あの日 あなたが バウロンを
いつだったか、何を思ってだったのか思い出せないけれど、この「NOTE」を登録した。恐らく何か自分の創作を載せたかったんだと思う。けれど、とても何かを生み出す余裕もなく、これは不要だと思い、登録を消した。
…消したつもりだった。
ところが、読み手として「NOTE」を見ることがあり、自分のアカウントが残っていることに気がついた。
基本ここでは「読者」として存在しようと思うが、ふと書きたくなった時には書いてみたり、何か載せてみようと思う。
〜☆
タイトルにかかわる話。
ある夏の日。
私はある配信liveを観ていた。当時は、今と違って配信liveがあふれている頃ではなかったから、それは珍しい機会だった。
その日配信されたliveには、私がとても尊敬するミュージシャンがパーカッショニストとして出演。女性シンガーのサポートだった。ブッキングliveで、その彼女のセットリストは5曲ぐらいだったと思う。
確か2曲め。
彼が取り出した初めてみる楽器。
「あれは何?」
なんとなく、和太鼓のような響きがする。とても心ひかれる音。そのとき「ボーラン」と紹介されていた。
「あの楽器のこと、もっと知りたい」
ネットで少し調べてみて、アイルランドの楽器ということはわかったけれど、他の楽器に比べ、情報の少なさを感じた。
それから数日後。
当時の私は地元のカフェ巡りをしていて、何度めましてかのカフェに立ち寄った。そのカフェではいくつかの楽器レッスンをしていて、カウンターにそのレッスン案内が置いてあった。
当時既に打楽器に関心を寄せていた私は、その中のカホン教室の案内を何気に見た。その講師先生のことが気になり、検索してみたら……
なんと!その人はバウロン奏者でもあった!
バウロンという楽器との縁は、思えば、ものすごく稀有な出逢いだった。
まず、私が敬愛するミュージシャンそのかたがバウロンを演奏しているのを観たのは、そのただ一度限り。しかも、その配信liveは1日違っていたら、私は観ることができなかった。つまり、まずはバウロンを偶然みたことが奇跡。
そして、演奏者人口が他の楽器に比べ希少だと思われるバウロン奏者(もちろんプロ)に逢えたというところが、2つめの奇跡。
そして、今は割愛するが、このバウロンから発展して、私を取り巻く人たちとのご縁は格段に広がった。
たった一瞬の出逢いが人の運命を変える。
しかも、しあわせな方向に。
そんな出逢いをくれた最愛のミュージシャンに、感謝をこめて。
ふと綴ってみたくなった今日。
10月10日「ドラムの日」。