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ワーママ社員だった私の、両立神話の解決とこれからの思い
こんにちは、鈴木ヘレンです。もうすぐ4月。新生活が始まる人もたくさんいるのではないでしょうか?かくいう私も、この3月末に約7年勤めた地元中小企業のインハウスデザイナーを退職し、仲間と起業した会社で仕事をスタートさせます。
ワーママが直面する仕事と育児の悩み
所属した7年で私は結婚、出産、育児…とライフステージが変わりました。変わるということは、その都度状況もぶつかる壁も変化していくということ。私の壁は「仕事と育児の両立」についてでした。これ、ワーママとして働かれている方は一度は悩まれますよね。私も後にも先にもあの時以上に悩んだのはないんじゃないかと思うほどです。
私の育休明けの勤務開始は、子供が1歳半になった時。子どもが3歳になる前日までの条件付きの9時-16時の時短勤務でした。家の近くに両親がいないので、私の家は主人と2人で子育てをする。尚且つ共働きが決定事項でした。そうなると保育園への送迎、準備…をはじめ、通勤・家事などすべて自分たちでやらなければならないと考えた時、「私がフルタイムで仕事を復帰した場合、お金は入るが家の中のバランスが崩れてしまうかも」「子どもが3歳になってもまだまだ時短でないと無理!!」と、復帰の時点ですでに考え始めていました。そんな悩みを心に留めていながらも、どうしたらいいか分からなかった時、たまたま本屋で手に取ったワーママのための本を読んでいると「上司はあなたの家の中までは聞けない(パワハラになるかもしれないから)。あなたが何に悩んでいるのか、伝えないと伝わらない。だから悩んでいるのなら、あなたから相談しなさい」と書かれてあり、稲妻で打たれたような衝撃と眼からうろこの言葉に驚きました。確かに私は上司に相談もせず、自分で答えを出し、会社員を辞めようとしていたのです。それしか道はないと思っていたから。でもその言葉を受け、考えてみると、確かに上司に相談もしてもいないのに、「会社を辞めます」と言うのはちょっとお門違いではないか。そう考えた私は、すぐに上司に家庭の内情を伝えつつ、時短勤務の延長やパートへの切り替えを相談しました。もし相談して、辞める方向なってしまったらその時だと。幸い、理解のある職場・上司だったので「ひとまず子どもが3歳になってからも2〜3年は時短で働いていいよ」とOKを出していただいたので、これまで社員として働かせていただいてました。この日を境に、家庭が理由で仕事に支障が出るようであれば、上司にまず相談し、その後会社と私の両方が居心地がいい着地点を決めることにしました。
1つ解決すると、更なる悩みが出てきました。
出産前より、責任のある仕事を任せてもらえない
時短勤務の延命がされた後、今度は違う壁が立ちはだかります。それは「どこか以前(出産前)より、これといった仕事を任せてもらえない」ということ。確かに思い当たることはたくさんありました。子どもの急な発熱、体調不良で早退・休暇をとるをえない。そうなると取り掛かっている仕事は職場の誰かに引継がれ、次に職場に行った時には終わっている。それが重なると、「責任のあるポジション」で「最後まで」仕事ができないことが増えてくるのです。私はインハウスデザイナーだったので、クライアントへの打ち合わせ・やりとり、依頼されたものへのデザイン作業、撮影、入稿、納品まですべて一人でやっていました。それはP100以上あるパンフレットの制作も3週間でP20ほどある小冊子を作る時も、ペラもののチラシを作るときでも作業内容は問いません。いつの間にか「最初から最後までやり遂げる」ことが私の仕事のスタンスになっていたのに、手をつけていたものが他者に引き継がれ、私の知らないところで修正され、私が思っていたものではない形で納品されているのです。初めはこのことに心が拒絶していました。でも、仕事です。クライアントの希望する日に納品していることが優先されるので、私の思いや感情は不要です。そう思い、少しでも仕事仲間に迷惑がかからないよう、打ち合わせした内容や進めいている内容を細かく書類にまとめ、いつでも引継ぎできるように文字として残していました。それを繰り返している内に初めはジレンマとしてあった「最初から最後までやり遂げる」ことが出来なくても平気になっていきました。これを麻痺と呼ぶのでしょうね。
心の麻痺から脱出したい
子どもが3歳を過ぎたあたりから、もっと仕事がしたいと思うようになりました。子どもが大きくなり、以前より手がかからなくなり、少し余裕が出てきたのでしょう。一方、「仕事と子育てをちゃんとしなきゃ」「みんなちゃんとやっているんだから」と両立神話に自身ができないかも…と不安になっていました。また依然として、仕事はライトな仕事が多い反面、仕事が増大する怖さがありました。(わがままでごめんなさい・笑)そんな時、瀬戸内かわいい部のメンバーで、higoto共同代表の梶原と林に出会います。3人とも子どもがいるお母さんで、それぞれコンテンツディレクター、一級建築士、アートディレクター…と違う職種で仕事をしていました。そんな3人がコンスタンスに会う機会があり、いつの間にか「3人で会社作っちゃう!?』の声があがり始め、その頃から「自ら仕事を作り出し、クライアントと一緒に仕事をしたい」「それぞれが持つスキルを掛け合わせて、今までしたことがない仕事にチャレンジしたい」と思うようになりました。心の麻痺を脱出したいと思った瞬間です。こうと決めたら突っ走る私は、会社の設立日が決定した後、すぐに勤めている会社へ退職の思いを伝えました。家庭が理由ではなく、今度は自分の「チャレンジしたい!」という意思が理由で。
両立神話をみんなで乗り越える!
子どもが4歳になった今でも子どもの体調不良は急です。またhigotoメンバーにも子どもがいるので、日々何が起こるか分かりません。そんな中、仕事と子育ての両立をすることはとても大変です。だからの世の中のお母さん!!お疲れ様です!!!ってすごく思う。し、自身もお疲れ様っ!!!!!!!と思います・笑(夜はお疲れの気持ちを持ち、アルコール摂取するのが最大の癒しです)
起業して会社員の時と違うなと感じるのは、メンバー内で「私やるよ!」と自ら仕事を変わったり、相談しながらこの仕事はこの人に。これはあの人にと適材適所で進めたりすることができます。これは会社員時代ではあまりなく、手が空いている人が請け負うというものとは違います。まだ歩み出して数ヶ月しか経っていないhigotoですが、こうしてメンバー同士で仕事と子育ての両立を「助け合いながら」前進していくのだと、最近感じます。
もしかしたら、それは同じくらいの子どもがいる者同士だから分かり合えるのかもしれません。それなら私はこの経験を忘れず、社員の悩みやモヤモヤを一緒に悩み、一緒に解決していける人でありたいと思います。独身・既婚・ワーママ、どのライフステージにいる女性であっても、それぞれの思いを汲み取り、希望を叶えながら、一人でも多くの女性が仕事や子育てを諦めずにやって良かった!と思って欲しい。
立ち止まったらみんなで助け合いたい。
子どもがいても、存分に仕事ができる環境を。
そういう思いが今、芽生えています。
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