グラフィックデザイナーが考えるコンセプトの重要性
こんにちは、女性視点で新たな価値創造をするトータルプロデュース企業higotoのアートディレクター&フォトグラファーの鈴木ヘレンです。
私が仕事でデザインをスタートさせたのは、グラフィックデザイナーが始まり。専門学校を卒業後、印刷会社、専門学校で広報部として在学生の活躍や学校の告知のためのチラシ作りをメインに仕事をしていました。その後、ウェディング会社でカメラマンとして人物撮影やカメラの勉強をした後、アートディレクター&カメラマンとして仕事を始めました。なんだかんだ14年もグラフィックを生業として仕事をさせていただいています。そんなグラフィックデザイナー出身の私が考えるコンセプトについて今回はつづっていきたいと思います。
メッセージを第三者に伝えるために、コンセプトは重要
どんな制作物をするのにもコンセプトは必須。それはなぜか?
それは「クライアントのメッセージを第三者に正しく伝えるため」です。そもそもデザインは「意味があって」制作されています。使用する写真やフォント、色使い…どれも意味があって配置されています。逆に言えば、デザインの意味なく制作すると、第三者(エンドユーザー)にクライアントのメッセージが正しく伝わらないというデザインにおいて本末転倒の結果になってしまいます。
ただ、この14年間、クライアントからいただく仕事にはチラシやDMを作る単なるデザイン業務だけでなく、デザインをするための「コンセプト(企画・広告などで、全体を貫く基本的な観点・考え方のこと)」を考えることからスタートすることも多くありました。そもそも「コンセプトって何?」「制作の目的はあるけどコンセプトを言語化できないな」なんてクライアントは多く、自身も若い時はコンセプトはなんとなくでしか分かっていなくて、本から学んだ知識から思考を巡らせてみたり、キーワードを書いたポストイットを大きな紙に張り出してコンセプトを炙り出してみたり。クライアントと一緒になんとかコンセプトを作り、デザインを行う日々もありました。
グラフィックデザイナーが考えるコンセプトとは?
グラフィックデザイナー出の私が考えるコンセプトは「一言で言える考え方を全方位で死守する」こと。
「一言で言える考え方」は「誰に」「何を」「どのような利益を与えるのか」「実現したいビジョン」などの情報を集め、一言でまとめた概要ですが、え?分かりにくいよね?と思い直し、今一生懸命別の言葉を考えています。
(思考中…よし。)
商品やサービス、クライアントが目指す方向性をキャッチーな一言で表すこと。これです(ドヤァ…)
そしてこのキャツチーな一言を「全方位で死守する」とは、SNS・チラシ・HPなど第三者の目に触れる全ての媒体に、徹底的にキャッチコピーやデザインをブラさずに伝え続けるということです。写真をはじめとする素材選び、色使いやフォントの使い方など、第三者の目に映るものは全て!!徹底的に!!!統一したもので発信し続けるのです!!!一ミリも邪魔を入れないよう、まっすぐメッセージが伝わるように守るのです!!!それが全方位から死守することなんです!!!私はこの死守することの方がとても難しいと思っていますし、ここがブレちゃうとどれだけ一言で言えるキャッチコピーが良くても、伝わらない。そう思っています。
グラフィックデザイナー時には死守できなかった
会社の中私の立ち位置はグラフィックデザイナーで、デザインを担う人。私がコンセプトを考えても、私の一存では「一言で言える考え方」から生まれたデザインをしたとしても、デイレクターやクライアントの意向が変われば全方位から死守することは不可能だということに気がつきました。使われる写真やキャッチコピーが変わっていたり、それはもう全く違うものになっていたり。会社だったので、人事異動もあったので致し方なかったのです。
グラフィックデザイナーからアートディレクターとして関わらせていただけるようになった案件では、コンセプトの考え方の練り直しも全方位から死守することも可能になりました。だからこそ、グラフィックデザイナーの時よりもよりコンセプトについて深く考えるようにもなりましたし、妥当性についても厳しく重んじるようになりました。クライアントの意向が変わることは今も全然ありますが(笑)、「クソ〜〜〜!」と悔しがるのではなく、「次のコンセプトはもっと深掘りしてみよう」「第三者に伝わるメッセージとはなんだろう」など、悔しい以上に次のチャレンジを考えるようになりました。と言いながらも、まだまだトライアンドエラーを繰り返していますが、これからもクライアントのメッセージをちゃんと第三者に届けることに注力し続けて行きたいと思っています。
次回はコンセプトについて、少し深掘りした内容をつづりたいと思います。
では、明日も女性がときめくクリエイティブを!
higoto
アートディレクター&フォトグラファー
鈴木 ヘレン