地域チャンピオンズリーグ3日目の憂鬱。そんな絶望感の中に見出した希望とちょっとだけ明るい兆しに触れてみた、というお話
地域CLを3日連続で見たのっておそらく初かもしれないです。土曜しか無理とか、日曜だけとか、土日見れても金曜が無理とか…。昔は「プロサポーター」やってたので(笑)この時期はどうしてもう無理な日が必ずありました。足を洗ってから(笑)は、逆に意図的に1日しか見に行かないことの方がほとんどです。それこそ大学リーグ佳境のタイミングなので、そっち優先になると必然的に1日見ればOKという感覚です。
とはいえ、3日目だけというのはもう何年もやってないです。というのも、3日目はいろんなものがその瞬間決まってしまうという、喜怒哀楽のジェットコースターのようなことが目の前で起こり、当事者でなくてもその現場に立ち会うのは精神的にもしんどいので、あえて3日目は避けてました。
なぜそう思うようになったのかというと、以前予選ラウンドの最終日だけを見に行ったときのこと。1試合目の結果から2試合目はどちらかが90分で勝たないと共に敗退が決まる、しかも当時は今のようにドローではなく、90分で決着がつかない場合はPK戦で勝敗を決していたのです。そんな2試合目。結局90分で決着が付かずPK戦に突入。しかし、勝とうが負けようが予選敗退が決まっているPK戦です。どちらも決めようが外そうがただただ淡々とPK戦をこなす。そんな悪夢のような光景を目にしてからは「3日目は見に行きたくない」と思うようになりました。久しぶりに3日目だけを見た一昨年の西が丘での決勝ラウンドも、終わった後の徒労感と憔悴感は半端なかったです。とにかく、地域CLの3日目というのはやる側にとってもですが、見る側に非常に地獄なんです。
また、それとは別に決勝ラウンドが金土日の3連戦から、水金日の1日おきでの開催になったことで、以前は決勝ラウンドの2日目に全国各地からこのカテゴリーを見ている強者たちが集まって、いろいろな情報交換や交流を深めていたのですが、今の方式になってからはそういうのも無くなってしまい、わざわざ決勝ラウンドまで見に行く必要がなくなりました。ということで、私の最近の地域チャンピオンズリーグの行動パターンは「予選ラウンドは見たい試合を見に行く、但し3日目を除く。決勝ラウンドは見に行かない」ということになっていきました。
しかし今回、彦根会場の金土の2日間になぜか、今まで決勝ラウンドの土曜日にわらわらと集ってきていたような全国各地の強者が多数来られたので、さすがに写真撮ってる場合じゃない!ということになり、今回の彦根での写真はほぼありません。先にご了承いただきます。まあ、そういう交流の場がなくなったから、足が遠のいたということもあるんで楽しかったですけどね(笑)
ということで、そんな地域チャンピオンズリーグについてのお話をしてみたいと思います。
11/10@平和堂HATOスタジアム アルテリーヴォ和歌山 0-0 福井ユナイテッド、ジョイフル本田つくばFC 3-2 B TOP北海道
11/11@平和堂HATOスタジアム アルテリーヴォ和歌山 0-0 ジョイフル本田つくばFC、福井ユナイテッド 2-1 B TOP北海道
滋賀県に頻繁に通っていた身分ではありましたが、彦根には縁のない人生でした。そんな平穏な人生が、一転して彦根に通う、いや彦根(正確には米原)に泊まることになるとは全くの予想外でしたね(笑)
まあ、本当は泊まらなくても神戸の田舎から滋賀の東の果ての田舎までだと軽く2時間半で通えるのですが、3連戦を考えると泊まるという選択肢になりました。しかしそれを考えると、よくもまあ東京の人が鹿島まで通う…(あっ)、あっ、そうか。鹿島には泊まる…(あっ…)
そんなことで、家出たのが6時過ぎ。現場に着いたのが9時20分くらい。飛行機乗れば沖縄行けそうな感じですね、まあ費用は割引でも5〜6倍は掛かりますけど…(笑)しかも当日は雨。まあ、どこまでも憂鬱な気分ですよね…。
彦根駅から歩くこと約15分くらい。まだ出来立てのほやほやなので周辺の整備が終わってなく、駐車場の工事を雨の中やってました。その割には「完全週休2日」とホワイト感をアピールしてましたね。雨の中の工事の方が危険だと思うのは私だけでしょうかね?(汗)で、スタジアムの入り口がこちら。
今までいろんなところに行きましたが、まさか一般道路の歩道橋から直接入るスタジアムに来たのは初めてですね。
通路から真っ直ぐ歩くと、その先にスタジアムのゴール裏に直接繋がるという、かつてあったようでなかったと思う斬新な造り!いや〜、なかなか面白いものを見せてもらいましたよ。
そう、このロケーション。どこかで見たことあるような…。あっこの造り、宮城スタジアムに似てる!そういや、宮城スタジアムも両ゴール裏にデカい階段があって、そこから入る構造だったような記憶があるのです。明日以降の入口は、そんなデカい階段から入ってね!ということらしいので、ここはまさに宮城スタジアムです。そうか、ここも宮城会場だったのか…(違います)。
とりあえず中に入るとこんな感じ。まあ、メインスタンドはそんなに問題かなと。強いて言えば、前方座席は雨でずぶ濡れになるということ。まあ、それは仕方ないのかもね…
ということで、雨の中での試合となった初日。
第一試合はアルテリーヴォ和歌山vs福井ユナイテッド。関西会場だからといって必ずしも「和歌山がホーム」かというとそういうことでもなく、実際は距離的に圧倒的に近い福井のホームでしたね。特に土曜日はその雰囲気がより強調されてました。
立ち上がりは福井のペースでしたが、和歌山がカウンターでPKを獲得。関が蹴るのですが、シビアに狙いすぎて枠をはずしてしまいます。結果的にはこのPKがこの3日間、尾を引きずったのかな?と思います。逆に決まっていれば、全く結果は変わっていたと思います。それくらい決定的なシーンでした。
その後は和歌山ペースになるも前半は0-0で終了。雨も止んだ後半は一進一退の攻防が続くも、共にゴールは奪えずそのままスコアレスドローで終了。どちらも「この時点では」まずまずの入りでした。
第二試合は全社勝ち上がりのジョイフル本田つくばFCvsB TOP北海道。後半は雨の止んだ第一試合とは違い、雨の勢いが強くなったこの試合。全社からの勢いからか、ジョイフル本田が序盤から攻勢な展開。11分に青木のゴールで先制すると、35分にはPKで追加点。前半の内容から、後半もジョイフル本田が得点を重ねて圧勝するかと思われました。しかし後半開き直ったのか、B TOPが反撃に出ます。それに対してジョイフル本田は守備を固める戦術に出ますが、それが裏目に出ます。67分に逆にPKを与えると、86分に同点に追いつかれます。しかも、その5分前には右サイドバックの山崎が2枚目のイエローで退場。B TOPが一気に逆転するかと思われたAT、B TOPのキーパーのクリアボールが味方に当たり、それを拾った恩塚が無人のゴールにシュート。それが決まってジョイフル本田が劇的な勝利。逆にB TOPはダメージの大きい負け方で初日が終わりました。
土曜日は昨日とは一転して快晴。やや寒いものの、気持ちのいい天候となりました。
この日は泊まっていた米原から彦根に向かいました。JRを使えばいいところをあえて近江鉄道を使って彦根まで。「近(江)鉄(道)電車はボロ電車〜」と言いたかったのですが、意外と新しい車両だったので残念(笑)そしてお約束のように「彦根までならJRさんの方が安いですが、ウチでよろしいですか?」と尋ねる米原駅の駅員さん。いや、そのためにわざわざここに来てるんですよ!などと思いながら改札を通って彦根に向かったのでした(笑)
天気がいいとこんな感じになるんですね。これは気持ちがいいかも。脇の大階段を上がるのではなく、今日もここから入ってみました(笑)その方がテンション上がるでしょ?惜しむべくは、ホームのゴール裏からの写真を撮ってなかったこと。晴れると綺麗に彦根城が見えて気持ちがいいですよ、下2/3は芝生席なのでピクニックにはもってこいですね。
バックスタンドですが、こんな造りになってます。てか、屋根があるのに雨が降ると意味をなさない、どこかの欠陥ドームのような造り(笑)しかたないか、滋賀って西武…(あっ)
ということで、2日目の試合です。
昨日スコアレスドローだったアルテリーヴォ和歌山とATに劇的な勝利を収めたジョイフル本田つくばFC。前半は共にチャンスを作りながらもしっかりと守り抜く展開。その中でも和歌山の方がやや決定機は作り出せていたかな?レベルの差で前半終了。後半はさらに和歌山が押す時間が長く、ゴールが決まるのも時間の問題かと思われましたが、ジョイフル本田のキーパー阿久津を中心にDFが本当によく守り抜きました。そのままどちらもゴールを奪うことができずに終了。アルテリーヴォ和歌山は2戦連続のスコアレスドローという、1位抜けはおろか、2位最上位抜けも厳しい流れになりました。対するジョイフル本田つくばFCは、2戦目を負けなかったことで、この後の結果次第では1位抜けが見えてきた、そんな結果となりました。
第二試合、昨日引き分けた福井ユナイテッドと負けたB TOP北海道。特にB TOPは今日勝たないと予選突破が難しくなる試合。序盤からB TOPがギアを上げて攻撃に出ます。しかし福井も昨日も活躍したキーパー杉本を筆頭に、ガッチリと守備を固めて攻撃を凌ぎます。福井も積極的に攻めますが、昨日とキーパーを変えたB TOPもキーパー畠山を中心にしっかりと守り抜きます。そのまま前半を終えます。と言いたいところですが、前半終了間際にB TOPのキーパー畠山と福井の選手が接触。そのまま畠山が負傷交代することになってしまいました。これが後半響いてきます。後半立ち上がりの49分に、再三跳ね返されてきたB TOPのDFを打ち砕いて先制。さらに71分にもCKから追加点。得失点差からこのまま逃げ切りたいところでしたが、B TOPも意地を見せて終了間際の89分に1点返します。ジョイフル本田つくばFCが前日3点取っているので、得失点差で並ぶと総得点で下回る福井ユナイテッドとしては、残りわずかな時間であと1点は取りたかったところですが及ばず。B TOP北海道は他のグループとの兼ね合いで、この時点で決勝ラウンド進出がなくなり、福井ユナイテッドは勝つには勝ったが、明日の試合に勝つしかなくなってしまいました。この1点が、このグループの明暗を分けることになるのです。
というのが、ざっと2日間のダイジェストです。とりあえず初見の2チームの雑感をザッと…
B TOP北海道ですが守備はそんなに良くないが、攻撃力はあるなという印象。関西だとBASARAか守山侍のようなチームでしたね。単独での攻撃というより、誰か攻めたらその後を追っていくというある程度の組織的なプレーが見られたので、どちらかというと守山侍のような感じでした。惜しむべくはキーパー。初戦のリュウ・ヌグラハで3失点、2戦目の前半は畠山で無失点だったのに負傷交代。あのまま畠山が出続けて、この試合も最小失点で引き分けることができたなら、最終日にワンチャンあったと思うので、この大会はホントに怖い大会だなと改めて思いました。と同時に、来年は北海道十勝スカイアースも黙ってないでしょうから「もう北海道がアンパイ」なんて時代は完全に終わったと言ってもいいでしょうね。
福井ユナイテッドに話を移します。昨年志布志の全社で見たときは本当に酷い内容で「この内容で監督留任って、そんなに監督のなり手がいないの?」と思ったのですが、この大会で見てその選択はそう間違いではなかったのかな?と感じました。よく立て直したなと。藤吉監督の、というか読売クラブ出身者の底深さを改めて感じました(笑)。でも、リーグ戦ならあの戦い方でも問題ないのですが、この大会のような短期決戦、トーナメントのような大会で勝ち上がるのには、やや苦しいかなという印象でした。結論から言うと、最終的に勝ち上がったのはジョイフル本田つくばFC。戦い方がシンプルでかつ、スタミナもセーブできるサッカーを実践したチームがこの「死のグループ」を勝ち抜けました。来年はリーグでの戦い方とトーナメントの戦い方の2パターン必要だということを今年の結果から認識出来たのであれば、来年の福井は本当に怖いと思います。そして惜しむべくは、このチームが今年全社に出られなかったこと。そこで得られる経験を積み上げられなかったことが、今回の予選敗退の要因の一つかもしれません。やっぱり、全社の「負け抜け」はあまりいい方に転ばないのかもしれませんね…
最終日ですが、大量得点で勝つしかなくなったアルテリーヴォ和歌山を嘲笑うかのように、予選敗退の決まったB TOP北海道が一度は追いつかれると突き放し、終わってみれば4-1の大勝、3位でフィニッシュ。一方のアルテリーヴォ和歌山は無念の最下位での敗退となりました。第二試合、引き分けなら勝ち抜けのジョイフル本田つくばFCが前半のうちに先制。福井ユナイテッドも後半ATに追いつくも勝ち越せず、最後は総得点で上回ったジョイフル本田つくばFCが決勝ラウンド進出。最終的には昨日の失点が重くのしかかった結果となりました。これだから、この大会の3日目は怖いんですよ…
11/12@ひなた宮崎総合運動公園ひなた陸上競技場 ヴェロスクロノス都農 1-2 FC徳島、VONDS市原 0-1 栃木シティFC
彦根から一旦自宅に帰り、翌日曜日は早朝から伊丹空港へ。冒頭にも書いたように、予選決勝問わず3日目は見に行かない(見に行きたくない)と言っていたのに、今回はどうしても行かないといけない事情があったので、やむなく行くことになりました。
ただ、組み合わせが決まらないとどこに行くかが確定しないため、どの会場であっても確実に日曜日中に帰ってこれるかどうかを事前にシミュレーションしたうえでの決断でした。
一番いいのは滋賀の彦根ですが、それ以外の宮城の利府、宮崎のどちらでも当日中に行って帰って来れることを確認。費用の問題はある程度目を瞑ることでなんとか行ける目処が立ちました。そのうえでの宮崎行き。しかし、実は宮崎はこの週大変なことになっていたのです。というのも、地域CLの会場と同じ敷地内で読売ジャイアンツが秋季キャンプを張っており、さらに同じ宮崎市内の清武総合運動公園で侍ジャパンのキャンプが行われています。さらにこの時期、ゴルフのツアーがいくつも宮崎で開催されているらしく、野球のキャンプ客以外にも多くの人が日曜の昼以降に宮崎から帰路に立つことになりそうです。だからか〜、帰りのチケットがなかなかなかったのは…汗
それでも帰りの宮崎伊丹便の日曜最終便が1席だけ残ってました、正規料金で。当初、有効期限ギリギリの株主優待を使う予定でしたがすでに満席。ただ、17:05宮崎発福岡便ならまだ株優も空いている。しかしこちらも、福岡から乗り継ぎの伊丹便はすでに満席。福岡経由なら新幹線を使って帰るしかないという、ちょっとめんどくさい展開。しかし、費用的には福岡経由の方が3000円ほど安く上がるし、それに加えて伊丹からのバス代を入れると5000円近くは安くなる。時間的にも帰る時間はそんなに変わらないとなると、福岡経由の方が断然いい、ということで行きは伊丹の始発をマイル、帰りは株優福岡経由新幹線で帰宅という行程になりました。この選択がのちにいろいろと効いてくるので、頭の片隅に留めておいてください。
朝7:05発の宮崎便。伊丹のバスラウンジからの搭乗なのですが、なんと同じ搭乗口の次の便は仙台(笑)どっちでも結局はここからだったのか!という、よく分かんない敗北感を味わいながら搭乗。バスラウンジだとJGCの優先搭乗もほぼ意味がないのですが、とりあえずバスの出口に一番近い席に座ってらよく分からない優越感に浸る(笑)
行きにエンブラのE190の15に座っちゃったら、帰りの福岡便のE170の普通座席はやっぱ狭く感じますよね(笑)などと思いながら、多少の遅延はあったものの8時半には宮崎空港に到着。宮崎駅に行けば朝からうどんが食べられるのですが今回は行かないし、ましてや現場までタクシーで15分もあれば着くこともあり、のんびりと空港で朝食。ガッツリとした朝定食と日向夏スカッシュで南国の朝を満喫しました(笑)
帰りは時間がカツカツなので先に買える土産を買いつつ、追加で買うものの目安を付けたらいざ現場へ。タクシー乗り場からタクシーに乗り込み、宮崎県総合運動公園に。行く途中で帰りのタクシーの予約をお願いしたところ「あ〜、その時間。すでに予約が入ってるんですよ。コロナ明けから皆さん、(タクシーの)台数減ってるの分かってるので、行く時に帰りの予約をされるんですが、すでにその時間は予約が入ってまして〜」と言われてしまいました。タクシーの台数はあるけど、運転する人がいないというのはどこも同じ悩みなんでしょうね。ただ「ここが一番台数が多いので…」と別のタクシー会社さんを紹介していただき、まずは現場へ。ひなた宮崎総合運動公園ひなた陸上競技場って、どんだけ「ひなた」好きやねん!などというツッコミはさておき…(笑)10:45キックオフよりも40分以上早く着きました。順調な入りです(笑)
隣の球場で読売ジャイアンツの秋季キャンプ中とあって、シャトルバスが園内に停まってました。どことどこを行き来するのかは分かりませんが、それだけ人の往来が多いってことですよね。
それにしてもまあ、昨日までの会場と打って変わってボロボロ、いやレトロ感満載の会場でした。選手の控えがグラウンドの端に張ったテントって会場、このレベルでは久々に見ましたね。ここがまだ寒い地域じゃなくて良かったです。
そんなこんなで試合のレポートから。第一試合は連敗してすでに敗退の決まっている両チームの対戦。地元宮崎のヴェロスクロノス都農と一昨年は決勝ラウンドまで進んだFC徳島との対戦です。勝たないといけないというプレッシャーはないものの、どうせなら勝って終わりたいであろう両チーム。1戦目2戦目とほぼメンバーを変えずに臨んだFC徳島に対し、メンバーを大幅に変えたヴェロスクロノス都農。都農の方がとにかく前線からガツガツとプレッシャーを掛ける展開。徳島は後方から丁寧に繋ごうとするところをFWが再三に渡り奪いに掛かり、そのままゴールかというシーンもありましたが、決定力がなく助かったという印象。徳島も丁寧に繋ぎながら都農陣内に攻め入るも、決定的なチャンスまで作れず前半を終えます。
後半に入っても都農が果敢な前プレでチャンスを作ろうとすると55分、上米良がエリア内で徳島DFとの競り合いから奪ったボールを伊能にパス。それを押し込んでヴェロスクロノス都農が先制します。
しかしこの1点で守りに入ったのか、その後は徳島に押し込まれる時間帯が続きますが、その都度なんとか凌いで逃れます。
しかし74分、途中交代で入った秋月に同点ゴールを決められると、82分には本山のミドルで逆転されます。経験の少ない若いヴェロスクロノスの選手たちに、もはや跳ね返すだけのパワーとメンタルもなく、そのまま終了。
地元開催でせめて1勝でもしたかったヴェロスクロノス都農でしたが、結局3連敗。地域CLの怖さを思い知らされたのではないでしょうか。一方のFC徳島は、しっかりと自分たちの形を作った上での逆転勝利は、来年に繋がる大きな1勝となることでしょう。
ヴェロスクロノス都農の話は後でちょっとしますので、とりあえずFC徳島についての雑感を。一昨年の西が丘で見た時の選手がちゃんと育っているな、という印象でした。同点ゴールの秋月や2点共に絡んだ南野は一昨年の新入団選手。しかも秋月は徳山大学(今の周南公立大学)、南野は環太平洋大学と地方の大学出身者。そんな地方出身者でもちゃんとやれるんだというお話は以前にも書いたのですが、それがしっかりと芽を出して育っていることが嬉しかったです。
それともう一つ。FC徳島の執拗なまでに拘ったパスサッカー。そのルーツは間違いなく、監督である須ノ又監督の出身校である神戸科学技術高校のサッカーを受け継いでいて、それにも感激しました。昨年、東京武蔵野ユナイテッドで引退したキーパーの西岡についての手記を書きましたが、彼と同じ高校の先輩がこの須ノ又監督なんです。彼の高校時代に、現在サッカー解説者の永島昭浩以来の全国大会出場を果たし…、と話し出したらあと5000文字は軽くいきそうなのでこのへんでやめておきますが、個人的にはそれくらい思い入れのある選手なのです。その彼が一から作ったこのチーム。それが着実に実を結びつつあることが見て取れたのは、ここまで来て良かったです。四国リーグのレベルはそんなに高くないので、全国とのレベル差に戸惑うこともあるでしょうが、それでもちゃんと戦えることをこの数年で示せたのは大きいでしょう。来年のFC徳島にも注目したいです。
それでは第二試合。共に連勝して9割以上決勝ラウンド進出が決まっている、関東王者のVONDS市原と関東2位、出場権を賭けた全社でも初戦敗退したものの、Jリーグ百年構想クラブという1回しか使えない「特別枠」を使っての出場となった栃木シティFCとの対戦。共に手の内を知り尽くした両チームなだけに、息の詰まるような試合となりました。
前半から圧倒的な攻撃力を誇る栃木シティが市原ゴールを襲いかかります。それを市原のDFが落ち着いて一つ一つ丁寧に跳ね返していくという、どこかある種の伝統芸能を見ているかのような展開が前半通じて展開されます。
後半も栃木が攻める展開でしたが徐々に攻めが雑になり、さらにレフリーの微妙な判定にナーバスになる栃木シティに対し、冷静に淡々とプレーし続ける市原。こうなると試合の流れは断然市原に傾きます。徐々に栃木ゴールに迫るシーンが増えていきます。
栃木も攻めますが市原の守備は堅く、どちらもゴールを奪えません。そのままスコアレスドローで終わると思われた90+1分、市原エリア内で栃木の選手が倒されてPK。それを田中パウロ淳一がきっちり決めて、ようやく栃木が先制点を決めます。市原もまだわずかな時間で追いつこうとしますが、そのままタイムアップ。栃木シティFCが激闘を制して勝利。勝った栃木シティFCが1位突破となり、VONDS市原は2位最上位チームでの決勝ラウンド進出となりました。この試合何が恐ろしいかというと、公式記録ではVONDS市原のシュート数は2、対する栃木シティFCはわずか1。つまり、最後のPKまで1本もシュートを打たせてなかったのです。さすがは市船を何度も全国制覇させている布監督。素晴らしく守備の堅いチームを作り上げましたね。
まずは栃木シティFC。よく勝ち切ったな、というのが第一印象。とはいえ、流れの中で全くシュートが打てなかったという点は大いに反省すべきところでしょう。おそらく全地域リーグ傘下チーム中、最強の火力を誇るはずなので、それを存分に活かせば「理論上」は勝てるはず。しかしそうはいかないのが、この地域チャンピオンズリーグの恐ろしさ。そして、そのことを嫌というほど知っているチームのはずなので、今度こそは失敗しないでしょう。今度こそJFL昇格、いや復帰してもらうことを期待しています。
対するVONDS市原。この日の最大の目当てはここ。というのも、私が以前見ていた佐川滋賀SC出身の清原翔平が現役でプレーしているので、その姿を見るためです。先月も佐賀で見たのですが、その時の様子やその後の動向を見ているとやはり気になったのです。ただ、決勝は行けないことは確定していて、予選も最終日しか行くタイミングがないので、普段は来ることのない3日目の宮崎に来たというのがその理由でした。
78分に交代で出場した清原は、積極的な動きで前線を活気づけます。36歳とは思えない運動量は、5月に見た東京Vの奈良輪雄太同様、いかにも元佐川滋賀だな、と思わされました。試合展開、入った時間帯から何を求められてるのかは明白なので、動きもシンプルでやりやすかったでしょう。そのあたりは名将布啓一郎監督としても使い勝手のいい選手だと思います。
得点を取らないといけない場面で入ってきた攻撃の選手が得点をするって、本当に困難なミッションなのです。ましてや、経験豊富なベテランとなるとベンチの期待も大きく、ものすごいプレッシャーだと思うのです。そんな状況でもあの短い時間の中でこれだけのチャンスを作り出し、あと一歩のところまで辿り着ける清原という選手の存在は、チームにとってとても大きいのでしょう。今回は得点には絡めませんでしたし、試合にも負けてしまいました。しかしまだ、宇都宮での決勝ラウンドがあります。そこでゴールやそれに絡む活躍、最終的には勝利とJFL昇格を果たしてくれればそれでいいのかなと思いながら、宮崎からの帰路に着いたのでした。キヨ、決勝ラウンドでの活躍を仕事をしながら、そしてムサリクで祈っております。
選手が居心地の良いクラブと闘う集団としてのクラブ、その鬩ぎ合いが始まった2023年…
試合のリポートはこれくらいで(これだけでも十分な尺…笑)、ここからは今回の本題に移ります。
激闘のKYUリーグを制して地域チャンピオンズリーグに出場した宮崎のヴェロスクロノス都農。以前はJ.FC MIYAZAKIという名称でした。その前はというと、宮崎産業経営大学FC。前身が大学のサッカー部のサブチームという成り立ちは、先日お話ししたFC延岡AGATAとなんとなく似ていますね。そもそもこのチームが本格的に動き出したのは、元鵬翔高校の監督だった松崎博美先生が中心となって「宮崎のサッカー少年に夢と希望を」を合言葉にJリーグを目指そうと立ち上げたプロジェクトでした。しかしその後、以前JFLに所属していたプロフェソール宮崎のフロントにいた人が、別のチームを立ち上げます。それがテゲバジャーロ宮崎です。後出しジャンケンのようですが実力の世界である以上、先に結果を出したテゲバジャーロ宮崎が宮崎県初のJチームとなり、J.FC MIYAZAKIはその後塵を拝することとなります。そしてテゲバジャーロ宮崎がJクラブになったために、J.FC MIYAZAKIは活動拠点を宮崎市から北に約1時間くらいの都農町に移し、チーム名も今のヴェロスクロノス都農に改めました。いろいろと紆余曲折ありましたが、ようやくチームとしての基盤が出来つつある、といったところでしょうか。
そんなヴェロスクロノス都農。J.FC MIYAZAKI時代からも実際に見るのはこの日が初めて。実際に見て感じたのは、非常にアットホームな雰囲気のあるチームだということでした。というのも会場に着いてスタンドに上がるとすぐ目に飛び込んだのは、ヴェロスクロノス都農のユニフォームを着たおばあちゃん3人組でした。Jならまだしも、そこまで地元に知られている存在とは言えない地域リーグレベルのチームで、そのような光景を見るのはまあほとんどないでしょう。それくらい街に馴染んでいるという証拠ではないでしょうか。
また、他のチームにはない特徴としてはベンチ外の控え選手が、サポーターと一緒にスタンドでコールをしたり声を出したり歌ったりして応援していたこと。最初サポーターだけだったのが、いつのまにかスタンドにいた控え選手も一緒に声を出すというのはたまに見かけますが、試合前からベンチ外の選手がスタンドの最前列に並んで、しかも選手のコールを扇動したりチャントを歌って盛り上げたりしていました。そういうことが出来るくらい、選手とサポーター、観客との距離感が近いのでしょう。こういうチームを今までに見たことないので、ちょっと驚きました。
さらにはスタンドに小さい子供を連れた、おそらく選手の家族であろう姿を多く見かけました。しかも奥さんとお子さんが1人とかではなく、3人4人と連れて見に来ている奥さんも何人か見かけました。地域リーグのプレイヤーといえば、生活基盤が不安定かつ収入もそう多くはないであろう立場のはずですが、複数のお子さんのいる選手が何人かいるのだと思われます。そのことを踏まえて改めてメンバーをじっくり見ていくと、30歳の佐藤和樹や朴昇利といったというJクラブを転々と渡り歩いた中堅クラスの選手に加えて、曽我部慶太の35歳や谷口堅三の34歳といった、そのさらに上をいくベテランの名前も見られます。おそらく、そういう中堅ベテランクラスの選手が家族を連れて宮崎に移り住んでいるのではないかと思われます。
たしかに宮崎は自然も多く食べ物も豊富で、子育てという面ではとても良い土地だと思います。しかも都会の宮崎市内ではなく、チームがあるのはもっと自然が豊富で農業が盛んな都農町。そんな恵まれた環境の中で子供を育てたいという人も多いでしょう。そんな環境の良さもベテランが多く、さらに長く(特に曽我部や谷口は今年4年目)在籍するという要因なのかもしれません。
そうしたことから、このヴェロスクロノス都農というチームは他のクラブよりもよりアットホームで居心地のいいチームなのかもしれません。
でもその反面、若い選手に目をやると別の側面も見えてきます。Jクラブからのレンタル移籍や契約満了となった選手が多く、しかもその多くはユース昇格組です。アンダーの年代別の代表メンバーや候補になったことのある選手も何人かいました。彼らにとって、このヴェロスクロノス都農というチームはあくまでも再びJ1に戻るためのステップアップの場でしかなく、ここで活躍しないと将来がないという崖っぷちにいる子たちです。この試合のメンバーは過去2戦でベンチにいた、そんな境遇の子たちが多くスタメンで起用され、彼らは自ら生き残るため、自分自身のアピールの場として、そんなサバイバルな心境でこの試合に臨んでいるようでした。ある選手は気持ちが早って空回りをしたり、またチームとしてあまり機能しなかったりといろいろありましたが、みんながみんな必死にもがいている様子は、スタンドから見ていても伝わりました。ゴールを決める、得点に繋がる活躍をする、守備でアピールする、その一つ一つが来年に繋がる。そう信じて90分間戦い続けていました。結果は逆転負けに終わりましたが…
そんな彼らにとってヴェロスクロノス都農というチームの、このアットホームで居心地の良さげな雰囲気はもしかしたら不要なのかもしれません。そこで甘えてしまうことで、サッカー選手としての寿命が絶たれてしまう可能性だってあるからです。若いといっても彼らにはもうそんなに残された時間はないのです。そんな彼らにとって、地元開催での3連敗はとてもとても重たいものだったでしょう。絶望感すら覚えたことでしょう。そして、それとは裏腹に試合後の周囲の人たちの温かい、アットホームな雰囲気に押し潰されてしまうかもしれません。この結果が彼らにとって重荷になるのか、それとも糧になるのかは分かりません。いずれにしても、この現実を受け止めるしかなく、それを活かさないと未来はないのです。それを促す存在が、家族を連れて移住してきたベテラン選手の役目ではないでしょうか。アットホームな環境が選手の成長を妨げるとは思いたくないです。この環境から成長して再びJの舞台に返り咲く彼らの姿を見たいと思うのです。
チームの方針として「育成型クラブ」を標榜するヴェロスクロノス都農。彼らの1人でも多くが、それに相応しい形で成長した姿をここで、もしくは他のクラブで見せて欲しいと思うのです。
地域との繋がりを重視するクラブとJリーグを目指し勝つためのクラブ。どちらをチョイスすべきなのか?
さらにアットホームで選手にとって居心地の良いチームが、チームにとってもプラスなのか?という問題もあります。特にヴェロスクロノス都農はJリーグ昇格を標榜しているチームなだけに、そのアットホームな雰囲気が故に「一生懸命やって勝てなかったのだから、まあ仕方ないよね」と周りから言われてしまうと、チームとして高みを目指すだけのビジョンやモチベーションを保ち続けられるのだろうか、と思うのです。特に今回のような地元開催だと、実際に現場でそのプレーを見て「一生懸命やったんだから…」と声をかける人たちも多くなるでしょう。その言葉は、本当に見てるかどうかわからない人たちからよりもずっと重みがあります。その言葉の一つ一つがチームにとってプラスになればいいのですが、それがかえって甘えになってしまう可能性もあります。そうした雰囲気を醸し出してしまうようであれば、アットホームで居心地の良い環境というのはチームの成長にとって明らかにマイナスに作用します。
しかしここで、私が過去にお話ししたことについて改めて振り返ってみたいと思います。昨年、JFLから奈良クラブとFC大阪が新たにJリーグに参入しました。これにより、Jリーグが当初から打ち出していた「Jクラブ60チーム枠」が全て埋まりました。つまり今年から「Jリーグに新たに参入するクラブの数=Jリーグから JFLに降格する(Jリーグから退会する)クラブの数」ということになります。とうとう「Jリーグゼロサムゲーム」が始まったのです。
そんな時代にJリーグ「だけ」をチームの存在価値としてしまうと、Jリーグから降格した途端にチームの存在意義を問われることとなり、チームの存続にも関わってくることと思われます。そんな「後発Jリーグ参入クラブ冬の時代」を乗り切るには、Jリーグという価値観に囚われないクラブ作りが求められます。それには何よりも、地元に愛される、地元に必要とされる、地元密着の、そして地元の人たちとの距離感の近いチーム、という別の価値観が必要となるでしょう。「近所のお兄ちゃんがサッカーしてる」「サッカーを教えてもらってるコーチ(先生)を見に行く」「いつも元気に挨拶してくれる孫みたいな選手たちを応援をしに行く」そんな気持ちから、地元にあるチームを愛でよう、チームがあることで日頃の生活に新たな楽しみが増えた、あのチームの存在があるから頑張ろれる、そんな住民みんなから愛されるチームになることが大事です。これからは、そういうクラブ作りが求められるのではないかと思うのです。そしてそういうチームがJリーグに参入することが、新たな付加価値として受け入れられるようになれば、そこに「チームの存在が第一で、Jリーグはあくまでもおまけ」という新たな価値観が生まれます。それこそがこれからサッカークラブが生き残っていくための術ではないかと、そう考えるのです。
J3クラブへの警鐘とその方向性について
これは何も、JFL以下地域リーグからJリーグを目指すクラブだけの話ではありません。むしろ、現在Jに所属しているクラブ、特にJ3のクラブにとっても重要な問題となるでしょう。現在J3の中位以下に位置しているチームの存在意義が「Jリーグクラブだから」というものであったとしたら、今後は極めて厳しい立場に追いやられることでしょう。なぜならそれらの位置にいるクラブは近い将来「Jクラブではなくなる」可能性が極めて高いからです。そのことに以前から危機感を抱いているクラブは、Jリーグ以外の価値観をどうにかして生み出そうとあの手この手を使っています。例えば福島ユナイテッドやヴァンラーレ八戸のように、選手たちが地元の農家を訪れて一緒に農作業をして採れた野菜や果物を販売するなどの活動を行ったりしています。サッカーだけでの繋がりではどうしても限定的になるので、このような地元の産業とリンクした活動を行うことで、より地元との繋がりを深めていくことかでき、そうした地元との関係性を強めていくことがこれからは重要となるでしょう。
逆に今はJ1だとしても、サッカー以外でのそういう地域との繋がりが薄いクラブは、成績が悪くなると途端にみんなの関心が薄れていって、いつかはチーム自体が忘れ去られていくかもしれません。そうならないためにも、特にフロントは地元の財界(商工会議所とか地域の産業界)とのつながりを密にし、連携を図っていく必要があるでしょう。
その観点で言えば、ヴェロスクロノス都農は選手が地域おこし協力隊となって、住民と一緒に地域のいろんな問題やその他のあらゆることに取り組んでいます。そういう地道な活動のおかげでチームも選手も地元の人たちにも愛され、そしてプレーする選手も夫婦、子供と一緒に安心して移住、定住できるような包容力のある、真の意味での「地元密着型クラブ」と言えるのかもしれません。
宮崎県児湯郡都農町という、人口約1万人くらいの小さな町だからこそ出来るスタイルかもしれません。でもヴェロスクロノス都農は確実に地域に受け入れられ、着実に地域に必要な存在となりつつあります。このクラブにとって今や、もはやJリーグとはおまけのようなものなのかもしれません。まずはチームがそこにあり、その選手たちが地域に溶け込み、そしてごくたま〜にJリーグという「おまけ」がついてくる(笑)。これってドイツの4部リーグとかイングランドの3部リーグとかっぽくないですか?そういうクラブがあちこちに出来て、それぞれがしっかりと成り立っていく社会こそが、Jリーグ百年構想の理想だったのではないでしょうか。そうした近未来的なクラブの在り方を、ヴェロスクロノス都農に見たような気がします。
最初はJリーグと言っていたものの、後から出来たテゲバジャーロ宮崎に先を越されてしまう。それによりチームとしての差別化を余儀なくされたことで、かえってチームの軸足をしっかり据えることが出来た。今は二番手の「負け組」かもしれませんが、そのうち「勝ち組」に変わる日が来るのではないでしょうか。
地域チャンピオンズリーグの3日目ということで、どこか憂鬱な面持ちで向かった宮崎でしたが、帰る頃にはどこか清々しい気持ちになったことを最後に記しておきます。
おまけ
第二試合終了後、VONDS市原の清原と少しだけ話をしました。スタンドから声を掛けたら笑顔で手を振ってくれました。先月の全社とこの日の試合。両方を比較して「こうだったよ」と伝えようと思ったのですが、時間の関係で途中までしか伝えられませんでした。でも…、おそらく「あそこまて」伝えられたら、私が伝えたかったことはおそらくちゃんと伝わっただろうと。キヨは全社の時「まだまだ未熟です」と言っていたが大丈夫、あの時よりもちゃんとチームは成長してます。きっと次は大丈夫。勝てるはず。同じ日、同じように運命の試合を闘うこととなる奈良輪と共に、笑顔で終われるように願っています。
などと、そんな感情に浸っている場合ではないのです。帰らないといけないのです。事前にタクシーを呼んでいればそれほど全然問題なかったのかもしれませんが、試合の合間に朝のタクシー運転手に聞いた番号に電話したところ、時間指定の配車は今はやってないとのことでした。試合後電話をしたところですぐに来るとは限らないし、ちょっとでも遅れると今回は本当に帰れなくなってしまうので、最寄りのJRの駅までダッシュすることに。しかも1.5kmほどある道をわずか10分ちょっとで行かないといけないのです。しかも疲労からか、走っていても思ったほど足が前に進まない。「本当に間に合うの?今回はマジ、無理かも…」と思いつつ必死に走ること約10分。駅近くの踏切が鳴るのを尻目に見て、さらに焦りながらも発車2分前のギリギリのところでなんとか駅のホームに到着。と、ほぼ同時に列車が駅に到着。なんとか間に合いました、ふ〜…。
これに乗れば大丈夫、帰れる。宮崎空港に着いてお土産もそこそこにセキュリティゲートを通過。さて、いざ福岡へ!と思ったら、まさかの使用機到着遅れ…。しかもまだ、どれくらい遅延なのかも分からない状況。しかたない、こういう時は…、とりあえずラウンジだ!(笑)。ということでJAL、ANA共用のラウンジへ。こういう時はラウンジで情報集め、とばかりに中にいたアテンドさんに聞いてみても「申し訳ありません。こちらにもまだ出てないですね〜」とのこと。マジかっ!ひょっとしてこれは長期戦か?と、とりあえずもう飲むしかない。ということで、ここは呑んで待つことにします。
と、ラウンジで呑んでいたらどうやら30分程度の遅延とのこと。呑みながらEXアプリから博多からの新幹線を1本遅らせる。いや〜、ほんとEXアプリって便利ですよね。そして小腹が空いたのでラウンジを出て売店に行き、宮崎の有名なカレー屋、ガンジスのカレーの小サイズを食べることに。インスタに「2分で食べる」と言ったものの、実際は1分で飲みました(笑)
まあ、30分くらいの遅延なら全然OKライン、ということで約25分遅れで宮崎空港から福岡空港行きの便に乗って帰路につきました。おそらく来年も宮崎には来ることでしょう、間違いなくミネベアミツミ戦で。ありがとう宮崎、楽しかったよ宮崎…
後日談ですが、どうやらこの日は全国的に飛行機の遅延が発生していたらしく、宮崎空港でも福岡便以外でも東京便などの遅延も発生していました。そしてこの日、宮城会場の中継を担当されていた、いつもお世話になっているKSL TVのクルー(と言ってもワンオペですが…笑)も遅延で伊丹の門限ギリギリに到着したとのこと。そして宮崎会場の担当だった兵庫県社会人連盟の中継クルーが乗った、私がギリギリまで取ろうかと迷っていた宮崎伊丹の最終便は遅延のため、伊丹の門限に間に合わず、関空送りとなってしまったとのこと。わ〜、最終便じゃなくて時間カツカツだったけど福岡経由にしておいてホントに良かった〜と思ったのでした(笑)
最後に一言。
家に帰るまでが遠征
です!(笑)
追記
チャンピオンズリーグの決勝ラウンドに残った4チーム全てに共通すること。それは
自前のグラウンドとクラブハウスを持っている
こと。決勝が1日おきに変わった時、これからは単なる戦力の勝負ではなく、クラブとしての総合力が問われるはず、と感じていました。今までは決勝ラウンドといえども週の半分だけ遠征すれば良かったのが、決勝ラウンドの1週間ほぼ丸々遠征する必要が出てきたのです。一月に2度もそれだけの費用を掛けられるかどうか、ということが勝負の鍵になると思っていました。しかし今回のこの結果を見て、それ以上にもっと必要なものがあったことに気づかされました。それについては、また機会があればお話ししてみたいですね…
ということで、明日から始まる決勝ラウンド。どこがどういう結果に終わるのでしょうか。