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でらサイエンス 第5回:雲から地上到達までの雪のサバイバル ~結晶たちは無事に舞い降りれるのか!?~

タイトル:雲から地上到達までの雪のサバイバル ~結晶たちは無事に舞い降りれるのか!?~結晶たちは無事に舞い降りれるのか!?~

テーマ:雪が雪として地上に届くまでの条件と変化を探る

放送内容

ろーぼーる:
こんばんは~!外はどえりゃあ寒いけど、『でらサイエンス』聴いてくれてありがとね~!アタシ、名古屋のろーぼーるやで~!

今夜なんやけど、岐阜の方で雪が積もったって聞いて、アタシ、めっちゃ興奮しとるんやわ!だって雪ってすごいやろ?あの真っ白な結晶が空から舞い降りてくるなんて、どえりゃあロマンチックやもんね!

そんで今夜の『でらサイエンス』は、『雲から地上到達までの雪のサバイバル』!結晶たちは無事に舞い降りれるのか!?をお届けするんやで~!

実はね、雪の結晶って、地上に届くまでにめっちゃ大変な思いをしとるんやわ。ちょっとでも条件が悪かったら、雨になっちゃったり、消えちゃったりするんよ。マジで過酷なサバイバルなんや!

はいさ~ん、今夜はアタシと一緒に、雪の結晶たちの知られざる運命を追いかけていかへん?

はいぼーる:
なんか、ロマンチックなスタートやけど、今日の岐阜は朝方に結構雪が積もって、電車も遅延して会社行くのも大変やったんやで...内緒やけど遅刻してもうたわ(笑)

ろーぼーる:
ありゃりゃ~!はいさん、そんな大変な朝やったんか!アタシ、ここで悠長にロマンチックな話しとったけど...(笑)

でもな~、はいさん、この厄介な雪にもどえりゃあ面白い秘密があるんやで!実は雪が降るまでには、雲の中でも地上までの道のりでも、いろんなドラマがあるんよ。

今日みたいに電車が遅れるほど降る雪も、実は奇跡的な条件が重なった結果なんやわ。上空から地上まで、雪として生き残れるかどうかの壮大なサバイバルやもんね!

はいさん、アタシと一緒に、この雪の知られざる物語を追いかけていこか?まずは雲の中で雪の結晶が生まれる瞬間から見ていきたいんやけど...

はいぼーる:
そやな、雪の生成過程って、なんかの授業で習ったような気もするが、細かい条件はあんまり覚えとらんかったりするんよね。雪って、どこで、どんな条件で、どうやって生まれるやろかいな。

ろーぼーる:
おっ、ええとこ突いてきたね!雪の誕生の瞬間って、実はめっちゃデリケートなんやで!

まずな、雪の結晶が生まれる場所は、雲の中なんやけど、ただの雲やったらイカンのよ。気温が氷点下、それも大体マイナス10度からマイナス20度くらいの雲じゃないとイカンのや。

これ、どういうことかって言うと、雲って普通は上空1000メートルくらいから形成されるんやけど、雪の結晶ができるんは、もっと上...大体3000メートルから6000メートルくらいの高さなんよ!

そこで、水蒸気が直接氷の結晶になる...これを昇華凝結っていうんやけど、それが雪の赤ちゃんやね!でも、まだまだここからが大変なんやで。

はいさん、この高さと温度の条件、なんでこんなピッタリな条件が必要やと思う?

はいぼーる:
難しい質問や!単なる氷やなくて、雪になる条件ってのは結構シビアなんやろか。記憶では、雪の生成には核となるほこりのような物質がいるって聞いたことはあるけどな。

ろーぼーる:
おお!はいさん、ナイスな情報もっとったね!そうなんよ!

実は雪の赤ちゃんができるには、「核」が必要不可欠なんやわ。これ、「氷晶核」って言うんやけど、大気中の小っちゃなチリやホコリが、その役目を果たすんよ。

でもな、どんなチリでもええわけやないんや。氷晶核になれるチリって、めっちゃ珍しいんよ。例えば、大気中に浮かんどる微粒子の中で、氷晶核になれるんは、なんとたった0.01%くらいしかおらへんのや!

しかも、この核があっても、さっき言うたマイナス10度からマイナス20度くらいの温度じゃないと、ちゃんと成長できやんのよ。これより暖かすぎても寒すぎても、キレイな六角形の結晶にはなれへんのや。

はいさん、雪の赤ちゃんが生まれるのって、なんかもう運命的な出会いみたいやと思わへん?めっちゃレアな核と、ピッタリの温度と...まるでドラマやわ!

はいぼーる:
ほえ~、雪ってそんあレアな環境でできるもんなんや!雪の結晶が六角形になるんもなんかで学んだように思うんやけど、どうやって、雪の結晶が形成されるか、教えてろーちゃん!

ろーぼーる:
おお~!雪の結晶の形って、どえりゃあ面白い話なんやで!

水分子っちゅうのは、もともと120度の角度で結合する性質があるんよ。これが氷になると、六角形の骨格ができるんや。でもこれはまだ雪の赤ちゃんやね。

そっから、周りの水蒸気を取り込みながら、だんだん大きくなっていくんやけど、ここからが面白いんよ!

温度と湿度の組み合わせで、結晶の成長の仕方が全然違うんや。例えば、マイナス15度で湿度が高いと、あの有名な「きれいな六角形の雪」になるんやけど、マイナス2度くらいやと「針状の結晶」になったり...

あ、はいさん、雪の結晶の形を決める温度と湿度の関係を「中谷ダイアグラム」っていうんやけど、これ、日本人の中谷宇吉郎先生が研究して見つけはったんよ!世界中で使われとる超有名な研究なんや!

面白いよね?たった一つの雪の結晶も、生まれる場所の温度と湿度で、全然違う形になるんやで!

はいぼーる:
ちょっと待った!120度で形成すると三角形やん。なんで六角形に見えるか説明してくれんと次へ進めんで。

ろーぼーる:
あちゃ~!ごめんな!アタシの説明が足らんかったわ!
そうやね、もっと詳しく説明させて!

水分子(H2O)の場合、酸素原子を中心に2つの水素原子が約104.5度の角度で結合しとるんやけど(これが正確な角度やわ、アタシ、さっき間違えてもうた!)、氷になるとき、水分子同士が水素結合でつながるんよ。

この水素結合が、水分子を六角形のパターンで並ばせるんや。なんでかっていうと、一つの酸素原子が周りの4つの水分子と水素結合できる特徴があって、これが立体的に組み合わさると、自然と六角形の構造になるんよ!

はいさん、こんな感じで、もう一回説明させてもろて、ええかな?この水分子の特殊な結合の仕方があるからこそ、雪の結晶は必ず六角形になるんやで!

はいぼーる:
お願いします。

ろーぼーる:
ごめんな!立体的な説明が必要やったね。もう一度、ちゃんと説明させて!

氷の結晶構造って、こんな具合なんや:

  1. まず、水分子(H2O)の中では、酸素原子を中心に2つの水素原子が約104.5度の角度でV字型に結合しとるんよ。

  2. この水分子が氷になるとき、酸素原子は4つの水素原子と水素結合するんやけど、これが立体的な四面体構造を作るんや。つまり、一つの酸素原子の周りに4つの水素原子が、正四面体の頂点みたいな感じで配置されるんよ。

  3. で、この四面体構造が横方向に広がっていくと、自然と六角形の模様ができるんや!上から見ると六角形に見えるっちゅうわけ。

これが雪の結晶が六角形になる基本的な理由なんやけど...はいさん、もうちょい詳しく説明した方がええかな?

はいぼーる:
これは、文章で伝わるやろか。H2Oが結晶化する場合のOの配置が立体的にどう連なっていくかを二次元で見るとどう見えるか、みたいな話のような気がするんやけど、説明できるかな。

ろーぼーる:
水分子の酸素原子が、四面体の中心にあって、周りの水分子と水素結合でつながっとるんよ。これを真上から見ると、自然と六角形の形になるんや!この基本構造が、雪の結晶の六角形の正体なんやで。どうや?これなら分かりやすいかな?

はいぼーる:
文章だけやと、ちょっと伝わらんかもしれへんね。そやけど、二等辺三角形の連なりをある視点からみると六角形に見えるちゅうのは、想像してもらうしかないわ。僕の疑問はな、雪の結晶を、虫メガネで見ると六角形なんやけど、これは平面としての六角形なのか、どの角度から見ても六角形に見える立体構造なのか、どっちなんか知りたいんや。

ろーぼーる:
あ~!めっちゃええ質問やわ!

実はね、雪の結晶って、基本的に平面的な構造なんやで!薄っぺらい六角形の板みたいなもんやね。これは、結晶が成長するとき、横方向(平面方向)に優先的に成長していくからなんよ。

ただし、気温と湿度の条件によって、ちょっと立体的になることもあるんや。例えば、「樹枝状結晶」っていう、六角形の板から枝みたいなんが伸びてる形とか、「角柱結晶」っていう、六角形の筒みたいな形もあるんやけど、これらも基本は六角形の平面構造から派生したもんなんや。

つまりね、雪の結晶を横から見ると、ほとんどの場合はめっちゃ薄い板に見えるんやで!上から見た時に見える六角形が、雪の結晶の本当の形なんよ。

はいさん、こう考えると、雪の結晶ってますます不思議やと思わへん?あんな薄っぺらい六角形の結晶が、空から舞い降りてくるなんて!

はいぼーる:
いや、平面に近い構造やってことがわかると、なんで、雪がひらひら舞い降りるのかが、わかったわ。

ろーぼーる:
おお~!はいさん、ナイスな気づきやね!

そうなんよ!雪の結晶が平面的な六角形やからこそ、空気抵抗を受けて、ひらひらと舞い降りてくるんやわ!まるで木の葉っぱが落ちてくるみたいやろ?

実はこの「ひらひら」が、雪が地上まで無事にたどり着ける重要なポイントなんよ。だって、まっすぐ落ちてくるより、ひらひら舞いながらゆっくり降りてくる方が、途中で溶けにくいんや!

これって、雪の結晶にとっては、地上までの長~いサバイバルの旅を生き抜くための、めっちゃ賢い戦略やと思わへん?自然ってほんまにすごいわ!

はいぼーる:
地上数キロ上空で生成した、平面的な六角形構造の雪が、どうやって地上にまで辿りつくのか、地上到達までのロマンの旅を教えて、ろーちゃん。

ろーぼーる:
おお~!ここからが雪の結晶の運命を懸けた冒険やで!

上空で生まれた雪の結晶は、マイナス10度くらいの寒い場所から、地上に向かって降り始めるんやけど、ここからが大変なんよ。

まずは、さっき話した通り、六角形の平たい形を活かして、ひらひらと落ちていくんやけど、途中の空気の層によって、いろんな試練が待っとるんや:

  1. 暖かい層に出会うと...溶け始めるかもしれん!

  2. 乾燥した層に出会うと...蒸発して小さくなっちゃうかも!

  3. 逆に湿度が高い層やと...他の結晶とくっついて、でっかいボタン雪になることも!

特に難しいんが、地上近くの暖かい空気との戦いなんやわ。雪として地上に届くには、地上付近の気温が大体2度以下やないとアカンのや。

はいさん、朝方の岐阜で雪が積もったんは、地上まで寒い空気が残っとったからなんやね!もし途中で暖かい層があったら、雨になって降ってきてたかもしれんかったわ!

はいぼーる:
昨日の岐阜市の朝8時の気温は-1℃やったで。

ろーぼーる:
へぇ~!マイナス1度やったんや!これは雪が降るのに、どえりゃあええ条件やったわね!

実はな、気温と雪の形って密接な関係があるんよ。地上近くの気温がマイナス1度くらいやと、雪の結晶は途中で少し溶け始めて、結晶同士がくっつきやすくなるんや。

そうすると、あの「ボタン雪」って呼ばれる、ふわふわした大きな雪になりやすいんよ。朝方の岐阜市で降ってた雪は、もしかしたらボタン雪やったんちゃう?

でも、気温がもうちょい低かったら、今度は粉雪みたいなサラサラした雪になるんや。これは結晶があんまり溶けんと、きれいな形のまま降ってくるからなんよ。

はいさん、今朝降ってた雪って、どんな感じの雪やった?ボタン雪?それとも粉雪?

はいぼーる:
ちょうど、粉雪とボタン雪の中間の雪やったわ。溶けそうやけど、どんどん降ってくるから積もっていった感じやったわ。うちの家庭菜園の畑は、真っ白になったで。

ろーぼーる:
おお~!そうやったんや!それって、雪の結晶からすると、ギリギリのサバイバルやったんやね!

地上付近の気温がマイナス1度やと、雪の結晶は「このまま雪として積もれるか、それとも溶けて消えてしまうか」っていう微妙な境目なんよ。

でもな、雪がどんどん降ってくると、面白いことが起きるんや。雪が積もることで、地面の温度も下がっていくんよ。そうすると、後から降ってくる雪は、どんどん積もりやすくなるんや!

はいさんとこの家庭菜園が真っ白になったんも、最初に降った雪が「先陣を切って」地面を冷やして、後の雪のために道を作ってくれたようなもんやね!

雪の結晶たちの協力プレーみたいなもんやわ!「一緒に頑張れば、もっと仲間が地上に届けるで!」っていう感じやね!

はいぼーる:
雪の生き残りサバイバル!先陣が地表の温度を下げて、第2陣が表層を確保、それ以降の襲来で地表を雪で覆っていくっていう、連続攻撃やったんか!?

ろーぼーる:
うっしゃ~!その通りや!完璧な例えやわ!

まさに雪の結晶たちの総力戦なんよ!第一陣が「特攻部隊」みたいな感じで地面を冷やして、その後に続く仲間のために環境を整えていくんや!

具体的には、こんな作戦なんよ:

  • 第一陣:多くは溶けてしまうけど、その時の気化熱で地面を冷やす

  • 第二陣:冷えた地面に着地して、薄い雪の層を作る

  • 第三陣以降:どんどん積もって、雪の断熱層を作っていく

この断熱層ができると、今度は地面の熱が上に伝わりにくくなるから、さらに雪が積もりやすくなるんや!

はいさん、まさに今朝の岐阜の雪は、雪の結晶たちの「組織的な作戦」やったんやね!自然界の中でも、なかなかの戦術家やと思わへん?

はいぼーる:
なんと、ぎりぎりの条件で雪が地表を覆うには、こんな雪部隊の連続作戦があったってことなんやな。人間は雪積もったら面倒多いからいややなって思っとたが、雪からしたら地表制圧作戦を粛々と実行しとったんやな。

ろーぼーる:
そうやで!人間からしたら「やれやれ、また雪か...」って感じやけど、雪の結晶たちからしたら、何千メートルもの空の旅を経て、最後の最後で見事に作戦成功!っちゅう感動的な物語なんやわ!

今日の「でらサイエンス」では、雪の結晶の知られざるサバイバルを追いかけてきたね。高い空で生まれた雪は、氷晶核との出会いから始まって、六角形の結晶に成長して、そして仲間と協力しながら地上を目指す...

まさに壮大なドラマやったね!

次回の「でらサイエンス」では、冬の気象現象の中でも特に不思議な「霜」の話をしたいと思うんやけど、はいさんどう?霜って、雪と同じ氷の結晶やのに、なんで葉っぱの上にピーンと針みたいに立つんやろ?これまた不思議な物語になりそうやで!

それでは今夜の「でらサイエンス」はこれでおしまい!最後まで聴いてくれてありがとね~!また来週!

(放送日:2025年1月10日)


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