なぜ福岡県リーグ1部を分析するのか?
note 読者のみなさま、はじめまして!
樋口智洋と申します。
10年間、プロサッカーコーチとしてJクラブで活動し、今年から日本一の店長を目指してラーメン屋になりました!
来年からまたサッカー現場にも戻ります。
情報量多っ!!
ということで詳しい自己紹介は、改めて行いますね。
目的
投稿初回の今回は、このnoteを書く目的を説明したいと思います。
せっかく記事を読んでいただく皆様に目的を丁寧に説明することで、より目的にマッチした方々に読んでいただけると思いますし、一見批判的に感じさせてしまうような内容でも、好意的に読んでいただけるのではないかと思っています。
目的は2つです。
サッカー少年たちの進路選択の一助
福岡県U-18年代のサッカーの発展への貢献
今回は、1の目的を深く説明させていただきます。
なぜ進路選択が難しいのか
日本のサッカー少年たちが進路に悩む時期は3回です。
小学校卒業
中学校卒業
高校卒業
これはサッカー少年に限らずですが、基本的にはこの3回のタイミングで選手本人、保護者、指導者の方々は頭を悩ませ、情報収集し、いろんな人に相談し、決断します。
希望の進路が決まり、晴れて合格して、入部・入団した先で、「本当にこの選択をして良かった」と思えている選手はどれくらいいるのでしょうか。
特に、「2. 中学校卒業」のタイミングでの選択を「正しかった」と思えて毎日の練習を生き生きとやれている高校生はどれくらいいるのでしょうか。
仮に後悔してしまう選手が多いとしたら、なぜあんなに悩んで悩んで悩み抜いて決めたのに、そういうことが起こってしまうのでしょうか。
進路選択のポイント
少し丁寧に分析してみます。
中学生とその保護者が進路選択でピックアップするであろうポイントをざっと挙げてみます。
① チーム成績(高校選手権、IH、クラブユースなど)
② 所属リーグ(プレミア、プリンス、都道府県リーグ)
③ サッカーのスタイル
④ チームの雰囲気
⑤ 練習環境(グラウンド、筋トレ施設、スタッフの人数やライセンス、寮の設備など)
⑥ 部員数
⑦ 必要経費(学費、部費、移動費、生活費、用具代など)
⑧ 特待生制度(学費などの免除)
⑨ 入試方法(推薦or一般など)
⑩ 卒業後の進路
⑪ クラブor高体連
⑫ 県立or私立
⑬ 自宅or寮
特に選手本人が気になるのは①~⑥、保護者が気にするのは④~⑩といったところでしょうか。
そのあたりを総合して、⑪~⑬の中で本人と保護者の意向によって可能性を探るといった感じでしょう。
インターネットなどの情報から①~⑬のほとんどを知ることができ、強豪クラブチームや熱心な先生のいる中学校では、さらに詳しい情報を得ることができます。
また、それでも見えにくい③④⑤あたりを感じるために練習参加をしたり、セレクションを受けたりします。
もちろん、多くの指導者の方々も熱心にアドバイスをして、本人の望む進路に進めるように後押しをします。
これだけの情報と準備があって入ったはずのチームなのに、入って数か月で「想像と違った」「面白くない」と感じる選手があまりにも多いと感じます。
そして、一度入ると、U-15年代までと違い、簡単に移籍することはできません。
「こんなはずじゃなかった」という気持ちのまま3年間を過ごすのはあまりにも残酷です。
もちろん、本人の甘えやわがまま、努力不足は多いにあるでしょう。
そして、もし選手本人が、
「こんなはずじゃなかった、やめたい」
などと言えば、保護者や指導者の多くは
「自分で選択したことだろう、最後までがんばれ」
と言うでしょう。
「こんなはずじゃなかった」はなぜ起こるのか?
では改めて、なぜこのようなことが起きるのでしょうか。
それは、③④⑤にあります。
サッカーのスタイルやチームの実際の雰囲気、どんな指導者がどのカテゴリーにいてどんな指導をしているのか、という部分は実際には、1回の練習参加や見学ではほとんどわかりません。
にもかかわらず、高校選手権での活躍やネームバリューによる憧れによって、中学生や保護者のぼやっとした理想像だけで、費用や入試関連の情報ほどの情報収集がなされていない印象を受けます。
進路選択が重要だと考えるのであれば、実際の練習や試合を何度も見る方が、パンフレットやホームページを眺めるよりもよほど効果的です。
また、華やかなAチームのレギュラー選手たちの活躍は目にしていますが、Bチーム以下の情報はどうでしょうか。新入生の練習環境や試合の様子についてはどうでしょうか。
実際に私がU-18年代に携わり続けていた間、Bチームの練習試合や1年生相手の試合、普段の練習などを見に来る中学生はほとんどいませんでした。
もちろん、理由はあるでしょう。
それは、そんなことをしている時間はないからです。
つまり、優先順位が低いのです。
でも、実際に入部・入団すれば、毎日の練習、毎週の試合がすべてです。
テレビで観た選手権の活躍やトップ昇格したJリーガーの活躍からは想像もつかないような地味な毎日の繰り返しが始まります。
そこに楽しさを見出すことができなければ、
「こんなはずじゃなかった」
となるのです。
県リーグ1部を観よう!
それを防ぐ方法の1つが、毎週のリーグ戦を観ることです。
福岡県1部リーグは、すべての試合がライブ配信され、アーカイブも残り続けます。
毎週のリーグ戦は全国大会と違って、いわば日常です。
会場の雰囲気、選手たちの躍動感、監督のコーチング、毎節の戦い方、選手起用の方針…
直接会場に足を運ばなくても、極めて日常の様子に近い情報が手に入ります。
「このチームに行けば1年生からチャンスをもらいやすそう」
「このチームは普段からぼくの好きなスタイルのサッカーをしている」
「このチームは試合中にあまりいろいろ言われずに自由にやれているな」
「このチームはどんどん具体的にコーチングしてもらっていて勉強になりそうだな」
など、メディアでの全国大会の映像や表に出ている大会の成績の一覧からではわからないことがわかってきます。
とは言っても、です。
毎週、リーグ戦の映像をチェックするのは時間的にも体力的にもしんどいです。
そして、
「なんとなく観てもどうやって良し悪しを判断していいのか分からない」
「どうしても試合に勝った方のチームがなんとなく良かったと感じて、具体的にはよく分からない」
このnoteを役立ててください!
そこで、このnoteでは、毎週1試合をピックアップして、両チームの戦術的な狙いや、試合運び、試合の流れ、貢献度の高かった選手やプレーの解説などを、実際にこのリーグを監督として戦った経験を生かしてやっていこうと思います。
これらの内容は、より多くの選手、保護者、指導者の方々に観ていただけるように、無料で閲覧できるようにします。
ひとりでも多くの選手、保護者、指導者にとっての進路選択とそのサポートの一助になれば幸いです。
最後に
筆者は昨年までギラヴァンツ北九州に8年間在籍していました。
個人的な思い入れも強いです。
だからこそ、今回のnote投稿においては、最初に宣言しておくべきことがあります。
クラブ在籍中の情報は出さない
当然のことですが、内部の人しか知りえない情報は守秘義務があります。
昨年対戦したときの印象などは書きますが、それ以上の内側の情報を書く気は一切ありません。
分析は今年のリーグ戦を観て行います。
分析はフラットに
個人的な思い入れはありますが、それを分析内容に反映させてしまうと、読んでくださるみなさんにとってほしい情報ではなくなってしまうので、どのチームも感情論抜きで分析します。
それでは、全10チームの健闘を祈っています!
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