まだまだ発展途上な気象観測
2000年以降、よく耳にするようになった言葉。
「50年に一度の」 「観測史上最大」
日本の気象観測が始まったのは、気象庁のWebページによると下記のようである。
1872(明治5年)8月26日:北海道函館に気候測量所開設(函館海洋気象台の前身)
1875(明治8年)6月 1日:溜池葵町内務省地理寮構内で気象業務を開始。
地震観測と1日3回の気象観測を開始。
地球が誕生してから約46億年。
エジプト文明は、紀元前3000年頃から紀元前332年頃までとして2668年。
マヤ文明は、紀元前3000年頃から1697年のタヤサル陥落までと仮定して4697年。
皇紀であれば西暦+660年になるので、2674年。
西暦は御存知の通り、2014年。
日本の気象観測は、たった139年。
まだまだ発展途上であり、やっと世界長寿と言われる方々の一生分を超え、
少しずつ記録更新をしている最中である。
逆を言えば、100年そこそこで急成長したとも取れる気象観測。
何事にも100%という事はあり得ないけれど、
出来るだけ確実な気象情報が分かれば、予定変更や備えも出来る。
ただ、それでも山の天気を想像すれば分かるように、
自然はコロコロと表情を変える。
こちらが望む天気ばかりを恵んでくれるわけではない。
それは念頭に置いておいた方が良いと思う。
雨が降る前は鼻に土埃の匂いを感じ取れる。
ゲリラ雷雨の前には冷たい風を涼しく思うだろう。
その土地特有の現象だって多い。
例えば「雲海」は高地から下を見た時に見られる現象で、
様々な土地で条件さえ満たせば見れる方だと思う。
しかし太郎山の「逆さ霧」のように、ある特定の条件が加わって
初めて見る事が出来る景色がある。
未だに詳細な仕組みが不明な天気の表情でも、
先人たちの知恵で口伝えられている注意事もある。
「山から吹き下ろす風が冷たい時は雨が降る」と気づかぬうちに知っていたり。「ツバメが低く飛ぶと次の日は雨になる」という諺になっていたり。
まだ「気象観測」がされてなかった時代、五感で感じて共存してきた自然。
今は「予測」といった新たな視点も持てるようになった。
どちらだけを信じるのではなく
天気予報で知識を得て、外では自分の感覚を研ぎすます。
単なる雨だった光景も、視線を上に向けると虹が出ていたなんて
気分が良くなる景色が見つけられるかもしれない。