13歳からの地政学/田中孝幸
「実は世界中の貿易は9割以上が海を通っている。つまり船で運ばれている。特に日本は海に囲まれた島国だからその比率が高くて、99%が船による貿易だ。」(p.24)
「そしてアメリカが超大国と言われているのは、世界の船の行き来を仕切る国であるからだ。アメリカは世界最強の海軍を持ち続けるために、毎年10兆円以上のお金を投じていて、世界各地の海に海軍を展開している。」(p.24.25)
「世界の貿易の8割で使われる通貨はドルだ。そしてそれは、アメリカが世界で最も強いからだ。」(p.27)
「世界の大陸の中でも、安定して確実に物を運べるようになっている地域はほんの一部だ。」(p.31)
「そして、アメリカは世界で1番多くの海底ケーブルを張りめぐらせている。」(p.34)
「うむ、それももちろんあるが、大きな理由の一つは海をおさえれば、情報をおさえることができるからだ。通っていくデータの行き来を管理できて、必要に応じて盗み見することができる。」(p.34)
「情報というのは集めすぎると、それは持っていないことに近くなっていく。」(p.36)
「水深6000メートル以上の深海だけみると、世界で最も大きい海水体積を持っているのは日本だという報告もある。」(p.43)
「実は外国人がしゃべる際のミスに対して、日本人ほど温かく接することのできる国民は、世界にそんなに多くない。」(p.51.52)
「核兵器は、いつまでももぐっているための原子力潜水艦、海の中から発射する力、それに潜水艦を隠すための深く、自分の縄張りにできる限り安全な海という3つを確保できて、初めて最強のアイテムになる。」(p.64)
「領土というのは、ぼーっとしていたら取られるというのが世界の常識だ。」(p.73)
「だが、今の当たり前は未来の当たり前ではない。」(p.79)
「人間というのは、楽なのでつい似たもの同士でつるみたくなるものだが、その楽な状態から少し勇気を出して出てみると、違った景色が見えてくる。」(p.169.170)
「一見自分に関係のないようなことも、学校の試験に出ないようなことでも、新しい知識を得ることは楽しいことだ。楽しいから、人は知りたいと思うのだろう。」(p.233)