束の間の出会いだって良い。香川県琴平町のモニターツアーで感じたこと。
「弱いつながりが大事」
という言葉がよく聞かれるようにはなったけど、それに強く共感する出来事があった。
大きく心が動いたことだったので、まとまった文章を書きたくなって、ここに綴ってみました。
#好きがコトひらく町 琴平モニターツアー
今、お仕事で携わらせてもらっている株式会社TABIPPOが、株式会社地方創生さん(文字通り地方創生を行っている会社さん)と企画運営している琴平町モニターツアー。全4回あるツアーのうち3回目のツアーに運営として参加しました。
舞台は香川県琴平町。
この町には「好き」にまっすぐ向き合う人たちが多く住んでいます。
若手勢ではハーブ&スパイスのお店を営む東井くんや、アーティスト&クリエイターinレジデンスの立ち上げを行っているぎんちゃん。上の世代にも讃岐藍染めを行う吉野屋の大野さんやことバスの楠木さんなど。
もうツアー自体は終了しましたが、年を重ねても挑戦を忘れない大人たちの姿がとても印象的な町で、そんな素敵な人たちと出会うことができるツアーでした。
(↑LPのディレクションも入らせてもらいました。ぜひご覧ください!)
モニターツアーでは、そんなおもしろい生き方をしている人たちに触れられるようなワークショップが詰め込まれていて、疲れ切ってしまうくらいには十二分なコンテンツ量。
中野うどん学校でのエンタメ性溢れるうどんづくり、ヒトツブビーズ店でのオリジナルブレスレッドづくり、独自の調合を楽しむガラムマサラづくりなど。
それらのコンテンツももちろん最高なんですが、それ以上に忘れられないのが懇親会やバスの見送りなど、みんなが何気なく過ごしている瞬間でした。
「つくられていないところ」に生まれる自然な繋がり
2泊3日のツアーのうち、2日目の夜。ツアー参加者や運営はもちろん、町の人も参加する懇親会が行われました。運営である僕にとっては、半分オフィシャル、半分プライベートな時間。
場は用意されているにせよ、コンテンツは企画されていないフリースタイル形式。
昨日「はじめまして」と言っていた15名の参加メンバーがさらに距離を縮め、もしかしたら大学時代の友人にも言ってないんじゃないかってような、それぞれの人生の深い話まで交わされていた(ような気がする)。もちろんバカな話もところどころ添えられてはいるけども。
途中からはそれぞれに、さらに深い話をしていたり、お店のギターやカホンをお借りして、一緒に音を鳴らしたり。
たまたま集まった人たちでも、こんなに素敵な幸せな時間が生まれるんだなと感じました。いや、むしろたまたま集まった人たちが「つくられていないところ」に集まったからこそ、刹那的な喜びが灯されたのだと思いました。
たしかに厳密に言うと、懇親会の場やこのツアー自体はつくられた場ではあるのだけど、「つくられている場」と「つくられていない場」の狭間にある絶妙なバランスを持った何かが、いつまでも心に刻まれる瞬間をつくるのかななんてことを思いました。
一瞬で消えてしまう束の間の喜びだとしても
懇親会もだけど、このツアーももしかしたらこの機会ぽっきりで終わってしまうかもしれない。この関係が途切れてしまう人もきっといると思います。
でも、そうした刹那的な関わりであったとしても、その後に残り続けるものはきっとある。むしろ、その場で終わるものだからこそ、思い出としてずっと残っていくのかもしれません。
これまで旅をしたから出会えた人。学生団体で共に目標を目指した仲間たち。学生時代にお世話になった方。お仕事としての関係だけで終わった人。イベントでたまたま一緒だった人。ツアーでたまたま一緒だった人。
また出会えるかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
僕はよく青春18きっぷを使って旅をします。そのとき、車窓を眺めながら思うことは、繋がることもなく通り過ぎている暮らしがこんなにたくさんあるんだということ。
そして、こんなにたくさんの生活がある中で、今自分と生活が交わっている人たちと楽しい時間が過ごせることがどんなに恵まれているかということ。
今回のモニターツアーで関わることができた方に関しても、笑顔でいられる時間を共にできたことがありがたくて、本当に感謝でいっぱいです。
束の間のつながりで、これから先は弱いつながりのままかもしれないけど、たしかに存在した記憶がこれからの糧になっていくんだと思うと、なんだか心強いです。
色々と思うところはあるのだけど、またお互いの生活が交わることがあればぜひお話できればと思います。
サムネイル:photo by 三浦えり(素敵な写真をありがとうございます🙌)