【オーディブル記録】#1ミッドナイトライブラリー
たらればってなんだろう。私の中でずっと持論があって、あんまり後悔をしないことにしてる。現実にはやり直せないし、戻ったところでもういい年だし、嫌というほど自分がわかっているから何をやり直したとてだろうと思ってる。それは後ろ向きにクヨクヨする時間をなくす防御線でもある。
冒頭どん底にいる主人公は物語の趣旨であるミッドナイトライブラリーに流れつき、過去にあのときああしていたらって後悔を本の世界で経験する。そもそも主人公は元オリンピック候補の候補であり、デビュー直前にまでこぎつけたミュージシャンでしかも高学歴。何をしてそこまで転落できたんですか??と思うくらい。何をしてもそこまでのレベルに達することができる人だからこそ今の自分のどん底な状態に打ちのめさされるってこともあるのかもと凡人の私は思う。
世界的に成功するミュージシシャンになったりオーストラリアに移住してみたりと色んなたらればの世界を主人公は経験して、紆余曲折を経て最後は彼女なりの落とし所を見ついく。でも、私はやっぱりたらればの道に行けなくていいかなと言う思いを強めました。(観光気分でちょっと覗くのは面白いかもしれないけど。)
だって今より成功した自分になれるなら成功するまでのプロセスを味わいたくないですか?達成した瞬間を味わえないままそのステータスに降り立って生き直すのってなんか食べ残しをいただく感じ。焼肉だけ食べ終えた後の高級焼肉弁当、いちごを食べた後のショートケーキ。もし素敵な旦那さんと暮らしてる世界に住むなら目眩く恋愛の過程をあじわいたくないですか?
いえいえいえ、今から過去に逆戻りして(例えば18歳とか?)全部自分でやり直せるんですよ、って言われても30年とか今更生き直すかと思うとちょっとウヘーって思う。私なりに色々あったので焼肉やイチゴは食べたいけど、それはちょっともうしんどいです。肉体的な若さは欲しいのに30年の生き直しはしたくない。そこは新鮮な気づきでした。生き直したとして国連大使になったりスタートアップ企業を作って大成功したりするとはどうしても思えないんです。昔好きだった人にもう一度出会ってもあちらには悲しいかな結局は選ばれない気がする。
やっぱり、歯を食いしばっても前を向いておこう。 持論の証明ができた気がします。