アメリカdeバスケ8~高校バスケ④1時間目:美術~
渡米3日目、アメリカ高校の授業が始まった。
1時間目に必ずやってくる美術は、好きな授業の1つだった。
まず英語を話すのが必要最低限でよいのが、今考えれば魅力だったんだと思う。笑
元々完璧主義であるため、失敗することが苦手な者にとっては、しゃべらない、というのはもってこいの授業だ。
とは言え、こういう性格の割にそうではない理想の自分を目指して生きていた。
兄は留学中(※アメリカdeバスケ3参照)、誰とでも話すという行動に出て学校で有名人になっていたらしい。
それがかっこよく、羨ましく、それを目指している自分がいた。
しかし、現実は思うように声をかけることは出来ず、したい(しなけばならない)気持ちと、出来ない気持ちとの狭間で、毎日自分自身と戦っていた。
と、今は思う。
あの頃は話さなきゃ、が先に経ち、出来ない自分を責めてた気がする。
なので、作業に没頭できる美術の授業は楽しかった。
それに、作品を誉めてもらえることがよくあった。クラス内で認めてもらえることで、居場所が出来た。
↑ これは黒紙に色鉛筆で描いたもの。雑誌から気に入った写真を紙に写して色を塗る、というプロジェクト。作品はFILAの広告に虎をくっつけたもの。今でも実家に飾ってもらってる作品。
あるプロジェクトで作成した作品は、事務のおばさんが気に入り、リサ(ホストファミリーママ)を通じてその絵を買いたいとの申し出を受けた。
それがこの絵。
とても嬉しくて心が弾んだ。
喜んでそのオファーを受けた。
人生で初めて自分の作品を50ドルで販売した。
留学してまだまだ英語もままならない者にとって、自信のつく出来事だった。
高校の授業で作成した作品を、学校職員さんへ売るとは。アメリカらしい、というのか。
本人(私自身)にとっても職員さんにとってもプラスでしかない。
このようなことを普通に出来る環境に入れたことは幸せだ。
つづく