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映画にみる生き方『ボヘミアン・ラプソディ』
こんにちは、アートディレクター&フォトグラファーの鈴木ヘレンです。あっという間に今年も折り返しですね。共同代表を務めるhigotoは4月から本格始動し、3ヶ月が経とうとしていますが、体感は一瞬。本当にあっという間でした。日々、会社の仕事をこなしながら、新しいアイデアの発想・考察・結果を出す。また「妻」であり「母」である居場所でも、家族の笑顔のために家庭のことをこなす。本当にメンバーは毎日駆け抜けていると感じます。
そして先日。久しぶりに映画「ボヘミアン・ラプソディ」を鑑賞しました。言わずとしれたイギリスのロックバンド「QUEEN」のフレディ・マーキュリーの華やかな成功と波乱万丈の人生が描かれた映画。ボーカルのフレディ・マーキュリーは、唯一無二のカリスマでバンドを先導するフロントマン。
彼は音楽面の苦悩だけでなく、自身のルーツやセクシャリティ、病気など大きな悩みを常に抱えていましたが、その悩みを仲間やパートナーと共に、戦い続けたことでカリスマとしてのオーラを身に着けた人物でもあります。
作中ではそういった歴史や過程が、映画のストーリーとともに主人公のファッションや生き方にも現されていました。
栄光で得たものを全て捨て、本当に大切なものだけを残す生き方
QUEENがスタートした1970年代。70年代初頭にロックの有り様が変わるビッグウェーブが起き、その波が沈静化したタイミングでQUEENは現れました。順調にスター街道を歩んで行ったのだろうと思っていたQUEENが、紆余曲折しながら、時には悩み、時には喧嘩をしながら毎日を葛藤しながら進んできたことを初めて知りました。
また、この映画を観て驚いたことはフレディが
・唯一無二の新しい自分を築くためのファッションを貫いたこと
・自身のセクシャリティを受け入れてから必要以上に着飾らず、シンプルに自分そのものを魅せるスタイルに変貌していくこと
・成功の絶頂期にあってすら絶望的なまでに孤独だったこと
デビュー前後はパフォーマーを標榜するだけあって、ステージコスチュームがとにかくド派手だったフレディ。純白のプリーツ袖ジャケットや、ミラーボールのようなジャンプスーツ、エリマキトカゲのような衣装を着用するなど、ステージはパフォーマンスの場としっかり定めていたことがわかります。その後、大成功をなし得た彼が、生きる過程で多くのものを失って、さらに自身が病にむしばまれている事が発覚したことで、本当に大切なものを得られます。この頃から着飾ることを捨てて生身の自分をさらけ出し、これまでの栄光で得たものを全て捨て、本当に大切なものだけを残して再起をかける。それは短髪リーゼントヘア&口髭に変わり、コスチュームもシンプルな柄物Tシャツやシャツにジーンズをはいたルックに変わるなど、私がQUEENと言えば…なファッションになっているタイミングです。とにかくこれまでのステージファッションから大きく引き算を施したスタイルに変貌した頃「We are the Champions」や「We Will Rock You」といった人々の魂を奮い立たせるようなヒット曲が生まれたタイミングなんだそうです。
悩みを全て受け入れて「本当の自分」で生きていく
QUEENの歌はステージでは自信満々のフレディの風貌からは考えられないほど弱々しく、美しくありながらもどこか儚い歌詞で作られた歌もたくさんありました。それはフレディも生身の人間。辛い時は辛いし、プレッシャーに負けそうなときだってある。映画でフレディ・マーキュリーという人物が「繊細」で、「正直」で、ときにはお人好しすぎて騙されたり。全力で人生をつらぬいたのが分かりました。
また、自身のルーツやセクシャリティ、病気など大きな悩みを全て受け入れて、「本当の自分」での魂のパフォーマンスを披露したことで、フレディに世界中が魅了され、今尚語り継がれる伝説のカリスマパフォーマーとなったのです。ありのままの自分を受け入れ、ありのままの自分を表現する。自身の心の弱さを払拭したからこそ、唯一無二の存在になれるのだと学びました。
次は7/1公開の「ELVIS」。偉人たちの功績を映像で観てみたいなと思いました。
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