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上司来訪①
ともかくも一旦家に帰ろうかと思っていたら、主人の会社の上司の方々が駆けつけてくださったと、看護師さんから思わぬお声がけがある。
さっそく病院まで駆けつけてくださることへのありがたさと申し訳なさ、そして、これから長く会社を休むことになるだろう予感から、「これくらいには復帰できなければ会社を辞めてもらうことになる」だなんて宣告を受けるのではないだろうかという不安な気持ちとがないまぜになった。
いつも主人は会社での出来事をよく話してくれた。どの方にも一度もお目にかかったことはなかったけれど、名刺にあるお名前はどれも見知ったものばかりだった。
「わざわざお越しいただいてありがとうございます。」
「このようなことになって本当に申し訳ありません。」
みなさん心配顔で「一日も早く治って復帰してくれるのを待っています。」と言ってくださる。感謝の気持ちで泣けてくる。
それなのに、どうしてこんなことになってしまったのか。
昨日の主人は、会議のあと、会社近くの居酒屋さんに場所を移して軽く飲んだと聞かされた。本当なら社内ですべて終えるはずだったとのこと。
「メンバーからの聞き取りでは、彼はたいして飲んではいなかったようで、足取りもしっかりしていて酔っぱらっているようには見えなかったし(主人はお酒にとても強いのです!)、10時くらいには解散していた。」
その日の朝が主人が言っていたとおりだった。
「『僕は歩いて帰ります。』と言って、みんなと別れたらしいのです。」
私からも昨日のあれこれを伝える。
私が主人の帰宅に気づいたのはもっともっと遅くだったし、トイレで吐いていたので、かなり飲んでいたのだと思っていた、と率直に伝える。
「それで、あの…、怪我をしたのはどうしてなんでしょうか。殴られたとか、逆に殴ったようなことは…なかったのでしょうか?」
そうか、主人は会社員だもの、会社としては”それ”が気になるのは当然ですよね、と思って、急にヒヤッとした気持ちになる。
”どうしてこんなことになってしまったのか?”
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