見出し画像

小川温泉 ぬる湯で昇天したのは私です。

我々、素人温泉探泉隊の今回のミッションは10年前に訪れた小川温泉(富山県)に「雪の季節に行くこと」である。

あれは10年前、そう2012年、我々がまだ温泉隊を結成していない時に、なぜかこの素晴らしい小川温泉を訪れている。そして2泊お世話になっている。
8月5日というクソ暑い時だった。

この日我々は、宇奈月のトロッコ列車に乗り、秘湯黒薙温泉にも赴いているのだが、凄まじいアブの猛攻撃でそうそうに退散した苦い思い出しかない。
アブに噛まれたところは、相当痛かった。

黒薙温泉露天風呂(画像は公式HPから拝借)

その夜にイテテの夜に小川温泉に宿泊したのだ。
小川温泉の夏場は(冬季以外は)洞窟風呂というとても趣のある混浴露天風呂がある。

天然洞窟野天風呂(混浴)小川温泉HPより拝借

湯浴みを着た我が女性隊員と露天を楽しんでいると、完全フリチン兄さんが、イチモツをぷらんぷらんさせた状態で近寄ってきて話かけてくる。浴槽の中にある岩に座るのだが、ちょうど水面にイチモツが飛び出ている状態だ。そんなこと全く気にせず、湯加減がどうのこうのと調子が良い。そこへ、また例のアブが数匹飛んでくる。アブはブンブン、いちもつドッコイ、源泉ドバドバと擬音の多い、全く気のおけない露天なのだ。

そんな夏の思い出、再びはもう嫌(らしい)なので、今度は冬なのである。しっかり雪のある冬なのである。
幸い、北陸道朝日ICから当旅館までは、きちんと除雪されており冬用タイヤさえ履いていればなんの心配もない。しかも15分もあれば到着という意外にアクセスがよい立地なのも訪れ易い。

到着してみると宿泊客は、4〜5組程度、平日で、冬でコロナだから?
チェックイン時のやる気満々のお兄さんの説明で、洞窟風呂は冬季は閉鎖であること(了解済み)、地下1階の浴場は、内湯が熱め、露天の檜樽風呂がぬるめ(ふむふむ、10年前の記憶一切なし)、1階の岩風呂露天は洗い場なし、やや熱め(そんなの10年前あったかな?という感じ)、ただし、源泉は全て同じだから同じお湯ね・・・(例の擬音混浴洞窟風呂の上に源泉がある)という説明を受け、明るいうちに「まず一階の岩風呂露天だよね」と夕食前にひとまず浸かる。

ナトリウムー塩化物・炭酸水素塩泉で、加水、加温、消毒なしの自然で優しいお湯がふんだんに掛け流されている。
湯船は4名が限界かなと思う広さで、この時はほとんど独泉。目の前の川の雪景色が美しい。

!Fの岩風呂からの眺め
洗い場はなし。浸かるだけの湯船。もちろん掛け流し。

さて、夕食後に入ったぬる湯の樽風呂で私は昇天した話をしなければいけない。

私が昇天した樽風呂
絶妙のぬる湯
雪景色も美しい

樽風呂は直径3mくらいの檜風呂で半露天に設置されている。湯温はおそらく37℃くらいじゃなかろうか?いや、もう少し低かったのかもしれない。湯温が感じなくなるという不感温度より、ちょっと低い感じだ。しかし、これが気持ちいい。樽の淵がちょうど枕になるので、そのまま足を伸ばして半分浮いたような状態で目をつむっていると、マジで寝てしまうくらい気持ち良い。ツレが待っているにも関わらず迂闊にも1時間近くも昇天していた。寝ていたより、もう少し意識があって、「気持ちいい気持ちいい」と思っている、これを昇天と言わずなんと言おう。
ぬる湯でもこれくらい浸かっていると、体の芯からポカポカしてきて湯上り後は、なかなか汗が引かなかった。これがNa-塩化物・炭酸水素塩泉ぬる湯の実力なのだ。そうなのだ。

私は前回の投稿で、私は、「熱湯の内湯が好きだ!」と書いたけれど、熱湯は熱湯の潔さみたいなものがあり、食器洗いで言えば、さっと泡が落ちる!みたいなすっきり感を味わえるが、副交感神経が優位になり、本当にリラックスできるのは、こういう不感温度に限りなく近いぬる湯なのだあ・・・と昇天しながら悟りを開くことができたのである。

そういやあ、すいぶん前に投稿した奥蓼科渋御殿も同じような湯温の浴槽があり、しかもお尻の穴がこそばくなるような足元湧出だったから、もっとじっくり入っていれば昇天第一号はそちらであったかもしれない。
しかし、その節は湯治宿デビューだったので、なんだか緊張し慌ただしく過ごしてしまったせいで、この昇天感を味わっていなかったのだ。
渋御殿は、またぜひ再訪したい。そして、このぬる湯たちに一生浸かっていたい。

小川ホテルはお料理ももちろん美味しいし、加えてとても美しい。部屋も清潔、スタッフのおもてなし度もちょっとうざいくらい素晴らしい。
しかも我が家からなら、ギリギリ1泊で行ける距離感も嬉しい。
夏以外で、アブと「ふりちん兄さん」がいない時に絶対再訪するからなあ。まあ、兄さんいても私はいいんだけど、ツレがね。

この情報は、2023.2.2現在の内容です。

小川温泉
富山県新下川郡朝日町湯の瀬1
0765-84-8111

温泉成分表
小川の湯




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?