the year in music 2021
the year in music 2021 list
Best Album
Bleachers “Take The Sadness Out Of Saturday Night”
Best Song
宇多田ヒカル “One Last Kiss”
Best Artist
櫻坂46
Best New Artist
Black Country, New Road
Best Music Movie
David Byrne’s American Utopia
oasis Knebworth 1996
Best Live Performance
King Crimson - Music Is Our Friend @ Bunkamuraオーチャードホール (2021/12/7)
櫻坂46 - 1st Anniversary Live @ 日本武道館 (2021/12/10)
Best Reissue
Metallica “Metallica” & “Metallica Black List”
10 Best Albums
Bleachers “Take The Sadness Out Of Saturday Night”
Black Country, New Road “For The First Time”
black midi “Cavalcade”
Turnstile “Glow On”
Mastodon “Hushed And Grim”
Deafheaven “Infinite Granite”
VA “Shang-Chi And The Legend Of The Ten Rings: The Album”
Idles “Crawler”
The Armed “Ultrapop”
Easy Life “Life’s A Beach”
the year in music 2021 playlist
1 "Stop Making This Hurt" Bleachers from "Take the Sadness Out Of Saturday Night"
2 "One Last Kiss" 宇多田ヒカル from "One Last Kiss"
3 "櫻坂の詩" 櫻坂46 from "BAN"
4 "Sunglasses" Black Country, New Road from "For The First Time"
5 "Everybody's Coming to My House (Live)" David Byrne from "American Utopia On Broadway (Original Cast Recording Live)"
6 "Red (Live At The Anthem, Washington DC)" King Crimson from "Music Is Our Friend (Live In Washington And Albany, 2021)
7 "Holier Than Thou" Biffy Clyro from "The Metallica Blacklist"
8 "Dethroned" black midi from "Cavalcade"
9 "DON'T PLAY" Turnstile from "GLOW ON"
10 "The Crux" Mastodon from "Hushed and Grim"
11 "Great Mass Of Color" Deafheaven from "Infinite Granite"
12 "Diamonds+ And Pearls" DPR LIVE, DPR IAN & Peace from "Shang-Chi And The Legend of The Ten Rings: The Album"
13 "Crawl!" Idles from "CRAWLER"
14 "A Life So Wonderful" The Armed from "Ultrapop"
15 "nightmares" Easy Life from "life's a beach"
16 "Live Forever (Live At Knebworth, 10 August '96)" oasis from "Knebworth 1996 (Live)"
Bonus Track
17 "All Too Well (10 Minute Version) (Taylor's Version) (From The Vault)" Taylor Swift from "Red (Taylor’s Version)"
1 "Stop Making This Hurt" Bleachers from "Take the Sadness Out Of Saturday Night"
プロデューサーとしての活躍も凄まじい勢いのジャック・アントノフのソロ・プロジェクト新作が今年のベスト・アルバム。確かこのアルバム・タイトルがアルバム収録曲の歌詞に2回ほど出てくるけど、こんな時代だからこそ、そんな"小躍りしたくなる"要素が嬉しかった。これまでの作品に比べてもより一層、アメリカが生み出すロック及びポップスを再定義しようとする意思がひしひしと感じられたし、それもよかった。
2 “One Last Kiss” 宇多田ヒカル from “One Last Kiss”
ベスト・ソングはこの曲!宇多田ヒカルなんて超代表曲を数曲知っている程度なのに、テレビか何かでこの曲のMVを観る機械があって、曲も歌もトラックもなにもかもが衝撃で。その後にこの曲がエヴァンゲリオン新作の主題歌だと知り(これまで宇多田ヒカルがエヴァの主題歌をずっとやってたことすら知らなかった笑)、この曲が映画のエンドロールで流れるのを大画面で観ることができたらいいだろうなと思ったところから、エヴァンゲリオン映画5作、テレビ・シリーズ26話を全部観てから「シン・エヴァンゲリオン」IMAX上映に間に合ったという、その集中力と没頭度合いはこの楽曲の僕にとっての訴求力の強さ表れなのだと思う笑。
3 “櫻坂の詩” 櫻坂46 from “BAN”
昨年12月に再デビューして、今年は観たライヴ8回(含む配信1回)、シングル2枚、映像作品2作、そして推しメン、小林由依の休養&復活。こんな時期によくここまで活動してくれたなと思うし、そこで思うことは”感謝”と呼んでいいのではないかと思うこのグループが、圧倒的に今年のベスト・アーティスト。小林由依が復活したライヴでこの曲が披露されている時に、”君自身が立ち上がるのを待ってた”と歌うパートで小林が会場の画面に大写しになったところはグッときたなあ。友達が「人生に推しは必要」と言っていたけど、これって名言だなと身をもって理解した一年だった笑。
4 “Sunglasses” Black Country, New Road from “For The First Time”
今年はサウス・ロンドンがひとつの震源地の様になっていた印象があるけど、その中から出てきたこのバンドが今年の新人賞。”なんだか聴いたことない音楽”にバンドを通じて出会えることって幸福でしかない。誤解を恐れず言うとしたら漠然とKing Crimsonっぽいと思ったりもしたけど、CANっぽいフリーキーさもあり、底知れぬ感じが心地よい。2022年の新作も楽しみだし、ライヴも観てみたい。
5 “Everybody’s Coming to My House (Live)” David Byrne from “American Utopia On Broadway (Original Cast Recording Live)”
今年のベスト音楽映画はこれとoasisの「ネブワース1996」!観終わった後に「生きようと思う」と感想を書いていたのでこれは相当良かったんだな、と。シネクイントで観たからまだよかったけど、あれを生で観たらどうなっていたんだろうと思うレベルの、体験したことないような音楽体験が封じ込められていた。そしてこの作品の元になったデイヴィッド・バーンの”American Utopia”というアルバムも今年初めて聴いたけど、このアルバムが本当に素晴らしかった。
6 “Red (Live At The Anthem, Washington DC)” King Crimson from “Music Is Our Friend (Live In Washington And Albany, 2021)
今年のベスト・ライヴはこの人たち(と言ってもサニーデイ・サービス、櫻坂46、SUPERSONICとKing Crimsonしか今年は生でライヴを観てないけど)。トリプル・ドラム擁する7人編成で、非常に緻密な渾沌とダイナミズムにまみれた、強烈で幸福な音楽体験。これがコロナ禍で初めて観た海外のロック・バンドでよかった。この音源は来日直前にリリースされた同編成での今年のライヴ音源。ライヴ音源だけど、完全に新しいものとして構築されているというのが凄い。
7 “Holier Than Thou” Biffy Clyro from “The Metallica Blacklist”
今年のベスト・リイシューはMetallicaの”Metallica”(通称ブラック・アルバム)のリイシューと世界中のアーティストが参加した同アルバム収録曲のカヴァー・アルバム。ブラック・アルバムのリイシューは14CD/6LP/6DVD、カヴァー・アルバムは全53曲収録(ブラック・アルバムって全12曲なのに笑)。バンドとして凄いのはもちろんのこと、その過剰さとユニークさ、活動の自由度合いは、実際にそれができることも凄いし、それをやってしまうことも凄い。結成40年を迎えてもこういう他の追随を許さない活動はリスペクトしかないし、とても興味深い。
8 “Dethroned” black midi from “Cavalcade”
このバンドもサウス・ロンドン出身で、アルバムとしては2枚目。このアルバムもやはりCrimsonやCANやフリージャズっぽい要素があった。そこに僕にはジェロ・ビアフラっぽく聴こえるヴォーカルが意外にポップなメロを歌うというアンバランスさがまたよい。このバンドの音圧は、よくポスト・パンクなんて言われるけど、Queens Of The Stone AgeやFoo Fightersなんかを聴いている人にもオススメできる強さがあると思う。来日が”延期”のままなので早く実現しますように!
9 “DON’T PLAY” Turnstile from “GLOW ON”
ボルティモア出身のハードコア・バンドが大化けしたアルバム。ハードコア・マナーに則った部分、随分オーセンティックな(というかかなりベタだけど抗えない)ギター・リフの応酬、Blood Orangeをフィーチャーしたりした拡散、一気に幅の広がった印象。90年代の頭にもこういうバンド結構いたなあと思ってみたり。前作も良かったけど、その比じゃない完成度だなと思っていたら、今年の年末の各メディアのベスト・アルバムで結構名前が出ていてきて、それも納得(&ちょっと嬉しい)。
10 “The Crux” Mastodon from “Hushed and Grim”
現行のメタル・バンドの中でも1、2を争う程好きなバンドだなと思う、マストドン。King Crimsonの”VROOM”や”THRAK”を手がけたプロデューサーを迎えて制作した4年ぶりの新作。ずっとバンドを支えてきたマネージャーを癌で失ったこととこのコロナ禍をモチーフにしたアルバムで、パキッとキャッチーな部分よりも、楽器全体が一体となってぐにゃりと時空が曲がってしまうような部分がブースト&フォーカスされたような傑作だった。
11 “Great Mass Of Color” Deafheaven from “Infinite Granite”
これまではブラック・メタルとシューゲイザーを混ぜた”ブラックゲイズ”と呼ばれたりもしていたバンドの新作が、え?なにこれ!?という”新しい音楽表現を発明”したという表現がぴったりの進化をした幸福な衝撃アルバム。ニューウェイヴっぽくもある美しさが響き、これまではグロールだったヴィーカルもちゃんとメロディを歌う、という。どういう風にライヴで過去の曲と混ぜていくんだろうか…ライヴ観てみたい。
12 “Diamonds+ And Pearls” DPR LIVE, DPR IAN & Peace from “Shang-Chi And The Legend of The Ten Rings: The Album”
今年はマーベルの映画もドラマも大量にリリースされて、でも総じて素晴らしい作品だったけど(マーベル補正は大いにあるけど笑)、その中でアジア系の人が初めてフィーチャーされた作品「シャン・チー」が公開されるのに合わせてリリースされたのが、このインスパイア・アルバム。「ブラックパンサー」の時はTOP DAWGと組んだように、今回は88risingと組んで制作された今作、全曲ポップで素晴らしく、アルバムとしての完成度が高かった。
13 “Crawl!” Idles from “CRAWLER”
本来であれば今年のPearl Jamのロンドン、ハイドパークでのライヴのオープニングをやる予定だったバンドの新作。こんなにもザラザラとした音像を持ったロック・バンドの前作が全英1位ってイギリスってホントに羨ましくもリスペクトな国だ。この通算4作目も競合リリースがひしめく中での全英6位、これもすごい。スロウタイやヴィンス・ステイプルズの制作をしたプロデューサーが手がけていることもあってか、聴いたことあるようで聴いたことのない類のロック・バンドの進化が聴けるアルバム。
14 “A Life So Wonderful” The Armed from “Ultrapop”
確信犯的ハイパーキャッチーハードコア、と呼ぶべき?人を喰ったようなものをかなりピュアに突き詰めて、万華鏡みたくキラキラギラギラしたハードコアでしかもこのジャケ笑。なんだこれは…笑。でもConvergeのメンバーが関わっているらしく、音楽としては相当なレベルなものを突き詰めているという印象で、何回も聴きたくなるアルバムだった。
15 “nightmares” Easy Life from “life’s a beach”
実は単なる”おしゃれバンド”で自分とはそんなにリンクすることのないバンドだと思っていたんだけど、このアルバムの最後の曲の歌詞を読んでいて、もっとどよーんとして郊外から外の世界を思うような視点を持ったグループなのかと見方が変わったかも。「トレインスポッティング新作」でフィーチャーされていたYoung Fathersと実はベクトルは同じ感じというか。2022年以降も期待の新人。
16 “Live Forever (Live At Knebworth, 10 August ‘96)” oasis from “Knebworth 1996 (Live)”
1996年に開催され2日で25万人を動員したoasisのライヴのドキュメンタリー作品。劇場限定公開されたドキュメンタリー作品はあの時代の空気や熱をその場にいた人たちの発言を元に上手く描いてダイジェスト的にライヴを見せつつ、Blu-rayにはその2日間フルのライヴが収録されているという、その時代の空気も熱も体感してきた人(自分)には冷静には向き合えない感動しかない作品。まさに”You and I are gonna live forever”です。
Bonus Track
17 “All Too Well (10 Minute Version) (Taylor’s Version) (From The Vault)” Taylor Swift from “Red (Taylor’s Version)”
ベスト・アルバムでもベスト・ソングでもないけど、元々は5分位の曲で、そのヴァージョンもよいけど、それを10分に拡張したヴァージョンがあまりに素晴らしかったのでボーナス・トラックとして最後に。この曲をもって、テイラーが”Desolation Row”を歌うボブ・ディランや”The Last Trip To Tulsa”を歌うニール・ヤングのような存在にまで自らを拡張したんだな、とその姿に感動。