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魅惑のパンドラの箱
こんにちは、PR&ディレクターのまみこです。
誰もいない部屋。目の前には「パンドラの箱」。あなたはどうしますか?
躊躇なく開ける派ですか?開けない派ですか?もしくは、バレない程度にちょっーーーっとだけ開ける派ですか……?
見つけてしまったパンドラの箱
ある日、ふと目に止まったもの。それは息子の字で「バドノート」と表紙に書かれた、一冊のノート。※息子はバドミントンをしています。
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見たことも聞いたこともないこのノート。そこそこくたびれていて、ほんの数日前から始めたものではない、ということだけは分かる。
なぜ?いつから?何を書いているの!?見たい……見たすぎる……。でもなんだか開いてはならないような気がしている。それなのに!それなのに!私の手が!私の手が勝手にノートに近づこうとする!!!と、挙動不審になっている私を見て息子が一言。
「見てもいいけど、今じゃないと思うよ」
思い返せば
今思えば、いつからか練習中の言動が変化してきたというのは感じていて。バドミントンの試合中、うまくいかない時に自分の感情をコントロールするのが苦手な息子。ある日、「その理由がわかったよ」と言ってみたり。打ち方、球の配球方法を少しずつだけど言語化できるようになったり。
「おぉ、成長したではないか、よきよき」とスルーしていたけれど、そんな変化があったのは、もしやのこの「バドノート」効果なのか。それならばなおさら見たい。見たすぎる。ここで何がどう分析されているのかしら。でも、見るのは「今じゃない」ってどういうこと!?
天使と悪魔と
誰もいない部屋、雑に置かれた魅惑のパンドラの箱。もとい、バドノート。きっと、息子にとっては一つひとつことばを積み上げてきた、宝物。
「見てもいいけど、今じゃない」と言われたならやめておいたら?と、天使の囁き。
「見てもいい」と言っているし、見たとしても見てないフリをすれだけばいい話じゃない?と悪魔の誘惑も同時に聞こえてくる。
「じゃあ間をとって、片目でささっと1ページ見るくらいなら良いかしら?」と脳内返答する私。天使と悪魔と私の会議に決着がつこうとする頃、学校から帰宅した息子。
「お母さん!やっぱりバドノート見てもいいよ!ねぇ、ここ読んでみてよ!このページにはね……」
今日も今日とて
悩む私の前で、いとも簡単ににパンドラの箱(バドノート)をものすごいスピードで開けようとした息子。しかしながら、人間は「見てもいい」と言われると「見たくない」と反射的に思う動物のようで。気がつけば、「ストップ!もう少し先の楽しみにさせて」と言っていた私。
一体何が書いてあるんだろう。なぜあの時見るのは「今じゃない」と言ったのだろう。疑問は深まるばかり。見てもよかったならやっぱり見ればよかったかしら、などと今日も誰もいない部屋に無造作に置かれたパンドラの箱を見て思うのでした。
おしまい。
Thumbnail photo by 鈴木ヘレン
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