俺が選ばれないのはわかってるけどそれでも君が好き20

司「あの、チョコレート、食べない?」

ゆき「いらない」

「あの、でもこれ、多分、おいしいやつ。ゆきちゃん、前にこれおいしいって食べてたから」

「・・・」

「これだよね、この緑の箱の、これ、食べてたから・・・」

「・・・」

ゆき「デメルだよ」

「デメルの猫ラベルっていうの」

「あ、うん、それ。これ、デメルのチョコ。ゆきちゃんにあげたくて・・・」

「・・・」

「ごめん、俺、喜ばせ方が分からなくて。そばにいるだけで、役に立たなくて・・・」

「かな子といるみたいにゆきちゃんを笑わせられなくてごめん。俺が、頼んだのに・・・」

「欲しいものとかあったら言って。俺買うし、用意するし、何でも言って」

「・・・」

「自分で買うからいらない」

「・・・ごめん、」

(立ち上がって歩き出すゆき)

「どこいくの?」

「レッスン」

「あ、そっか、時間・・・俺、送るから」

「いらないってば」

「・・・駄目、送るから!ゆきちゃんが行く習い事は全部俺が送るって言ったよね!ちゃんと許可ももらってる!」

「・・・わたしは許可してないよ」

「わたしのそばにいてもいいって許可、してない。」

「・・・、じゃあ、ください!許可、今!」

「・・・」

「俺を好きに使って、ゆきちゃんには笑っててほしい!だから俺を使って!全部、なんでもする」

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