には傘は必要ないと判断できるほどであった。

周囲の人は傘をさしている中、傘を開かない状態で目的地まで歩いていく。目的地までは1時間半程度で、街中散策のような感じで歩くという予定にしていた。先ほど見た雨雲レーダーではこのままいくと雨雲は移動して雨が弱まっていく予報だったため、目的地までこのまま行けるだろうと予想していた。

10分くらい歩くと、先ほどより少しずつ雨が強くなっている気がする。とはいえ、まだ傘をさすほどではないと判断したからそのまま歩く。傘をささないというのは、単に雨の判断だけではなく、帰宅してから傘を乾かす用意をするのが面倒であるため、できるだけ傘は開かずに終わりたかった。そこからまた5分後、まだ傘はいらないかなと思った一方で、身体がしっかり濡れ始めている気もしたため、しょうがないがここで傘を開こうと思い折り畳み傘に手をかけた。

折り畳み傘をさし始めて以降、まだまだ雨が強くなっていった。そうして数分後には、うるさいくらいの大雨にまで発展していた。傘をさしていても靴の中が濡れてしまうほど道中の水たまりが大きくなったり斜めからの雨が強くなった。そんな状況で残りの1時間以上傘をさしながら懸命に歩き続けた。

このように、いつ傘を開こうか迷っていたが、最終的に大雨になるならば、初めから開いておけばよかったという後悔の念を抱くことがある。早くに傘をスタンバイすれば防ぐことができた量の雨を浴びてしまうことになるし、どうせ傘を使うのであれば必要のない濡れは避けた方がよいからだ。

このように、たられば論ではあるが、ギリギリまで粘ったものが結局は粘らず初めから諦めていた方がかえって得になるということがある。だからといって、それを信じて雨が弱い段階から傘をさしてもずっと雨が弱いままだったらそれはそれで後悔しそうだからギリギリまで粘ることにする。

ちなみに、1時間以上かけて目的地に着くや否や、まるで今まで降っていなかったように雨がすっかりやんでいた。

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