司【4】
「先のこと、ね」
全く考えないわけじゃない。
『その日』は必ず来るから。
でも今は、一緒にいられる時間を1秒でも無駄にしたくない気持ちの方が強く働くんだと思う。
「司、これ好き。おいしい」
「ラペ。いつも選ぶから好きなんだと思って」
「お肉もおいしい」
「レアにしたから」
「司の作るごはん、好き」
にこにこした可愛い顔が見れるのなら、毎日でも作るし、うまくもなるよう努力する。
可愛い、可愛い、俺の大切な人。
『その日』が来るまで、誰にも渡さないし、触らせもしない。
だから、花北 令(はなきた れい)が、最近少し煩わしい・・・。