映画:ゴジラ対へドラ
※この記事ははてなブログにて、2020年7月6日に投稿した記事の再掲です。
1971年公開、ゴジラシリーズ第11作目。
当時問題となっていた大気汚染や水質汚染を取り上げたゴジラ作品。
汚染により発生したヘドロの中から生まれた怪獣としてヘドラが描かれる。
ヘドラのデザインは奇妙で不気味。成長により姿が変化する上、飛行形態から歩行形態に変身もするのでバリエーションが豊か。興味を引くインパクトのあるデザインで、個人的には好きだ。
映画の中にはアニメが挿入されたり、目がチカチカするようなエフェクトが入っていたり、かなり工夫しようとした跡が見られる。その気持ちは評価したいが、B級映画感が増してしまい、いわばサブカル感が出てしまっている気もする。まとまりがないとも言えるのか。(元々多くのゴジラ作品はB級感を楽しむもののような気はするが。)
低予算だったようだが、ゴジラとヘドラの戦闘シーンは楽しく見れた。ヘドラがゴジラを自らの体から排出したヘドロで生き埋めにしようとするシーンは好きだったな。ヘドロの出てき方がよかった。
ただ物語の終盤で自らの熱線を使い、ゴジラが飛ぶシーンがあるのだが、これはどうなんだろう。
wikipedia等を見ると、制作当時は内部からも批判があったと書いてあったが、その意味はよくわかる。正直飛ぶのは唐突すぎて、無理やり入れたようにしか見えない。インパクトが欲しかった、またはアイデアをとにかく詰め込みたかったのだろうけど、それが透けて見えてしまって少し興ざめした。というか笑ってしまった。
全体を通して雰囲気は暗め。ヘドラが発生させる硫酸ミストによって市民が溶けてしまい骨になる描写など多少残酷な部分をはっきり描いているところは評価できるが、サイケデリックな雰囲気を出そうとすることでセンセーショナルな印象を与えたいという気持ちが透けて見えてしまう感じは否めない。
とにかくヘドラのデザインは評価できる。フィギュアが欲しくなった。