俺が選ばれないのはわかってるけどそれでも君が好き10
「ゆきちゃん、」
「...こんばんは」
「奇遇だね、また会った」
「本当に」
「本当に、偶然だと思ってる?」
「さぁ、どうなんでしょう」
「ははっ、興味ない感じ?いいよね、そういう正直なところ」
「そうですか」
「ねぇ、前も言ったよね俺。友達になってって。なってくれない?」
「理由を聞いても?」
「可愛いから、ゆきちゃんが」
「・・・。」
「俺と友達になるなって、彼氏に釘刺された?」
「いいえ」
「じゃあいいじゃん、友達くらい。俺、今すっげ、ゆきちゃんに興味あるんだよね」
「・・・興味、」
「そそ、興味」
「それなら、私はあなたにまったく興味がないので、お友達はご遠慮します」
「・・・おぉ、言うね。あ、でも今のそれってちょっと、ゆきちゃんの素の部分だよね。それそれ、俺、そーいうのが見たいわけ・・・って、ちょっとまだ話は終わってないけどー!」
(めんどくさ・・・)
気に留めず再びすたすたと歩き出すゆき