OMC081 (4e) の話
こんにちは、HighSpeed です。前回の記事からだいぶ経ってしまいました。サイトがリニューアルして、システムもかなり変わりましたね。
OMC081 (4e) は自身初の単独 writer でした! ということで、参考までに提出時の点数も書いておきます。問題番号の横の数字が、(提出時の点数)→(実際の点数)を表しています。
それでは早速、問題を見ていきましょう!
A (200 → 300)
「Euler の多面体定理を使いたい!」と思って作った問題です。エスパーしやすかったかもしれないですが、そこまで難しい議論でもなかったと思うので、あまり問題ないかなと思います。
裏話として、提出時は凸多面体という条件がなかったため、穴のあいた多面体も含まれてしまっていて、直接 Euler の多面体定理が適用できない形になっていました。審査のときに、運営さんに修正していただきました。
なお、Euler の多面体定理の拡張である Euler-Poincare の公式を用いれば、穴のあいた多面体を含めても答えは同じであることが分かります。さらに、そんな難しいものを用いなくても、少し頑張れば Euler の多面体定理だけで同様のことが示せるので、よければ考えてみてください!
B (400 → 500)
「Wilson の定理を使いたい!」と思って作った問題です。ただ、そのままの形すぎても面白くないと思ったので、以下の変形をしたものを用いました:
$$
(p - 2)! = -\mathopen{}\left(-1\right) (p - 2)! \equiv -(p - 1)!\quad\pmod p.
$$
裏話として、提出時は 30 番目だけを求めさせようとしていたので、エスパーされやすくなっていました。審査のときに、運営さんに改善していただきました。この提出形式は全然思いつかなかったので、天才だと思いました。
C (400 → 500)
「ひらめき重視にしたい!」と思って作った問題です。2 進数っぽさがにじみ出すぎていたので、桁の向きを直感と逆にするなど、少し手を加えました(自分の性格の悪さが垣間見えますね)。
ただ、4b では出ない難易度感なので、400 で提出すべきではなかったですね。反省です。
ちなみに、左右などではなく南北を用いているのは、プレイヤーの位置に依存しない表記にするためです(果たしてこれが良いのかは分かりませんが)。
D (600 → 600)
「カタラン数の考え方を使いたい!」と思って作った問題です。カタラン数はこの問題では、$${M = 0}$$ の場合の数の数え上げに相当しています。
また少し重い計算パートでは、普段 $${\sum\limits_{i=1}^n n\mathinner{{}_n\mathrm C_r}}$$ を微分で求めている人は $${\sum r \mathinner{{}_{2N}\mathrm C_r}}$$ のところの変形が少し見えにくくなっていたかもしれません。
E (600 → 700)
「初等幾何を使いたい!」と思って作った問題です。この相似拡大は多少知られている構図ではありますが、そもそも相似拡大を使う問題は難しいうえに、今回は内心の使い方も難しかったと思います。
裏話として、セット提出時はもともと、全く違う幾何が組み込まれていました。ですが問題に不備があって、審査時に不採用になりました(汗)。
F (800 → 700)
「Lagrange 補間を使いたい!」と思って作った問題です。プロセスが多く、また計算の工夫も必要なため、なかなか難しかったと思います。
裏話として、提出時は補題の使い方に不備があったのですが、エレガントに直してもらいました。本当に感謝です。
全体を通して
提出時から点数が調整された問題が多く、もう少し点数の設定をうまくできるようになりたいですね。特に E ≒ F は、提出時には全く考えてませんでした。運営さん流石ですね!
好きな問題があればぜひ教えてください!
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