見出し画像

秋空の"沼"を往く

先日、同僚のエンジニアにロードバイクをもらいました。
「最近はあまり乗らなくなったから」とのことで 、本当にいいんだろうかと思いながら彼の自宅近くまで取りにいくと、最近まで丁寧に整備されていたのであろうピカピカのロードバイクに加えて、ライトやらサイクルコンピューター(?)やらドリンクホルダーやら携帯用空気入れやら...と、諸々の周辺パーツまでいただいてしまって、大変恐縮しつつ、大切にさせてもらおうと思ったのでした。

いただいた自転車

さて、そんな話を聞きつけたのが、これまた同僚のインフラエンジニアで、気がつけば社内チャットのSlackで『bicycle-club』なるチャンネルに招待されたのでした。
自転車パーツの海外通販情報が流れてくるこのチャンネル、Topicに「沼へようこそ」と書かれているのが気になりましたが、見ないことにしました。個人的な話ですが、僕は既に"カメラ沼"の住人と化していて、他の沼に浸かる余裕はないのです。
そんな中チャットでは「ゆるポタ」(=緩いポタリング...?)の計画が始まり、
「荒川のサイクリングロードは走りやすい」
「経験者が牽く(?)から、初心者は安心してほしい」
「慣れれば、河口から埼玉の川越あたりを1日で往復できるようになる」
などの言葉に一抹の不安を覚えながらも、せっかくもらったロードバイクを腐らせてはなるまいと参加することにしたのでした。

当日、僕のほか、僕を『bicycle-club』に誘った同僚含めた3名が、朝10時に北千住駅に集まりました。
僕は東京の東側に住んでいるので、北千住もそれほど遠くはありませんが、残る3名はみな、目黒のオフィスからほど近い場所に住んでいます。
僕を誘った同僚は「荒川まで来るのは慣れてるから」と、フルカーボン製の軽そうで、速そうで、高そうなロードバイクで自走してきた一方、残る2名はタイヤを外した自転車を「輪行バッグ」に入れ、電車で北千住まで来たそうです。

北千住は荒川へのアクセスが良い、の図

コンビニで買ったスポーツドリンクをボトルに詰め替え、"ゆるポタ"がスタートしました。
秋空の下、荒川では僕たちのようにサイクリングを楽しむ人たちや、野球やサッカーの練習をする人が多く、その活気と気候の良さに清々しい気持ちになります。
...が、すぐに身体の異変に気がつきました。尻が痛いのです。サドルが当たって、尻が痛い。
どこか余裕を感じさせながらカーボン製バイクを漕ぐ彼にそう訴えたところ「Amazonで尻パッドが入ったパンツが1000円程度で売ってるので、それを買ったほうがいいですよ」という答えが返ってきました。
そういうものがあるのか...。

とはいえ、彼がロングライドに慣れていない我々を気遣って、こまめに休憩をとったり、"風避け"を引き受けてくれたりしてくれた甲斐もあって、昼時には埼玉県朝霞市の水門までたどり着くことができました。

秋空のリフレクションが見事で撮った一枚

昼食には、サイクリングロードを離れて駅近くのラーメン屋まで走り、カロリーの高そうな「味噌ラーメン ライスセット」を食べました。
食後、さて今日はそろそろ引き返そうかという矢先に気がついたのですが、今度は手のひらが痛い。慣れないドロップハンドルを握り続けて、親指の付け根あたりが赤くなっていました。
風の抵抗を極限まで減らしたようなサイクルジャージに身を包む彼に、再びそれを訴えたところ「Amazonで自転車用のグローブが1000円程度で売ってるので、それを買ったほうがいいですよ」という答えが返ってきました。
そういうものがあるのか...。

とはいえ、今日はこの装備のまま、なんとか自走して帰りたい。
気合で手のひらやら尻の痛みをごまかし、疲れでペースも往路より落ちながら、なんとか北千住まで帰ってきました。サイクリングロードの往復だけでも40kmです。ここから自宅までの帰路もあります。

その後、なんとか無事に帰宅できました。帰宅後は、疲労感と達成感とで頭が回らず、しばらくソファでぼーっとするしかできませんでした。
翌日の出勤が筋肉痛で苦行だったのは言うまでもありません。

さて昨日、そんな1週間前のサイクリングに思いを馳せていたら、Amazonから荷物が届きました。
尻パッド入りのパンツと、自転車用の指ぬきグローブです。グローブは自転車のカラーリングに合わせて黒と青のもの。
いったい誰が購入してくれたんでしょうね?
...他ならぬ自分です。

この沼は、浅瀬で済ませたいと思いながら、次の"ゆるポタ"の機会を、楽しみに待つのでした。(次はビンディングペダル&シューズが気になっています)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?